1. 将来を考えてる女と、考えない女、 一体どちらが正しいのか?

斎藤薫の美容自身2

2015.10.14

将来を考えてる女と、考えない女、 一体どちらが正しいのか?

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは幸せそうな女と不幸せそうな女について。毎月第2水曜日更新。

将来を考えてる女と、考えない女、
一体どちらが正しいのか?
齋藤 薫
ビューティジャーナリスト
by 齋藤 薫

将来がどんどん開けてしまう人の人生は、何が違うのだろう

 たまたま出くわした光景に憧れ、ほとんど泳げないのに「いつか自分もイルカと泳いでみたい」と、いきなりダイビングを習い始め、結果として、フリーダイビングの世界チャンピオンになってしまった女性がいる。フリーダイビングとは、ボンベをつけずフィンだけつけて、何十メートルも深く潜っていく競技。その人は、水深92メートルという記録を持っている。もちろん、簡単なことじゃない、毎回が自然相手に命がけ、最低3キロは泳げることが大前提とも言うから、半端な努力ではなかったはずなのだ。「できるなら自分もイルカと泳いでみたい」きっと誰もが思うのだろう。でも「できるなら……」は、最初からやる気がない証。「いつか自分も……」というのも、一応の方法を考えるも、大変そうだからやめておこうと思うか、はたまた「私いつかね、イルカと泳ぐの」と言い続けて終わるか、8割がたはそのどちらか。じゃあその人、岡本美鈴さんは何が違ったのか? それこそ「いつか」は「今」、 と思う事が最大の決め手だったはずなのだ。

結局のところ、「将来こうなりたい」と思ったら、その将来を、遠くに眺めていないで、たった今から何かを始めることなのだと思う。将来を考えた時が始めどき。もちろん、そうしないと間に合わないとは言わない。いくつになろうと、遅すぎる事は何もない。でも、「将来」を作文に書くだけで終わって良いのは、多分中学生まで。もう大人になったら、「いつか」は「今」。でないと、人生は動いていかないのだ。

 そう考えると、〝将来を考えている〞だけでは何の意味もない。考えるだけで、何も実現しない生き方よりも、先の事など何も考えないほうが、むしろスムーズに生きていけるのかもしれないほど。実際に何も考えず、人生めちゃめちゃ上手くやっていく人も少なくない。

極端な話をすれば、正真正銘、見事なスカウトによって女優になった人……たとえば堀北真希さんなどは、考える暇もなく道が開けていった人。「友達やら家族やらがオーディションに勝手に応募してしまった」という人が多い中、中学2年の時にバスケットボールの部活の帰り道に畑でスカウトされたという人。原宿でなく、〝畑の中〞? は不思議だけれどこの人らしい。まさに、青天の霹靂だったはずだが、生徒会の副会長をしていた真面目な生徒がスカウトに素直に従っていくのは、将来を考える前に〝流れに身を任せる人〞である証。

そもそもがこの人は、バスケをするのに危険だからと眼鏡をコンタクトに替えた途端、〝美少女〞としてその名が轟きわたったというから、全て想定外のことだったのだろう。しかし女優になった途端、演技で高い評価を受け、数多くの賞を受賞。『ALWAYS 三丁目の夕日』にこの人を起用した映画監督も、最初はその気がなかったのに、実際会ったら「彼女しかいない」と確信したらしいし、追い詰められるほどに新たな才能をどんどん開花させる、潜在能力に優れた女優という評価もある。演技を学ぶ暇もなく、17歳で新人賞を総なめにしたのだ。

そう、今回の結婚がトンデモなく衝撃的だったのも、かつて一度も恋愛報道がない人が、交際0日の電撃結婚。おそらくは、結婚願望も芽生えないままの結婚だったのでは。しかも「好きな人ができても見ているだけでいい」発言、「1人でいても平気」発言など、恋愛願望すらないことを明かしていた。そういうこともひっくるめ、考える暇もなく、道が切り開かれていく人。勝手に人生、高いレベルでまとまっていく人っているものなのだ。将来を考えないのは、投げやりでも、いい加減でもない。むしろ今をきちんと生きているから、先をあえて考えない人もいるということ。逆に、先のことを考えても考え散らかすだけで、人生がまとまらない人もいるのだから。

とすれば、考える人と考えない人、一体どちらが正しいのか? いやどちらが正しいのでもない。「どちらが自分なのか?」なのだ。それを早めに見極めておくべき。

あなたは一体どっちの性分?  それを今すぐ見極めるべきだ

さて、〝イルカと泳ぎたい〞から世界的なフリーダイバーになってしまった人は、20代の頃に大病をし、地下鉄サリン事件にも遭遇し、命に関わるアクシデントから、「明日何があるかわからない」という心境になったことで、まさに「いつか」は「今」と思ってすぐに動き出したといわれるが、この人はあるインタビューに、こうも語っている。「これまでの経験のどれかひとつが欠けても今の私はなかった」と。つまり、良いことも悪いことも経験したことをどんどん積み重ねていった結果が、大きな成果を生んだ。多分、心を動かされたことに素直に反応して、ともかく動き出して前に前に進むことで、いつの間にやらイメージしていた将来が形になっていったのだ。

もちろん、挫折も多々あるはずだけれど、でもそういう経験もまた知らず知らず積み重なって、ちゃんとどこかにつながっていく。人生振り返ってみると、過去においては無駄だったはずの事がじつは100%何かの役に立っている事実に気づくはずなのだ。だから、将来の事を常に考えている人、あーなりたいこーなりたいと、いつも願望だらけの人、なんだかんだと今とは違う未来の自分をイメージしてる「考える人」は、ともかく目標に向けて色んな経験を積み重ねてほしい。続かないならず続かなくてもいい、いつか必ずそれが意味を持ってくるから。一番陥ってはいけないのが、「いつか」を「いつか」のまま放っておくことなのだ。放っておくと、自分の人生、いつもうまくいかないと悶々とするだけだから。

 結局のところ将来のことを考えるかどうかは、ひとつの〝性分〞に他ならないのだ。続かなくても、何も積み重ならなくても、将来のことばかり考えている人に、 「考えるな」と言っても無理。あくまでそういう性分だから。逆に「考えなさい」と言われても「先のことはわからない」「今決めても意味がない」というのも、これも性分。でも考えない人は、その分〝目の前にあること〞に対して、ひたむきに取り組むことが何より大切なのだ。つまり無欲になること。変な欲を出さずに、その日その日を一生懸命。

堀北さんがストイックと言われる理由のひとつも、台本を常に完璧に入れてくるタイプで、将来に前のめりにならず、今日を完璧にやり遂げる人だから。おそらくは、仕事の相手に求愛されたのも、交際0日、いきなり「一緒に生きていきたい」と思われたのも、〝野心〞より、〝今日に一生懸命〞が見える人だからだろう。そういう人には、向こうから良い未来がやってくる。9割がた良い未来が……。

どちらにせよ、将来など考える暇がない、考えたくない人は、だからその分〝無心〞になって、ともかく一日一日を丁寧に。それだけですぐに未来が開けてくる。一方、先のことばかり考える人は、「いつか」は「今」。経験を階段にして、ともかく今日から登り始めば、いつかきっと上手くいく。さあ、自分がどちらのタイプなのか、今すぐここで考えてほしい。答えは明快なはずだから。

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齋藤 薫
齋藤 薫
美界のご意見番。VOCE連載のほか、美容や女性をテーマに多くの女性誌で執筆中。精神性の深さが多くの女性から支持をえている。

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