1. 【齋藤薫の美容自身】不安だらけの女たちへ。「すべてが不安!」から、自分を救う方法があった!

斎藤薫の美容自身2

2019.08.14

【齋藤薫の美容自身】不安だらけの女たちへ。「すべてが不安!」から、自分を救う方法があった!

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。 今月のテーマは 「不安だらけの女たちへ。『すべてが不安!』から、自分を救う方法があった!」 について。毎月第2水曜日更新。

【齋藤薫の美容自身】不安だらけの女たちへ。「すべてが不安!」から、自分を救う方法があった!

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人生100年時代。むしろ不安がいっぱいで長生きしたくない?

 「人間、今後は100年生きられる。さあ、人生100年時代の始まりです!」数年前、いきなりそう言われた時、あなたはどう思っただろう。多くの人は、何といい時代に生まれたのだろうと、非常に得した気持ちになったのではないだろうか。人生80年と言われていたのが、一気に20年も延長されたのだから、もちろんそれは喜ぶべきこと。

 ところがそれからほんの数年、寿命が延びた分だけ一体何をしようかと考える暇もなく、 一気に不安のほうが増してきた。そんなに長く生きて、一体何をするの? そんなに長く生きたら、お金が足りない。ましてや明らかに、年金は減っていく。それどころか、破綻しそう。一体いくつまで働けばいいというの? ワクワクが一転、そっくり不安に変わったという人が、少なくないのではないだろうか。ちなみにこのまま医学が進歩して、不治の病がなくなったら、人間は最高120歳まで生きられるのだとか。

 さらに言えば、寿命とか年金といった先々のことよりも、今や“近い未来”にこそ年齢を問わず不安を感じてしまう時代。昔のように若いうちに海外に行かなくなったのは、それよりお金を貯めておかないと不安だし、海外は危険かもしれないし、というリスクを恐れてのこと。20代前半で結婚したい女性が増え、40代でも結婚したくない男性が増えたのも、おしなべて“将来が不安”だから。ともかく何がどう不安なのか、そこも明快でないまま、何となくみんなが不安。今はそういう時代ではないのか。

 そもそも人は、人生のうち何度か大きな不安に襲われる。紛れもなく“節目”と呼ばれる時。社会に出る時。30代という大台に乗る時。歳を重ねればわかるはずだが、更年期障害に悩まされる50歳前後。これらは多くの人に共通する“不安期”である。なぜこれらの節目や大台に人が不安になるのかと言えば、大きな峠を越える前のように、その先がどうなっているか、まったく見えないから。もちろん社会に出る時は、大海に船出するような怖さがあるはずだし、30代、50代は、明らかに年齢的に上のカテゴリーに切り替わる時だからこそ、未知の世界に足を踏み入れる怖さがある。

 でもここへさらに、“大きな未来に対する言い知れない不安”ともいうべきものが上乗せされてきた。それこそ、いくつまで働かざるをえないか、いくら貯めなければいけないか。考えるとめまいがしそうな人生規模の不安に囚われると、些細なことまでいちいち不安に思えてくる。だから改めて考えた、不安の克服法。

 まず気づいてほしいのは、不安ほど意味のない、実態の伴わない感情はないということ。不安とは、まだ起こってもいない事態に対する漠然とした恐れ。予測だけで不快な気持ちになることであり、不安克服法の一つに、ズバリ「起こってから考えればいいじゃない?」という、ひどく簡潔な教えもある。

 でも一方、人生にまつわる“良からぬこと”は、起こってしまうと後戻りできないし、不安こそ、実は「よりよく生きるためのテクニック」という真逆の教えもある。確かに人類は、これは安全な食べ物か、安全な場所か、常に不安を持ち、探りながら生き永らえてきた。だから人間の不安は自らの命を守るDNAの一つであると言われるのだ。だから何も不安に思わず生きる人は、必ずつまずくし、紛れもなく失敗が多い。車の運転など危険が伴うものには、常に不安を持ちながら挑むことが、結果的に危険を回避するというデータまであるのだ。

 おそらく一番いけないのは、さまざまな不安を一緒くたにして、日々漠然と恐れること。“要る不安”と“要らない不安”があるのに。だからここで、不安の種類をはっきりと分類すべきなのだ。まず“必要な不安”について。それこそ車の運転、試験やプレゼン、健康など、直近に迫った“リスクを伴う重要な事柄”は、多少の不安を感じながら取り組むべきだ。うっかり人生を踏み外すような失敗を避けるために。

 けれど、遠い未来に不安を感じるのは間違いだ。なぜなら未来に対する不安は、本来ワクワクするような期待と背中あわせ。「不安と期待が入り混じる」という表現があるけれど、人はまったく同じことを不安に思えるし、期待することもできる。いや、同じことを不安に思う人と、希望と捉える人がはっきり2種類いるということ。遠い未来にはいくらでも手が打てるから、すべては希望に思うべき。つまり“遠い未来への不安”はまったく以って“不要な不安”なのだ。

 だって考えてみてほしい。人生100年まで延びましたと言われて、多くの人は最初大喜びした。でも今、多くの人が不安に思っている。そのくらい不安と期待は背中あわせ。どちらも選べるということ。だから逆に、いろいろシミュレーションしていくうちに“人生100年”は再び希望に満ちた、喜びをもたらす時間になるかもしれない。いや、あくまで希望にすべきだからこそ、今こうして“不安の仕分け”を行いたいのだ。

結婚していないことも、不安より希望のほうが大きかったとしたら?

 たとえば、“結婚していないこと”に対し、強い不安を感じている人がいたら聞いてほしい。確かに、一人で生きること自体は不安に値するけれど、考えてみてほしい。結婚とは、今はないリスクをたくさん背負うことでもある。子どもたちは希望そのものだけれど、親も倍に増え、その人たちの未来もまとめて背負わなければならないのが結婚だ。もっと言えば、兄弟も親戚も増え、その分だけ厄介な問題も増えるかもしれない。結婚して増える不安はけっこう具体的。しかもそれが結婚の宿命で、ある意味逃れられない。でも、一人で生きる不安は、すべて自分次第。生き方次第で、その不安はそっくり希望に変えていくこともできる。

 それどころか逆に今、50代オーバーで結婚する人も増えていて、その多くのカップルが本当に理想的な夫婦関係を築けるという情報がたくさんある。若い結婚にありがちな縛りもなく。それも含めて、今独身であることは、不安であるより、新たな希望につながるのではないか。

 じゃあ、経済的な不安はどうしよう。これはもう貯金をするしかないのだけれど、2000万円足りないというのなら、いっそ3000万円貯金をしようと思うこと。これはけっこうな力技だが、不安を希望に変えるテクニックの一つ。じゃあ、たとえば65歳まであと何年あるのか?という計算をして、30年あるならば、一年に100万円。あくまで仮にだけれど、二回のボーナスをそっくり貯金にあてれば不可能な数字ではないと、そう考えると、なんだか逆に希望が湧いてくる。元気が出てくる。だって一般的な試算より、豊かな生活ができることを想定しての数字。しかもこれ、個人ではなく一世帯の話であって、そうなるとさらにいろんな希望が湧いてくる。年金は減っても、その頃までにはもう少し給料も上がるかも。ボーナスも上がるかも。そういうふうに、前向きに前向きに考えて、希望を増やしていくことが何よりも大切なのだ。

 もっと重要なのは、不安について何も具体的にせずに、漠然としたまま不安がらないことなのだ。

 ともかく、不安に思えることが希望にもなるということ、決して忘れないで。まだ起こっていないからこそ、何とでもなることを、不安に思ってくよくよ悩んでいるほど無駄なことはないのだ。だから大きな未来に不安を感じたら、逆にラッキー!と思うこと。それを希望に変え、希望を増やすことができるからと、そう気づくことが大切なのだ。

 今、軽度の不安症の人が増えているという。どっちを見ても何だか不安、未来を見渡すともっと不安、そういう時代を象徴している。でも、みんな不安な時代こそ、不安をそっくり希望へと変えるテクニックを身につけておくと、きっと何もかもが上手くいく。みんな不安。何もかも不安だらけ。でもそのうちいくつを希望に変えられるか、それで人間力が決まり、幸せの数が増えるのだから。

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撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳