美容のミライ

即完ネイルrihkaの生みの親、ヘアメイク松田未来さんに聞いた「これからの美しさ」

2020.10.13

2020年2月にローンチし、ファーストコレクションとなるネイルが“秒”で完売したコスメブランド「rihka(リーカ)」。現在も入手困難な状況が続いている。そんな超人気ブランドを手がけるヘアメイクアップアーティストの松田未来さんに、新しい美容の在り方を教わった。

2020年2月にローンチし、ファーストコレクションとなるネイルが“秒”で完売したコスメブランド「rihka(リーカ)」。現在も入手困難な状況が続いている。そんな超人気ブランドを手がけるヘアメイクアップアーティストの松田未来さんに、新しい美容の在り方を教わった。

「美しくケアされた爪は自分を丁寧に扱っている証拠」

「自分を認め、自分らしく生きて、明日が楽しみになるような人生のお手伝いがしたい」と語る松田未来さん。ファッション誌や広告などで活動しながら、アパレルブランドとのコラボレーションやラジオのパーソナリティを務めるほか、自分らしく生きる美学を綴った著書『私が私らしく生きる美学』を出版するなど、ヘアメイクアップアーティストという枠を飛び越え、ジャンルレスに活躍する話題の人物だ。

「すべての女性にとって、光と救いになるような活動がしたい」。未来さんが仕事をするうえで大切しているキーワード“光(hikari)と救い(sukui)”をコンセプトに生まれたコスメブランド「rihka」は、今年2月にローンチしたばかり。現在取り扱っているプロダクトはネイルのみだが、今後さまざまなプロダクトを展開する予定だそう。リップやアイシャドウなど多くの選択肢がある中で、ファーストコレクションにネイルを選んだ理由を問うと、自身が体験した感動を伝えたかったからだという。

ネイルポリッシュ「calm」¥2700/rihka

「はじめてネイルサロンで素爪のケアをしてもらった帰り道、なんだか爪だけじゃなく私自身が丸ごと磨かれたような気分になって、すごく自信を持って堂々と歩けたんです。『もしかすると素爪を美しく整えることって、とても特別なことなのでは?』と、感じたあの日の感動を『rihka』を通じて、みなさんにも体験してもらいたくて。また、『爪を美しく保ちたい』そう思わせてくれるネイルを持っていると、おのずと美意識が底上げされて、おまけに自信までついてくる。その手助けができたらと思い、ネイルを選びました」

日常生活を送る中で何かと視界に入る爪は、体の中で最も小さいパーツでありながら、ときにはっとする存在感を放つ。

「美しくケアされた爪は、目に映るたびに気持ちが安らぐし、仕事で名刺交換をするときも、堂々としていられる。また、他人からは分からないけれど、“お気に入りのネイルを塗ること”は、自分を丁寧に扱っている証拠ですよね」

爪を美しく保つことが、内面に大きく影響することを教えてくれる「rihka」のネイル。作り手の熱い思いもさることながら、プロダクトとしてのこだわりも尽きない。まず、ファッションやライフスタイルに溶け込むナチュラルな色使い。はっきり何色とも呼べないニュアンシーなカラーバリエーションは、未来さんの愛猫の毛色や肉球、いつも飲んでいるチャイティーなど、身のまわりにある「好きな色」を再現したという。

10月26日に発売される待望の新コレクション「skin by rihka」から、2色がお目見え。左・偏光パール入りのグレージュ「silk」右・温かみのあるサーモンピンク「calm」ネイルポリッシュ 9ml 各¥2700/rihka

「どの色も私が普段から『爪に塗ったら可愛いだろうな』と、ぼんやり思っていた好きな色ばかり。なので、ブラウン系が多くてピンク系が少なかったりと、少し偏っていますが(笑)」

薄いヴェールがかかったような、素爪がうっすらと透けるヌーディーな質感と、みずみずしい艶のある仕上がりも「rihka」ならでは。そこには、“その人が持つパーツを活かしながら、魅力を引き出す”ヘアメイクとしての未来さんの在り方があらわれている。

「できる限り素爪に近づけたくて、薄づきにしてあるぶんもちが良い。艶のある仕上がりにもかなりこだわっています。ただ、問題は速乾性を高めると艶が損なわれていくこと。どちらも譲りたくなかったので、何度も試作を繰り返し、ようやくたどり着いた自信作です」

そう「rihka」のネイルは、薄づきだからムラになりにくいうえ、速乾性が高いのでストレスを感じさせない。お気に入りのネイルコレクションの中から、つい手に取りたくなる、そんな心地よさがある。

ネイルポリッシュ「chai tea」¥2700/rihka

「忙しい毎日の中で、さっと塗ってすぐ可愛くなれる手軽さが欲しかったので、速乾性は妥協できないポイントでした。ただ、早く乾きすぎると、ちょっとした微調整が難しく逆にムラの原因になってしまうので、そうならないギリギリのところを納得がいくまでこだわりました」

「物事を前向きに捉える女性こそが美しい」

女性のヌードをイメージしたロゴに合わせて、マットな素材感とヌードカラーを使い肌の質感に近づけたという紙パッケージは「せっかく作るのなら環境を破壊しない手段を選びたい」と、10月の配送分から地球環境を配慮した素材を使用したものにリニューアルする予定だ。

「ありがたいことに当初の予想をはるかに超えるオーダーをいただいており、これからさらに規模を拡大していこうとしている中で、まず重視したのが環境負荷を抑えること。フラワーショップ『whole』とのコラボレーションラインから紙パッケージを一新し、バガスというサトウキビの茎や葉の部分を再利用した非木材紙を使用しています」

ネイルポリッシュ「madeline」¥2700/rihka

カラーバリエーション、発色、艶、速乾性、パッケージ……etc.未来さんらしさと、忙しい女性への思いやりが行き渡る「rihka」のネイル。リリースと同時に即完売を繰り返す反響っぷりを、未来さん自身はどう感じているのだろう。

「『rihka』のネイルは、私のワードローブになじむカラーバリエーションを揃えています。私自身、適度に時代にフィットしたファッションが好きですし、奇をてらったデザインの服は持っていません。そして、ネイルを作るのもはじめてのことなので、きっと購入してくださるみなさんの気持ちに近いのかなと感じています。『rihka』のプロデューサーとしてはもちろん、ヘアメイクアップアーティストとしても、これからもこの感覚を持っていたいので、モデルだけでなく、一般の方にメイクをさせていただけるブライダルの仕事や、コミュニケーションが取れるインスタライブは続けていきたいです」

まるで時代の流れに寄り添うように、しなやかに生きる未来さん。「こうあるべき」と決めつけず、さまざまな角度から柔軟に物事を捉えているからだろう。そんな未来さんが思う「美しさ」について聞いてみた。

「誰かと比べるのではなく、自分の中で最大限きれいになりたいと願い、少しでも前に進もうと努力する。現状に対し不平や不満を口にするよりも、『どうすれば良くなるだろう?』と、物事を前向きに捉えられる人は、みんな美しいと思います」

すべての人がそれぞれの「美しさ」を持っているが、数年前に比べ、「美しさ」の定義は、どんどん広がりを見せているのではないか。また、「人からきれいに見られたい」ではなく、「自分が納得できるきれいを目指す」ための美容に変わってきているという。

「ここ最近、すごく時代の流れを感じています。CHANELやTHREEをはじめ、さまざまなブランドからメンズ用コスメが出ているように、今や美容は女性だけのものではありません。きれいになることで自信がつき、自分らしくいられるのなら、年齢も性別も関係なく美容の力を利用した方が良い。そして、これからどんどん広がる『美しい』の定義に合わせるように、個性的なアイテムがたくさん出てくるでしょうね。『万人ウケ』という言葉がなくなり、美容はよりパーソナルに、もっともっと自由になっていくと思います」

【プロフィール】
松田未来(まつだ・みらい)さん
兵庫県出身。関西でのサロンワークを経て、2016年より拠点を東京に移し、ヘアメイクアップアーティストとしてのキャリアを本格的にスタート。ファッション誌や広告などで活躍する傍ら、2020年にコスメブランド「rihka」を立ち上げる。その他、アパレルブランドとのコラボレーションやラジオパーソナリティなど幅広いシーンで活躍中。2020年9月に著書「私が私らしく生きる美学」(双葉社刊)を上梓。

取材・文/大森奈奈

Edited by 黒木 里恵