1. 【漫画『私の少年』】アラサー女性の“孤独”を刺激……。「悲しみをぼんやりさせて生きている人、多いと思うんです」。作者・高野ひと深さんにインタビュー

2019.09.28

【漫画『私の少年』】アラサー女性の“孤独”を刺激……。「悲しみをぼんやりさせて生きている人、多いと思うんです」。作者・高野ひと深さんにインタビュー

アラサーOLの多和田聡子が12歳の少年・早見真修と出会い、心を通わせあっていく。恋なのか、母性なのか、友情なのかー、複雑な感情が行き交う話題の漫画『私の少年』。一見おねショタ作品に見えつつも、ストーリーを読んでみるとどこか深く、アラサー女性だからこそ共感できるキャラクターの孤独感や台詞が妙に心に刺さります。どんな思いでその言葉を紡いでいるのか、作者の高野ひと深さんにVOCEがメールインタビューしました。

12才の少年・真修から胸キュン♡ な一言をかけられた聡子……

――泣けてきます……(泣)。ちなみにそんな聡子が会いに行った少年・真修が、

「お母さんが、
悲しいときは
人の胸の音を
聴くといいって」

と言いながら聡子を優しく抱きしめるシーン。まだ12歳の真修は、どんな気持ちでこの言葉をかけたのでしょうか?

『私の少年』第2話からの抜粋。

『私の少年』第2話からの抜粋。

高野ひと深さん:
「このときの真修はまだ、“悲しい”を受け止めきれていない空洞の時期でした。だから、目の前で聡子が泣いている姿を見て『この悲しみを癒してあげなきゃ!』という気持ちから動いたわけではなくて、『この光景、見たことがある。あ、小さい頃の自分だ』と気付いて、じゃあそのとき自分はどうされたら涙が止まったっけ? と思い出しながら聡子にこのような台詞をかけたんだと思います。

真修が単純に“母親の真似事”をしてあげたことが、たまたま聡子にとっては1番のクリティカルで、癒しに繋がったという感じです。“聡子のため”というより“自分だったらどうされたいだろう?”から真修は行動を起こしているので、それが刺さったのかもしれないです」

――このシーンは、リアルなアラサーとしてもグッとくるものがありました。真修は少年なのにこのようにピュアな男らしさを感じる瞬間が多々見えますが、真修の台詞や表現に悩むことはありますか?

VOCE

『私の少年』第8話からの抜粋。

高野ひと深さん:
「真修は作中で身体的にも精神的にも成長し続けるキャラクターなので、この年齢でここまで台詞が流暢だとおかしいかな? とか、ここまでするとカッコ良すぎないか? とか、かなり悩みながらゾーニングをして、行き過ぎないよう慎重に歩みを進めています。ただ、彼の今1番の願望である“聡子と対等になりたい”という気持ちが高まった瞬間には、年齢や性別から一瞬解き放たれるような台詞や表情をしてもらっていますね」

――仕事も恋愛も頑張っている聡子が、ふと「とにかく誰かに頑張ったね、えらいぞって、イイネとかってされたい」という願望をつぶやくシーン。高野さんも同じような気持ちになったことは?

高野ひと深さん:
「私はめちゃくちゃ褒められたいです。原稿と向かい合っている時って本当に孤独で、一週間くらい一言も喋らない、外に出ないことが日常の職業なので。一体これは誰が読んでくれるんだ? 本当に求められてるのか? 私以外の人間、生きてる??? ってどんどんクヨクヨしてくるんですよ(笑)。

でもそんなときに読者の方から『いいね!』って言ってもらえると、あ、描いてよかった、描いていいんだ。じゃあ、もっと描きたい!ってもう一度机に向かうことができるんです。 自分で自分を励ますことってすごく大事なことなんですが、限界があるというか。


台詞にこもった高野先生の想いを聞き、より心が動かされました……!

2巻単行本からは、真修と出会った後に聡子が感じる社会の目や、元彼に対するモヤモヤ感、真修の家庭環境など気になる内容盛りだくさん。さらに真修の美しすぎる水着姿も…!? みどころたっぷりの『私の少年』、ぜひご覧ください。

『私の少年』1巻まるごと期間限定公開中!

第1話〜はこちらから

『私の少年』現在6巻まで発売中! 詳しい作品内容はこちらから!

VOCE

取材・文/高橋夏実

  • 1
  • 2