連載 齋藤薫の美容自身stage2

“あの二人”に学ぶ「ぞっこん」にさせる人、「ぞっこん」になれる人は何が違うのか?

公開日:2022.01.12

VOCE2022年2月号 齋藤薫

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。今月のテーマは「“あの二人”に学ぶ「ぞっこん」にさせる人、「ぞっこん」になれる人は何が違うのか?」。毎月第2水曜日更新。

VOCE2022年2月号 齋藤薫

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。今月のテーマは「“あの二人”に学ぶ「ぞっこん」にさせる人、「ぞっこん」になれる人は何が違うのか?」。毎月第2水曜日更新。

ラブラブとはまったく違う、お互い「ぞっこん」のカップルとは

「ぞっこん」という言葉がある。心の底から相手に惚れ込むこと。語源は「底根=そここん」、あくまで心根の奥底から、相手に心酔するという意味である。ちなみに「ぞっこん」系の恋愛は、ラブラブとは根本的に違う。そこには相手をリスペクトしているという強い意志が感じられるからだ。

今どきは芸能人同士でも二人そろって結婚会見をするケースはほとんどなく、文書での型通りの結婚報告だけで済ませるのが普通。だからそれぞれの心の内はなかなか見えてこない。菅田将暉と小松菜奈の場合も例外ではなかったが、なぜだかこの二人からは、お互い「ぞっこん」であることがまざまざと伝わってきた。

交際報道はすでにあったから、結婚発表における衝撃度は大きくはなかったが、その代わり何か「特別な羨ましさ」を覚えたはず。結婚に対してではなくその関係に対して。それもお互いへのリスペクトがそこはかとなく伝わってきたからだろう。比較の問題ではないが、微笑ましくもあり納得度も極めて高かった“星野源×新垣結衣”の時よりもっと、結婚っていいなと思ったはず。納得以上に心が動いたはず。このじんわりした喜びと憧れはどこから来るのだろうか?

共演の多い二人は、映画にまつわる会見の中でお互いを評価しており、もうそこに半端ではない熱量が伝わってきたが、ある会見で小松菜奈が菅田将暉の人間性の素晴らしさについて語っていて涙ぐんだ時、菅田が全身全霊で小松を想うさまがうかがえた。漏れ聞こえてくる報道でも、とりわけ菅田のほうが小松に「ぞっこん」だったとされる。「この人を逃してはいけない」「彼女から目を離したくない」というほど切迫した思いがあったのだと。

私たちが清々しい憧れを感じたのは、この菅田将暉の“確信”なのだ。結婚は手続き上は決定的なものなのに、組み合わせの是非はどうにも曖昧。成り行きでそうなったカップルが多く、正直やってみなければわからない不確定さがある。でも彼の判断には揺るぎない確信が見えたのだ。それこそ縁もゆかりもない私たちにもそれが伝わるほど。 言ってみれば、探していた鍵が鍵穴にぴったり合った時の驚きと歓喜をそこに感じたからこそ、私たちまでが胸のすくような思いに至ったのだろう。まさに「底根」の域。「好き」とも、「愛している」とも意味が違う、惚れ込むという感情。また心底というレベル。そこに至るには何が必要なのか、「ぞっこん」という情動の成り立ちを改めて考えてみた。

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惚れ込む側にも高い知性が必要?!

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