1. スピリチュアルを超えた”お守り”の効用 何者かに守られている女と、誰にも守られてない女

斎藤薫の美容自身2

2017.05.10

スピリチュアルを超えた”お守り”の効用 何者かに守られている女と、誰にも守られてない女

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは"スピリチュアルを超えた”お守り”の効用 何者かに守られている女と、誰にも守られてない女”について。毎月第2水曜日更新。

スピリチュアルを超えた”お守り”の効用 何者かに守られている女と、誰にも守られてない女
齋藤 薫
ビューティジャーナリスト
by 齋藤 薫

欲張りでない上に、野心をむき出しにしないのは、ある種の人間力

先ごろ、いろんな意味で衝撃をもたらしたのが、出産を機に「家庭を大切にしたい」と、あっさりと女優業をやめてしまった堀北真希さんの引退。単に会社を辞めるとか、結婚退職するとか、私たちがそういう決断をするのとはハッキリ意味が違う。 既に揺るぎない人気を誇る女優という立場を、自ら降りてしまうわけで、何故そんなもったいないことができるの? と理解不能だった人は多いはず。人間は欲張りだ。みんな両方手に入れたい。女優も家庭も両方欲しくて当然。だったら両方握って離さなければいいのに、誰でも手に入れられる家庭を選んで、誰にも手に入れられない立場を捨ててしまう、そんなのはありえないと。 

以前に一人だけ、同じような立場にあって、同じような決断をした人がいる。言うまでもなく、’70年代に一世を風靡した山口百恵という人。人気絶頂で結婚、ステージにマイクを置いての引退後、たったの一度も公の場に姿を現さないことで、その強い意志に誰もが脱帽した。あれだけ脚光を浴びた人、やっぱり日の目を見ないでいると、再び脚光を浴びたくなってしまうのが人間というもの。その意志の強さと欲のなさに、世間はちょっと感動すら覚えてしまうのだ。 

言ってみればその人以来の快挙。思えば堀北真希は、共演者であった山本耕史に片思いさせ、何十通ものラブレターを書かせて、交際0日でいきなりプロポーズさせるという、前代未聞の"望まれ結婚"をした人。女は望まれて結婚した方が幸せという見方があるが、そんじょそこらには起こらないことと唸ったもの。人をそこまで夢中にさせるって、それだけで物凄いが、人に流される弱さは全く感じない。相手よりも強い心を持つ人だからこそ、男の方がそんな奇策に打って出るしかなかったのだ。今時の、ノリの良さも、ふわふわ感も、またちゃっかりさも一切ない。堅物といってもいいほど古風なのに、でも凝り固まっても、古びてもいない。眼鏡をかけていて生徒会の副会長までやるような真面目な生徒だったとされるし、畑の真ん中でスカウトされたのは有名な話だが、映画デビューして間もなく新人賞を取りまくるような目覚ましい才能を発揮した。そこもまたタダモノじゃない。欲張りではないが、何かに扉を開けられると情熱を持ってやってのけ、結果、新しい人生を力強く切り開く、人間力が強い人なのだ。だから今回の引退も、よく考えると不思議じゃない。むしろ家族にひっそり愛情を注ぐことが、 喝采を浴びることより大切と思えるのも、欲や野心より大きなものを見ている証。この若さでこの達観はある種の人間力、心の強さに外ならないのだ。

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何かの力に守られている人とは……?

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