1. キレイもダイエットも。スキンケアの世界で大変革を起こす「細菌」のはなし

2019.11.26

キレイもダイエットも。スキンケアの世界で大変革を起こす「細菌」のはなし

今、スキンケアの世界で、【細菌】が大革命を起こしつつあることを美容ジャーナリスト・近藤須雅子さんが解説

キレイもダイエットも。スキンケアの世界で大変革を起こす「細菌」のはなし

美も健康も、私たちは“菌”と一心同体

【教えてくれるのは……】

美容ジャーナリスト 近藤須雅子さん

美容ジャーナリスト 近藤須雅子さん

今、スキンケアの世界で、“細菌”が大変革を起こしつつある。これまでもアクネ菌やら表皮ブドウ菌やらが単発的に話題になることはあったけれど、今回は本格的だ。細菌などの体内微生物は、既存の生命科学に激震をもたらしたゲノム解読クラスの大テーマ。その成果がスキンケアの概念まで変えようとしているのだ。

なぜ、微生物(細菌もそのひとつ)がそんなに重要なのかというと、その圧倒的な量。私たちの全身の細胞総数は32兆~60兆個だけど腸内細菌だけで約40兆個も。ヒトゲノムが約2万3000なのに対して体内の微生物の遺伝子だけで200万〜300万以上にものぼる。私たちが“自分自身”だと思っていたのは実は自分の存在の半分で、残り半分は、一緒に生きている微生物だったのだ。さらに自分自身の微生物たちの種類や割合=マイクロバイオームは、指紋同様ひとりひとり違うのだから、まさに自分の一部(半分)、一心同体だ。

当然、マイクロバイオームの状態によって、心身の状態も大きく変わる。腸内フローラ(腸内の微生物たち)が悪いと便秘になる、といわれるのもそういうワケだ。逆に、生活習慣や年齢や外的環境etc.でマイクロバイオームも影響を受ける。一卵性双生児でも老化速度や肥満度が違うことがあるのは、「生活習慣の違いでマイクロバイオームの構成が違うから」というのが最新の有力説だ。かくして体内微生物を狙った健康食品やサプリが世界中で花盛りに。プロバイオティクス入りヨーグルトなんて、その好例だ。

スキンケアの世界では、以前から発酵系成分(ドゥ・ラ・メールとかSK-Ⅱとか)や微生物の力は知られているけれど、あくまで「昔から杜氏は美肌だから」的な経験主義。なにしろ高精度の顕微鏡でも把握しきれない小ささなうえ、外界にさらされている肌の微生物は紫外線や気温や大気etc.響を激しく受ける。最新の解析技術が開発されるまで、なにがどうなっているのか掴みきれななかったのだ。そのため、まだスキンケア的アプローチは始まったばかり。それでも「ていねいすぎる洗顔は細菌を激減させてマイクロバイオームにダメージを与える」等、新発見が続々。近い将来、マイクロバイオーム育成がケアの基本になるのは確実だ。

VOCE

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撮影/藤本康介