齋藤薫の美容自身 Stage2
 “いつも浮気される女”とは、どんな女か? 答えを出すのは、いとも簡単。それはいつも“浮気する男”を選んでしまう女、だからである。
 これがひと昔前なら“男はみんな浮気をする”という大前提のもとに話をしたのかもしれないけれど、最近は“浮気する男”と“しない男”にハッキリ二分される傾向にある。今や男が恋愛できない、したくない時代。ギラギラした男自体が減ったのは間違いなく、だからその分、“浮気”などする気もない淡泊な男が増えたのだ。そういう男を選んだ場合は、浮気の心配がない代わりに、今度はセックスレスに悩まされるようなことにもなりがちだが。
 つまり、男が浮気するのは、女のせいではない。男たちの体質のせいなのだと、そう言い切ってもいい。だからこそ、浮気される女は、する男ばかりを選んでしまう女、ということになるが、じゃあなぜ、そういう選択をしてしまうのか? “浮気する男”ばかり選んでしまうのは、結局のところ“自分に合っていない恋愛”にいつも自ら入ってしまう女。言ってみれば、『セックス・アンド・ザ・シティ』において、サマンサが相手にするような男を、シャーロットが選んでしまうというマズさがそこにはあるのだ。人生設計にまったく合っていない、本来自分が望むべきでない男を選んでしまうからに他ならないのだ。
 もちろんそこには、決定的な判断ミスがあるわけだが、頭もいいし、仕事もできるし、他のことではおよそ判断ミスをしないような女が、男選びにおいてだけは、大きく踏み誤ってしまうということが少なくない。紛れもなく前のめりに愛されたい、幸せになりたいという想いが先に立ってしまい、判断力があとからやっとついていく形だから。しかもその時、判断力が働く前に、女にはだいたい何らかの“ひらめき”があるはずなのだ。この男はアブナイ、いずれ浮気する。そういう悪い予感みたいなものが一瞬の光として見えたりするものなのに、愛されたい、幸せになりたいという想いが強すぎると、それを女はとっさに“見なかったこと”にしてしまう、自らが自分に与えた警告灯を、自分で消してしまうのである。だから、判断力をあとからじっくり働かせようとしても、その手がかりとか証拠となるようなものは、すでに消去してしまったあと。
 すべては、幸せになりたい前のめりな気持ち、それに尽きるのだけれど、前のめりになるのは、たぶん自分にそこそこ自信があるからなのだろう。自分に自信のない女は、愛されることにも、幸せになることにもけっこう慎重で、結局引いてしまうからなかなか始まらないが、自信がある女は、私が幸せになれないはずはないとどこかで思っていて、前傾姿勢になって前へ進んでいくから、ブレーキがかからないのだ。だから“浮気される女”ほど、じつは美人が多かったりする。だいたいが、美人が好きな男は、他の美人にも目移りしやすく、だからこの組み合わせがいちばん危ういのである。
 本当は、本人もわかっているのだ。自分が浮気されやすい女だって。それがどうしてなのかまで。いずれにせよ、浮気する男はパートナーが基本的にどんな女でも浮気する体質なのだって、肝に銘じたい。“さわらぬ神にたたりなし”なのだということを。
BACK NUMBER INDEX NEXT