1. いきなり結婚を申し込まれる女。いきなり別れを告げられる女

斎藤薫の美容自身2

2015.11.11

いきなり結婚を申し込まれる女。いきなり別れを告げられる女

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは幸せそうな女と不幸せそうな女について。毎月第2水曜日更新。

いきなり結婚を申し込まれる女。いきなり別れを告げられる女
齋藤 薫
ビューティジャーナリスト
by 齋藤 薫

“とことん正しい女”という
ひとつの境地へ

きっと、みんなもう知っているのだろう。"いきなり結婚を申し込まれる女”がどんなタイプかなんて。ここでわざわざ語らなくても、昔から気づいているはずなのだ。なぜならそれは小学生の時に、"道徳の時間"に習ったような正しさであり、子供の頃はクリスチャンでなくても通った、教会の日曜学校で習ったような正しさだから。つまりそれは、とことん"正しい女"。心も振るまいも正しく、生き方も正しい。しかも、正しすぎるのにアザとさがない、胡散臭さがない。そういうオール5みたいな女性に出会ってしまったら、もう結婚せずにはいられない……男はそう思うのかもしれない。いや、そこでいきなり結婚を申し込むのは、今まで散々散々恋愛してきた男に限られるか。 

たとえば市川海老蔵も今の妻、小林麻央に出会った時、たぶんいきなり結婚を考えたはず。上智出身のキャスターで見事な清純派。大学時代に出演した『恋のから騒ぎ』でも、見た目よりもずっと奥手なのが語られた。しかし"いきなり結婚"を決めてしまうのは、相当に自分に自信のある男……。なるほど、あの"交際ゼロ日結婚"で物議を醸したカップルも、役者が見事に揃っていたことになる。
 
まさしく、小学校の道徳の時間の教えを今もきちんと守っているような、奇跡的な正しさを持った女優と、プレイボーイとしても名高い自信にあふれた男……。堀北真希さんの"交際ゼロ日"を心配するおせっかいな報道もあったりするが、あの二人が出会うと、そういう劇的な出会いになるのは、どこかこの世の理の一部、誰も止められないエネルギーが生まれていたのだろう。

 そう言えば、ジョージ・クルーニーと有能な美人弁護士の結婚にも、誰にも止められないエネルギーが働いた。天下のモテ男にして独身主義、でも彼は自分にとっての"奇跡的に正しい女"に出会ってしまったわけで、人生設計をすべてひっくり返しても、いきなり結婚を考えたのは間違いない。百戦錬磨の強者ほど"奇跡の正しさ"を探しているから、すべてを投げ打つのである。

 かくして、"いきなり結婚を申し込まれる女"は、やっぱりとてつもなく正しい女。それに尽きるが、その境地に今さら行きつくのは無理と、さっさと諦めてしまわないで。"正しいこと"って、そんなに難しいだろうか? それこそ小学生が学ぶこと。日曜学校の子供たちが学ぶこと。「自分にしてほしいと思うことを、人にも同じようにしてあげよう」的な。「他の人のほうがいつも自分より上と考えるとすべてうまくいく」的な……。そういうことって、大昔から知っていたけれど、横に置いて生きてきた。でも大人になってからきっちり思い出すと、けっこうな衝撃で心を打たれたりするもの。それに反することを大なり小なりやってきて、子供の頃には理解できなかったことが、いちいち腑に落ちるから。

 そういう"絵に描いたような正しいこと"は、改めて自分の中に入れると、じつは大変な美容になる。知らず知らず溜まってきた邪気が浄化されるから。いや単純に"汚れたものはすぐに洗う"とか、"口先だけでなく心から謝る"みたいな当たりまえを当たりまえにできる、を新たなテーマにして自分を浄化したいのだ。

 つまり日本の女たちはあれを、ただの芸能ショックですませてはいけない。"いきなり結婚を申し込まれる女"に学ぶべき決定的なこと。とことん"正しい女"になる……やってみてほしい。自分の中で何かが絶対変わるはずだから。

女は自分で自分守らなきゃ。
だから、もっと第六感を研ぎ澄ませて


 じゃあ、"いきなり別れを告げられる"のは、どうしてか? これは逆に"正しいことしか知らない人"ほど危ない。そもそもが正しいばっかりの人は想像力に欠け、そういう可能性さえ考えたことがないのかも。もちろん、"人を疑わない"って正しいこと。しかし、世の中にあるいろんな"理不尽なこと"、"間違っていること"、"許されざること"を、どこかでわかっていたら、小さな変化にも対処ができたはず。

 "いきなり"の闇討ちに遭う側には、何の責任もない。100%相手の問題。しかし相手の危険因子なり、良からぬ気配なり、ネガティブな要素をどこかで感じ取っていたら、闇討ちに遭うまでに何らかの処置ができたはず。防御なのか、阻止なのか、はたまた心の準備なのか……ともかく人間の反道徳的な部分を知ったうえで想像力を使えれば、"いきなり"の衝撃だけは避けられたはずなのだ。

 しかし、想像力を使いすぎて疑り深くなると、それはそれで"闇討ち"に遭いやすくなる。だから相手の心や言動を上手に読んで静かに備えたいわけで、やっぱり恋愛や結婚も備えあれば憂いなし。

 ちなみに知っていただろうか? 女には"危険な気配"を察知するという、優れた潜在能力が備わっていること。腕力の代わりに鋭い"第六感"を神様に与えられたのだ。そう、女は人生においてあまり激しく自分をキズつけてはいけないから。自分で自分を守らなきゃ。それは女の使命なのだ。だからそれは男の浮気にも役立つ第六感。疑心暗鬼になるのではなく、女はつねに危険な気配を読む感覚を研ぎ澄ませておくべきなのだ。猜疑心の強い女ではなく、カンの鋭い女へ。

 もちろん相手が無責任で身勝手なしょうもない男なら、早々と次の人生に歩み出す準備を始めたいから、男の質の見極めも含めての第六感をきちんと養っておくことなのである。

 ダイアナ元妃に皇太子妃として白羽の矢が立った時、真偽のほどはわからないが、皇太子とずっと不倫を続けるつもりだったカミラ夫人が「彼女ならば大丈夫。純粋だから」と言ったという報道がある。ちゃんと"カンのいい女"のイメージをつくっておくも女の"備え"。女が幸せになるためには、"正しい心"も"正しくない心"も両方読み取れる清濁両面の"読解力"を持っているべきなのだ。いきなりそうはなれなくても、かつては迷いも邪気もいろいろあって失敗もしたからこそ浄化して、ようやく正しい心に到達できた……そういう人がきっといちばん幸せになれるのだと思う。

 たとえばドリュー・バリモア。あの「E.T.」の子役などで活躍したが、10歳で早くも薬物を始め、14 歳で自殺未遂。その転落を母親のせいにして訴訟、ともうめちゃくちゃ。しかしその後、見事に改心。大人になってからは女優としても成功し、24歳では映画の製作総指揮を取り、その後映画監督も手がけ、30代になってからは慈善活動にも熱中して、飢餓撲滅親善大使にも選ばれている。19歳での最初の結婚は1ヵ月、次が5ヵ月とギネスものの短い結婚ののち、長ーい沈黙のあと、ようやく幸せな結婚を果たしたのは36歳の時。極端な例とは言え、でもそういうふうに自らを浄化できるって、じつは最高の人生を送る決め手なのだ。

 どんなに時間がかかっても、いつか"とてつもなく正しい心"の持ち主になりたい。いや、時間をかけてたどり着くほど、その人の人生は濃厚にして素晴らしいものになる。今からでも全然遅くない。

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齋藤 薫
齋藤 薫
美界のご意見番。VOCE連載のほか、美容や女性をテーマに多くの女性誌で執筆中。精神性の深さが多くの女性から支持をえている。

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