1. 【齋藤薫の美容自身】もはや“結婚が幸せの決め手ではない”意外な理由

斎藤薫の美容自身2

2019.03.13

【齋藤薫の美容自身】もはや“結婚が幸せの決め手ではない”意外な理由

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。今月のテーマは 「性未婚者にとっても既婚者にとっても、もはや“結婚が幸せの決め手ではない”意外な理由。」 について。毎月第2水曜日更新。

【齋藤薫の美容自身】もはや“結婚が幸せの決め手ではない”意外な理由

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高学歴、高収入。女が進化したからこそ女が傷つく時代って?

 哀しいことだけれど、今、女性を精神的に追い詰める出来事が目立つ。男から女へのセクハラを真正面から糾弾する「#Me Too運動」が世界的な広がりを見せているのになぜ? 逆に、女性が自立し経済力を持ったからこそ、屈辱的な被害を被る可能性もまた増しているのだ。

 '70年代はウーマンリブの風が日本まで吹いてきて、'80年代は「女の時代」といわれ、'90年代バブルの時代は、明らかに女が男に貢がせ、自分ばかり着飾って本当に威張っていた。その流れでいけば、女はもっともっと強大になっていてもいいのに、今や逆。

 いや、女が弱くなったのではない。男と女は常にシーソーの関係にあるからこそ、一時期は男が弱体化して女が何倍も強くなったけれど、女たちは持ち前のバランス感覚で自らを律し、いたずらに傲慢に偏っていかなかっただけの話。結果として今、女たちは至極まとも。でもだからこそ、しょうもない男たちが女性を精神的に傷つける……もちろん特異なケースだけれども、例えば、女子大が男目線で面白おかしくランク付けされたり、女性が結婚詐欺まがいの被害や、“交際詐欺”に遭ったり。昔からあったことだろうが、女性が進化する中で、なぜこんなことが起きてしまうのだろうと、ちょっと考えさせられたのだ。

 とくに気になったのが、外国人からの突然のアプローチで、SNSを通じて、一度も会わないまま結婚詐欺に遭ってしまう国際ロマンス詐欺。分別ある大人の女性が一体なぜ? という声もあるが、むしろ今の時代だからこそ、つまり女性が進化したからこそ、起こるべくして起きたことというべきなのだろう。

 高学歴、高収入、知性も教養もあって、女性としての魅力に過不足のない自覚がある。言い換えれば、どこに出ても恥ずかしくない女性たち。でもそういうタイプこそが今、仮に結婚したくても、実際には釣り合う男性が極端に少ないこと、日本の常識として多くの人が知っている。だから当事者たちが、安易にその罠にはまったわけではないことも、何となくだが日本中が知っている。

 今まで、しっかりと自立して仕事を頑張ってきて、ふと気づいたら独身で、でもまだまだ若くて美しくて……そういう女性は自分をどこかで見てくれている人がいるのだと思って当然。しかもその相手が外国人だったりすれば、語学の能力を含め、自分の魅力をわかってくれるのは、むしろ外国人かもしれないと推測しても、これまた少しも不思議ではない。

 そして何より、用意周到な作り話とはいえ、窮地に立たされた相手を“一時的”でも助けてあげなければと思うのも、大人の良識があるがゆえ。疑っても疑っても、相手を執ように追及することができなかったのも、また良識のうちなのだ。

 まともな女ほど、もし自分の身にそれが起こったら、同じようにしたかもしれないと思ってしまうケースだったりする。だから考えさせられたのが、女の進化が思わぬ歪みを生んでいること。

 結論から言うなら、女のほうが先に進化して、今や男と女が今ひとつ釣り合わない時代になりつつあるのだ。少し前も、某大学で女性の医学部合格率が意図的に低く操作されていたことが問題になった。放っておいたら合格者が女性に偏ってしまう事実が、そこで浮き彫りになったもの。実はこれ、医学部だけに限らないそう。芸術系の大学などでも、やっぱり放っておいたら、合格者が女性に大きく偏ってしまうらしい。東大はちょっと例外としても、偏差値も倍率も高い大学の女性への偏りは、今や顕著。いろんな意味で女性のほうが優秀である証だ。あまりそういうふうに決めつけたくはないけれど、こう思わざるを得ないのだ。女性のほうが真面目で、女性のほうが優秀で、女性のほうが才能に溢れている時代であると。

 それだけではない。精神年齢は明らかに女性のほうが上。これは小学校低学年で何歳もの差がついてしまってから、ずっとその差が縮まらない。だから価値観が合わない夫婦も実は増えていて、夫が子どもに見えたり、正義感のなさにがっかりしたり。加えて昔と異なり、女性が基本的にみんな仕事をする時代、気がつけばコミュニケーション能力も、社会への適応能力も、女性のほうが優れていたりして。だから今、結婚後も女性のほうが働き手、男が主夫をする家庭がどんどん増えているといわれる。

 そういう時代だからこそ、知性も教養もあり、精神的にも成熟した意識の高い大人の女性に見合う男性が極端に少ないのは当然のこと。今まさにそういう時代だということを、改めて知っておきたい。

 ついでにいうならば、「おっさんずラブ」のような男同士の純愛ドラマに女性たちが熱狂するのも、そういうねじれのせいなのかも。仕事場でもどこでも、男性を素直にリスペクトできなくなっている傾向があって、だから何が何でも恋愛したいという気持ちが失せ、マッチングサイトなどで出会いを求めてみるものの、納得のいく相手には出会えない。男に対して夢が持てなくなってしまったからこそ、男同士の恋愛が面白く見えてくる。性を超えて純愛をする男性のほうが魅力的に見えたりする、ちょっと危ういけれど、もはや止められない流れである。

今、幸せの定義が変わる。結婚=幸せではない時代へ

 ではそういう時代をどう生きるか。これからの時代、男と女の差はもっと広がっていくはず。なぜなら女のほうが進化のスピードが速いから。女のほうが丁寧に自分を磨く性であるだけに、よりスピーディーに魅力的に有能になっていくのだろう。だから余計にねじれ現象も顕著になる。そのとき何が起こるのか? ずばり、幸せの定義が変わっていくのだ。

 幸せの決め手は結婚にあり。そういう大昔からの定義が、なぜか少し前から復活していた。一時期、女性の結婚願望が減退したのに、今はむしろ20代前半で結婚を焦る人が増えている。それも、結婚=幸せという単純な図式が、改めて女性の意識を支配しているからに他ならない。恋愛より、早く結婚したいという意識が蔓延しているのだ。

 でも正直、男と女の精神的、内面的なレベルの差が大なり小なり開いている今、幸せを結婚だけに、また異性だけに求めてしまうと、傷つく女性がもっと増えるし、人生うまくいかないという欲求不満に悶々とする女性も増えるのだろう。もちろん、結婚によって幸せになる女性はたくさんいる。でもそれだけでは心が満たされない時代になっているのもまた確か。結婚を抜きにした人生のテーマを持ちたいのだ。そうでないとリアルな幸せを手にすることが難しい時代。そのくらい私たち女性は進化してしまったのだ。

 言い換えれば、高い意識を持つようになった分だけ、幸せを幸せと感じるハードルも高くなる。幸せの沸点自体が高くなる。だから結婚くらいでは幸せになれないのだ。むしろもっと自分の意識の成熟を目指すこと。自分の心身において、一番自分を夢中にさせるのは一体何なのか? それを具体的に探すこと。早いうちに探しておくこと。遅くとも40代になる前には探しておかないと、何となく人生がスカスカに思えてしまうはずだから。

 もちろん仕事でもいいし、趣味でもいい、オタク的に何かに集中することでもいい。結婚こそが女の幸せといわれたのは昭和の初め……。それから女は見事に進化を遂げ、ちょうどこの5月、日本の元号がまた変わる。昭和ではなく、平成でもない、次の元号へ。女はその分だけの進化を自覚して、自分の精神を埋め、満足させるのにはもっとたくさんの要素が必要なことを、もう一度自覚しよう。私たち女が、もっと質の高い幸せを求める時代が来てしまったのだから。

VOCE

撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳