1. 【秋バテ解消!】薬膳の知識を使って食べれば疲れ知らず!

2018.09.07

【秋バテ解消!】薬膳の知識を使って食べれば疲れ知らず!

暑さに負けて、ついつい冷たいものばかり食べていませんか? でもそれでは暑さに体が負けてしまいます。そこで、国際薬膳師であるタレントの麻木久仁子さんに、バテない食事法を教えてもらいました!

【秋バテ解消!】薬膳の知識を使って食べれば疲れ知らず!

暑い時季に飲むお茶は、常温の「はと麦茶」がおすすめ

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夏も終盤ですが、毎日毎日、暑いですよね。もはや30度と聞くと「過ごしやすいわ~」と思っている時点で温度感覚が完全に狂っている証拠……。でも、こうも暑いと「内臓を冷やさないと涼しさを感じられない!」とばかりに、ついビールを飲んだり、かき氷を食べたりしがち。

薬膳から見るとこれは“その瞬間”は体を冷やしてくれて気持ちいいけれど、あとから“疲れ”につながる食べ方なのだとか。

「薬膳では、食べ物の温度が体温に近ければ近いほど栄養が吸収されやすいと考えられているため、冷たすぎるもの、熱すぎるものというのはおすすめしていません。なぜなら口から入ってくる食べ物が冷たすぎたり熱すぎたりすると、体はまずそれを自分の体温に合わせようと中で温度調節をするため、さまざまな機能が不必要にフル稼働しなければなりません。つまりエネルギーを大量に消費するんですね。そのため、夏、冷たいものを食べ過ぎると疲れてしまうんです」(以下、「」麻木さん)

だからこそ、こまめにとる水分は常温のものがいいのだとか。

「薬膳の考え方というのはすべてがバランス。だから体温とあまり温度差のない常温の水分を取ることで、体へ吸収率が高くなると考えられています。中でもおすすめなのがはと麦茶」

「日本の夏というのは、ただ暑いのではなく蒸し暑いですよね。蒸し暑さというのは体力を奪い、体の中のさまざまな循環を滞らせます。そのため熱が体内にこもったり、むくみが出たり、かくべき汗をかかなかったりするんですね。はと麦茶は、体にこもった熱を発散し、利尿作用を促してくれるので、どんどん余分な水分を排出。むくみを取ってくれます」

「また、はと麦茶にミントを浮かべるのもおすすめですよ。ミントはあの香りが暑さでイライラした神経を鎮めてくれますし、気持ちも体もすっきりと目覚めさせてくれます。だから暑い時季の朝の1杯は、常温のはと麦茶にミントの葉を浮かべたものでぜひスタートしてみてください」

朝は温かいものから始める

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ということは、朝の1杯に前の晩からキンキンに冷やした緑茶とか、氷を入れて作ったスムージーとかいけないんでしょうか!?

「薬膳的にはおすすめできないですね~(笑)。でもそれは決して緑茶が悪い、スムージーが悪いということではないんです。要は食べ物にはそれぞれ食べたり飲んだりするのに適したタイミングがあるということ」

「薬膳では、日中は陽の時間、夜は陰の時間と考えます。陽は活動的な時間、陰は体を休ませる時間。つまりは陽の時間にはエネルギーを使うので多少パワフルなものを食べてもよく、体を休ませる陰の時間には消化のいいものを食べるのがいいと言うことです。だからまだ陰から陽へ切り替えなくてはならない朝は、あたたかく消化のいいお茶やスープ、おかゆやにゅうめんなどを食べるのがおすすめ」

「そして冷えた緑茶やスムージーは、陽が盛んな時間であるお昼時やおやつのときに取るのが◎。つまり同じそうめんを食べるにしても、薬膳の食事法を用いるなら、朝はにゅうめんを食べ、お昼にはつめたいそうめんにすればいいと言うことです。そしてまた、陰の時間になった夜には、野菜やくだものなど体を潤すものをしっかり食べる……これが薬膳の考えに基づいた1日の食事法です」

「薬膳というと、皆さん、難しい印象を持っているため、クコの実や高麗人参がないと作れないんじゃないかなど思うかもしれません。もちろん本格的にやればそうなのですが、日常取り入れられる薬膳というのは、“いつ何を食べるのが体に適しているか”がいちばん大事。だから、たとえコンビニ食だって薬膳の知識を取り入れてきちんと合った時間帯に食べればいいんですよ」

夏野菜をたくさんとって、秋もバテ知らず!

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「よく旬の野菜を食べるのは体にいい、と聞きますよね。これ、薬膳でも同じ考えなんです。とくに夏野菜というのは、あの厳しい暑さの中、しっかりと実る、ものすごい強いパワーを持っているパワーフード。だからこまめに夏野菜を取ることも立派な薬膳なんです。きゅうり、ゴーヤ、ズッキーニ、トマト、なす……これらをぜひいつもの食卓に取り入れてみてください」

「忙しいときなど、コンビニのお弁当やお惣菜に頼ることだってそりゃあります。私だってそうです。でもそこに切ったトマトやきゅうりを添えるだけで薬膳のパワーが加わります。中でも“朝採れ野菜”なんかは新鮮でよりいいと思います。ちなみに私がよく作るのが、夏野菜の蒸し物。1人用の蒸篭に白身系のお魚か鶏肉、えび、お豆腐などのたんぱく質をまず入れ10分蒸し、家にある夏野菜(トマト、ズッキーニ、きゅうりなど)を加えて5分蒸すだけ。簡単ですが、これもちゃんと薬膳のバランスが取れたメニューです。ちなみに食べるときは、ポン酢でどうぞ」

暑い時季は、潤い食材を積極的にとって

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暑い時季はたくさんの汗をかきますから、体から潤いが失われる季節。だからこそ積極的に潤いを補う食材もとってくださいと麻木さんはいいます。

「白ごま、豆腐、豚肉、たまごが潤いを補ってくれる食材です。だからさっきの蒸し物にもよくお豆腐を使うんです。でも本当にすばらしい! と思うのが、昔からある南の県民料理。ゴーヤチャンプルー(旬のゴーヤ、卵、豆腐)や冷汁(きゅうり、豆腐、白ごま)など、ちゃんと夏野菜と潤い食材が使われていて、薬膳のルールに合っているんですよね。昔の人の知恵って本当にすばらしいと思います。きちんとパワーと潤いを夏に食事からとっていたんですから。でも、こうしてちょっとした薬膳を日常に取り入れるだけで、体というのは全然違ってくるし、暑さに負けない体を作ってくれるんですよ」

教えてくれたのは……
麻木久仁子さん

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撮影/中林香

1962年生まれ。タレントである傍ら、国際薬膳師の資格を持ち、祐成陽子クッキングアートセミナーで講師も務める。著書に「ゆらいだら、薬膳」(光文社)がある。9月14日には新刊「生命力を足すレシピ」(文響社)を刊行する。

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『ゆらいだら、薬膳』(光文社)
著者:麻木久仁子
価格:1400円