1. 「男糸danshi」第12回 清川あさみ×伊勢谷友介

2014.09.22

「男糸danshi」第12回 清川あさみ×伊勢谷友介

アーティスト・清川あさみが男性をモデルに刺繍を施す「男糸」シリーズ。第12回となるVOCE11月号(9月23日発売)は、伊勢谷友介さんとコラボレーション。東京藝術大学でデザインを学ぶかたわらモデルとして活動。その後、映画デビューし俳優として活躍を続けながら映画監督として『カクト』『セイジ-陸の魚-』を手がける多才ぶり! また地球環境や社会問題を考えるさまざまなプロジェクトも企画し積極的に活動している伊勢谷さん。そんな伊勢谷さんに、「男糸」企画で清川さんが設定したテーマは坂本龍馬。

「男糸danshi」第12回 清川あさみ×伊勢谷友介

俳優はドMな伊勢谷友介でやっている!?

“私の想像したとおりの人!”と初対面の伊勢谷さんの印象を語る清川さん。

写真撮影では“風を感じる写真にしたい”とオーダー。ヒラリと身体を回転、ジャンプ、カッコよく上着をはためかせ、次々とポーズを変えていく伊勢谷さん。“この止まっていない感じが、伊勢谷さんだと思う”と清川さんは言う。

そんな清川さんの言葉を受けて、 「僕は能動的な性格なんです。自分から物事を進めていくのが性に合っています。でも能動的にばっかりやっていると、たぶんウツになると思うんです(苦笑)。バランスが取れなくなるというか……。 一方、俳優という仕事は、まず作品のオファーがあり、役柄があり、さらに監督や演出家の方のイメージに合わせて演じていく、というプロセスがあります。それが僕にとっては非常に受動的なんです。いい意味で型にはまっていく仕事。だから俳優・伊勢谷友介はドMなんですよ。超ドMと言ってもいいかもしれない(笑)。

そのようなスタンスで取り組んでいるので、ドラマや映画の現場で、逆に自由にやって欲しい、と言われると困る場合もあります(笑)。僕が自由に演技して他の共演者の方とのバランスや、作品のバランスは大丈夫なのかな?と心配になっています(笑)」と伊勢谷さん。

10月11日公開予定の『ザ・テノール 真実の物語』のキム・サンマン監督とのお仕事ではどうだったのですか? と尋ねると 「キム・サンマン監督は、とても高い演出力を持つ方で、かなりしっかりとしたイメージを持って、僕にいろいろなオーダーがありました。まさに僕向きでした(笑)。 今回の役柄は、実在する方でしたが、そこに自分なりの理想のあり方をプラスして演じました」とのこと。

過去はどんどん忘れていく伊勢谷友介!? 

『ザ・テノール 真実の物語』の撮影は、2012年5月から2013年5月にかけて断続的に行われたそう。ロケもセルビア、韓国、日本の3都市を舞台に撮影された。

「セルビアでは、日本の国会議事堂にあたる建物で撮影をしました。冒頭のシーンで出てくるオペラハウスです。ここの建築が本当に素晴らしいので、みなさんにぜひ見ていただきたいですね。  セルビアには2週間ほど滞在しました。観光らしきこともしましたが、僕、けっこう過去のことは忘れてしまうタイプなんですよ……(笑)。でも撮影の合間にドナウ川を見に行ったかな。すごく雄大でしたね」

映画のストーリーは、ガンで声を失った実在する天才オペラ歌手と、彼を信じて支えた日本人音楽プロデューサーの奇跡と友情を描いている。同時に日韓の国境を越えたキャスティングが話題になっている本作。監督もスタッフも韓国人の方中心だったそうですが、コミュニケーションはうまく取れたのでしょうか?

「英語ができるスタッフも多かったので、大丈夫でした。今回は英語のセリフも多いのですが、そこも楽しんでほしいですね。ただ映画の中では、出演者の話す英語のクセをチェックして、多少トーンを揃える必要があるらしくて、そのような指導も受けて、とても勉強になりました。 今回、韓国人の監督、スタッフ、共演者の方たちと一緒に仕事ができて、本当に意義があり、楽しい現場でした。

作品のオファーに関しては、普段は脚本をまずいただいて熟考して受けるほうなんです。でも今回はお話をいただいた時点で、ふたつ返事で受けました。完成した作品を見て、本当に出演させていただいてよかったと思いました」と伊勢谷さん。

『ザ・テノール 真実の物語』は、新宿ピカデリー、東劇他で全国ロードショー中!

伊勢谷友介が2020年のオリンピックで実現したいこと

2008年に『リバースプロジェクト』を立ち上げ、さまざまな活動を行っている伊勢谷さん。東日本大震災の時にもその一環として、復興支援に積極的に携わった。その伊勢谷さんが、2020年のオリンピックにぜひとも実現したいことが3つあるそう。

「今までは、オリンピックが終わってからパラリンピックを行っていますが、その順番を変えたいと思っているんです。パラリンピックを先にやりたい。開会式、閉会式もその順番で問題がないと思うし、パラリンピックの注目度も高まります。これはまず一番にやりたいこと。

そして二つめは、個人の視点で撮った映像をたくさん集めて流したい。たとえば、いろんな会場にいる人たちがスマートフォンなどで撮った映像や画像、コメント、声などをパブリックビューのように流してもいいですし、インターネットのサイトにアップしてもいいと思います。そうすることによってTV中継のオフィシャル映像とはまた別のオリンピックが見えてくると思うんです。最終的にそれを映画にしてもいいし……。そこにいろいろな可能性があると思っています。

最後は某有名メーカーさんが開発している、双方向性通信の技術を応用した国際交流。ハイファイブって知っていますか? 日本語で言うハイタッチなのですが、この技術を活用したアイテムを使えば、バイクでツーリングをする人たちが、運転しながらもスマートフォンなどの端末を通して、お互いのプロフィールを簡単に交換することができるのです。

このアイテムを応用すれば、すれ違った外国人の人と、ハイタッチやフリーハグをするテンションでどんどんコミュニケーションができるように。実現にはいくつか問題もあるのですが、オリンピック期間中に個人と個人が積極的にコミュニケーションできるような環境を作りたいですね。このメーカーさんとは東日本大震災の復興支援を行うなかでご縁があったんです。そのような繋がりも大切にしていきたいですね。 どれも長期スパンの計画ですが、2020年の東京オリンピックを目標に実現したいと思っています」と語る。

インタビューを横で聞いていた清川さんは“私がMCを担当しているBSのTV番組『茂木健一郎の発想の種 IMAGIN』にぜひゲストとして出て欲しい! 俳優の活動だけではなくて、アーティストや実業家としての伊勢谷さんに、いろいろお話を聞きたいですね”と直接オファー。

伊勢谷さんも「茂木さんとも親交がありますのでタイミングがあえば、ぜひ!」と快諾。『男糸』以外での清川あさみ×伊勢谷友介のコラボレーションの可能性もあるかも!?

清川あさみ
写真に刺繍を施すなど、独特な手法でアートディレクション、衣装、広告、美術作品まで幅広く活躍するアーティスト。主な著作に絵本『銀河鉄道の夜』、作品集は『男糸』『美女採集』『ひみつ』など。

伊勢谷友介
●いせやゆうすけ 1976年5月29日東京生まれ。東京藝術大学在学中からモデルとして活動。1998年『ワンダフルライフ』で映画デビュー。『金髪の草原』『黄泉がえり』『CASSHERN』などに出演。地球環境や社会問題を考える「リバースプロジェクト」を2000年に立ち上げ精力的に活動中。www.rebirth-project.jp


Image title


VOCE11月号
(9月23日発売)

「男子 danshi」vol.12
伊勢谷友介さん編。
完成した作品を、ぜひ本誌でチェックして!

>本誌目次・立ち読みはコチラから!




photograph:Baku Kobayashi 
hair:ShinYa 
styling:Nobuhiro Kasai
text:Yoriko Amano

ジャケット¥105840、パンツ¥95040/ポーター クラシック銀座(ポーター クラシック) カットソー¥14040/Barley Harvest Saeson Storehouse(homespan knitwear)