1. 汗をかいた口紅、黄色くなった乳液もまだ使える!? 化粧品開発者が【コスメの異変】を判断!

2019.01.24

汗をかいた口紅、黄色くなった乳液もまだ使える!? 化粧品開発者が【コスメの異変】を判断!

コスメの蓋を開けてみたらビックリ! なんだかいつもと様子が違う……なんて経験はありませんか? そんな色や質感に異変が起きたコスメを使っていいのかが悩みどころ。そこで、コスメの異変について、ビューティサイエンティスト 岡部美代治さんに教えてもらいました。

汗をかいた口紅、黄色くなった乳液もまだ使える!? 化粧品開発者が【コスメの異変】を判断!

教えてくれたのは……
ビューティサイエンティスト
岡部美代治さん

VOCE

“スキコン”をはじめ、数々の名品を世に送り出したカリスマ化粧品開発者。VOCE本誌では多くのスキンケア企画に指南役として登場。専門家ならではの鋭い視線で分析するコスメ評が読者から人気を集めている。

もし、口紅に汗をかいていたら捨てるべき? 愛するコスメはできるだけ手放したくないけれど、肌に悪影響がありそうで怖いから、どうしよう……。そんな不安な気持ちを払拭するためにもコスメの異変についてしっかりと学びたい。そこで、開発者という立場から化粧品を熟知する岡部さんが独自の観点から【異変が起きたコスメ】のDEAD OR ALIVEをJUDGE!

「化粧品は、気温や空気中の酸素、雑菌など、多くの要因によって劣化し、形状が変わることがあります。使用感にも変化があることも。けれど、形状が変化してもまだまだ使える場合も多くあります。ひとつでも多くのコスメが“命”を全うできる手助けになればと思います。けれど、大前提として覚えておいていただきたいのが、ニオイが変わったらアウトだということ。劣化のサインと受け止め、即使用を中止してください」(岡部さん)

Q. アイシャドウの表面が固まって、発色しにくくなりました。これは捨てるべき?

VOCE

岡部'S ANSWER:

固まった部分だけヘラなどで取り除けば復活!

「表面に皮脂などの油分が付着して固まるのは“ケーキング”という現象で、チークやパウダリーファンデでも同じ状態になることがあります。ケーキング部分は取れにくくなるため、以前のような発色をしなくなったのでしょう。ただ、そのもの自体が悪くなったわけではないので、ヘラのようなものでケーキング部分だけ削れば、元通り使えるようになります」

Q. 口紅が汗をかいてしまいました。もう使えない?

岡部'S ANSWER:

ティッシュなどで汗を軽く押さえるだけでOK

「温度変化などによって、口紅が汗をかくというのはよくあること。けっして使えないような変質が起きているわけではないので、サッと拭き取るだけで大丈夫です。汗の跡が残ることもありますが問題はありません。口紅は、直に唇に塗るので、菌の繁殖などを気にされる方も多いようですが、菌は付着してもあまり増えません。口紅が好きなバクテリアってあまりいないので安心を」

Q. マスカラがカサカサでつきが悪い。乳液を一滴足す“延命処置”はOK?

VOCE

岡部'S ANSWER:

普通に使えなくなったら、寿命だと思って

「マスカラに乳液を一滴入れてところで、おそらく元通りの仕上がりにはならないでしょう。これはファンデーションにオイルや乳液を足す行為にも言えることですが、開発者などがこだわった完璧なバランスを崩しかねないので、違う製品のような仕上がりになることもあるかもしれません。逆に、よくなることもあるかもしれないので、コスメを実験的に使いたいという人が個人の責任でやる分にはよいでしょう。マスカラは、使っていくうちに液が減り、その分、容器内の空気が増えて乾燥しやすくなり、雑菌も増えやすい状態に。マスカラが理想の仕上がりとほど遠くなるほど液が減ったら、新しいものへの切り替え時と考えて」

Q. アイシャドウに変な模様が……。まだ使える?

岡部'S ANSWER:

カビかも! ニオイで判断を

「基本的にメイクの粉物というのはとても長持ちで、20年以上使えることもあります。けれど、保存状態や使い方などによってカビが生えることがあります。『コレ、こんな花柄だったか!?』なんて思ってよく見るとカビが生えていたなんていう経験が私にもありますから(笑)。カビはニオイが強いので、鼻で簡単に判断することができるでしょう。もし、それがパレットだった場合、一色にカビが生えれば、おそらく全滅。胞子は目に見えないので注意が必要です。潔くお別れしてください」

Q. パウダリーファンデのフィルムを捨てがち。そのせいかファンデが乾燥した気が……

VOCE

岡部'S ANSWER:

フィルムは使わなくても問題なし

「パウダリーファンデのケースに入っているフィルムを使わなかったからといって急激に乾燥するようなことはありません。個人的には、使用時に面倒に感じるなら使わなくても問題はないと考えています。ただし、必ずフィルムの使用を推奨するメーカーの製品の場合は、入れておいたほうが最良の効果が得られるかもしれません」

Q. 白い乳液が黄色っぽく変色。これはアウト?

岡部'S ANSWER:

ニオイに変化がなければ使えないことはありません

「乳液の色が多少変わってもニオイが変わった、変なニオイがするというようなことがなければ、肌あれを起こすような劣化はしていないと考えられます。けれど、太鼓判を押せるような状況ではありません。化粧品は、見た目の美しさや使用感のよさ、美しいものを使うというような心地よさも醍醐味。黄色くなった乳液を不安な気持ちで使っていると、脳から得る影響も大きいので効果が半減する可能性も。安心して使えるよう、できるだけ早く使い切る努力を!」

Q. ビーチに持っていった日焼け止めが熱々に。捨てるべき?

VOCE

岡部'S ANSWER:

1回、2回であれば、問題ないでしょう

「まず、ニオイをチェックしてみてください。それで変化がなければ、その後も使い続けても問題はないでしょう。ただし、分離して前と同じように塗り拡げられないということがあれば、効果を発揮しない可能性もあります。日焼け止めを含めて、化粧品というのは常温(15度から25度程度)での保存を想定してつくられているので、熱い砂浜の上で何度も熱々になるようなことがあれば寿命が短くなるので注意してください」


岡部さんのJUDGEは、メーカーが推奨する一般的な基準とは異なるケースもあります。でもそれは、開発者というつくり手の立場から、我が子のような化粧品をできるだけ最後まで使って欲しいというコスメ愛の証。できれば、異変が起こるような状況ではなく使い切ることを心がけたいところ。もし、今回の基準でアウトだったとしても必ずしも捨てなくてもいいと岡部さんの考えなんです。「化粧品は、容器や色を見ているだけでも幸せな気持ちになるという方もいると思います。肌には使えなくても、大好きなものなら観賞用として保存しておけば、ずっと楽しめますよ」。