1. 誰の色にも染まる白い女、誰の色にも染まらない黒い女、どちらが正しいか

斎藤薫の美容自身2

2017.01.11

誰の色にも染まる白い女、誰の色にも染まらない黒い女、どちらが正しいか

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは誰の色にも染まる白い女、 誰の色にも染まらない黒い女、どちらが正しいかについて。毎月第2水曜日更新

齋藤 薫
ビューティジャーナリスト
by 齋藤 薫

染まらない黒で生きるなら、相手を染めるほど強い影響力を持とう

こうやって考えれば考えるほど、この生き方は「あり」のような気がしてくる。もちろん誰と会おうと、どんな恋をしようと、自分を全く変えずに、全くブレない生き方をするのは、当然だけれど正しい。そしてまた、別に男といちいち付き合わなくても、自分一人でいろんなことにチャレンジすればいいわけだが、その時なんだか指南役なく一人闇雲に新しい世界に入っていくのは、無駄もあるし不安もある。そこを、男たちがナビゲイターになってくれるわけだから、迷いもないし、失敗もない。この道はちょっと違うなと気づいたら、いっそ男と別れればいいわけで、一人で始めるよりは、男がらみの方向転換の方が効率が良いのは間違いないのだ。

実際こういう女性がいた。恋人が車好きならレースを始め、バイク好きの男ならバイクに乗り、スノボ好きの男ならスノボを始めた。もともとスポーツ好きとは言え、結果的にスポーツ万能のスポーツライターになっていた。男たちはいわば人生作りのインストラクター。彼らがいたから安心して自分を試して、いつの間にか自分の人生を組み立てていた。あっぱれである。

もちろん、男に振り回されるだけで、何も残らないのは一番避けたい生き方。何も吸収せずに、ただそれぞれの男に合わせて自分を変え、相手の世界にどっぷりつかってしまうだけの女は、別れた後に消耗しか残らない。男と付き合えば付き合うほど消耗して、疲弊して、すり減っていく。それだけは避けたいのだ。

例えば色で考えると非常にわかりやすいかもしれない。何色にも染まるのは、白。ただその時、中途半端に色が染み込み、その色が抜けないままにまた新しい色がつき、どんどん色が混ざっていくと必ずグレーにくすんでいく。まさに、何も吸収できずに疲弊する女。そうではなくて、染まるなら真っ赤に染まる、真っ青に染まるといった風に鮮やかに色変換し、でもその色を全うしたら、すぐにまた全く違う色に変わる。そうやって色を次々着替えていくと、最終的に極彩色の人生になる。素晴らしいと思う。

一方で、何色にも染まらない女は、黒。そういう女は、自分にその意思がなくても、いつの間にか相手も自分の色に染めてしまう。それは確固たる魅力であり、相手に染み込むほどの影響力を持っていると言うことなのだ。そう、黒と言う色は、どんな色が来ても黒になる。どんな色も黒を混ぜると黒になってしまう。揺るがない自分を生きていくのなら、そのくらいの影響力を持ちたい。そうでなければただ、独りよがりな女になるか、唯我独尊な女になってしまうから。

「好きな色……何色にも染まる白。何色にも染まらない黒」これは安室奈美恵の名言。なるほど柔軟でありつつ、自分をしっかり持っていって、大きなことを成し遂げた人。そろそろ何色かに染まりたいのだけれど、とても慎重に自分のことを見つめている人。まさに黒であり白である女。自分も、白であり黒でもある女になりたい……そういう整理の仕方、生き方を考える上で、とても効果的。だから何かにつけて思い出したい。とても素敵な生き方ができそうだから。

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齋藤 薫
齋藤 薫
美界のご意見番。VOCE連載のほか、美容や女性をテーマに多くの女性誌で執筆中。精神性の深さが多くの女性から支持をえている。

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