1. 【齋藤薫の美容自身】「薄っぺらい美人」に見えない、最短の方法!

斎藤薫の美容自身2

2019.12.11

【齋藤薫の美容自身】「薄っぺらい美人」に見えない、最短の方法!

人気連載「齋藤薫の美容自身 stage2」。今月のテーマは「『薄っぺらい美人』に見えない、最短の方法!」について。毎月第2水曜日更新。

【齋藤薫の美容自身】「薄っぺらい美人」に見えない、最短の方法!

渋谷109のショップ店員から、難民支援のNPOを立ち上げた女性

 人間の評価は何だかんだ言って“厚み”で測られる。なのに意地悪な見方をすれば、美しさは「薄っぺらさ」と背中合わせ。そこでキレイを追求しつつも薄っぺらく見えない最適な方法を考えた。結論から言うなら、それは「地球を意識すること」。それだけで人間、厚みを増す。オーガニック好きが何となく知的な気配を放つように、今は地球レベルで美しさを考えることが女として厚みを持つ最大のカギなのだ。

 実際、ハリウッドセレブだって環境問題に自分なりの方法で取り組んでいないと、もうNG。本気でそう思わないとマズイ時代になっている。

 スウェーデンの16歳の少女が国連で行った強烈なスピーチ、聞いただろうか? 気候変動による地球破壊に対し「あなた方は、私の夢や私の子供時代を、空っぽな言葉で奪った。生態系が壊れだし、私たちは絶滅の淵にいるのに、口を開けばカネのことや経済成長の話ばかり。よくもそんなことを!」と激しい言葉で罵ったのだ。鬼の形相で。何の影響力もない自分たちも「大人」と名指しされて、びくっとするくらいに迫力があった。

 これに対し、絶賛ばかりでなく違和感を持ったとの声も少なくないが、それでも、10代の“本来は可愛らしい少女の言動”であったからこそ世界中に衝撃を与えたわけで、日本の私たちもこういう存在が現れなければ、地球環境のことに相変わらず無関心だったかもしれない。

 大臣になったばかりの小泉進次郎氏が国連で脱“石炭火力発電”の方法について聞かれて口ごもったのは象徴的だったが、日本は意識も対策も相当に後れている。世界ではもう常識なのに、今頃レジ袋を有料にしようとしている国なのだ。

 しかも同じようなタイミングで、台風15号、19号による甚大な被害で、都会の高層マンションでトイレも使えない的な現実が突きつけられ、改めて地球温暖化の怖さを思い知った人は多かったはず。

 そこで私たちも、大きな2つのテーマを突きつけられることになった。一つは、地球を汚していないか? もう一つは、

人のために何かできる人間なのか? そんなことを自分に問いかけたことなどなかった人も、自分事に置き換えられるほど、この10年、さまざまな気候変動や地震などの天災は私たちの未来を脅かしてくる。

 で、ボランティアをするかどうか? これはかつての大震災の時も多くの人に突きつけられた問題。あるアンケートは、「ボランティアの経験がある」と答えたのは4割3分ほど、と伝えた。これを多いと感じたのか? それとも少ないと? どちらにせよ、ボランティア活動するかしないかは完全に任意。興味もないしする気もないと答えた人は2割以下にとどまり、4割弱は「興味はあるし、やらなければいけないと思っているのだけれど、さまざまな理由でできない」という答えだった。つまり、8割は何かしなければいけないという意識でいるということ。

 ひとまずはそれでよいのだと思う。もちろん実際やるかやらないかの差はあまりに大きい。でもそこで何をやるかは、その人それぞれに与えられた使命であり、天命なのかもしれないとも思うから。

 日本にも、大学の授業で“12歳の少女が売春宿に売られる国”があるのを知って、私はこんなに幸せでいいの? と活動を始め、少女たちを救うNPO法人を立ち上げた女子大生がいる。それも自分が買える服の価格1着分で売られていく少女がいるのがいたたまれなかったと。

 一方、東京の短大を卒業後、渋谷109のショップ店員、さらには店長を経て、今はアフリカのモザンビークで孤児に教育を、貧困層の女性たちには衛生指導や職業訓練を提供するNPOを一人で立ち上げた女性もいる。やはり海外旅行に行って衝撃を受けたのだというが、どちらの女性も愛らしくて華やかな美人。もともとは、そうした社会貢献とは無縁の生活をしていたわけで、何かしなければと思っていたのはみんなと同じ。それでも、若くして一人立ち上がってしまえる違いって何なのだろう。

 やはりそれも一つの能力であり、それができる才能を持って生まれた人だから立ち上がれたと言うほかないのだ。彼女たちは国からも世界からもその功績を認められ、社会貢献に対する賞などをいくつも受賞している。ちゃんと評価されているのだ。

自分の役割を探すと毎日が急に生き生きしてくる?

 だからといって、自分にはそのスキルがないのだと、のほほんといつもの生活に戻るだけでは、何かもういけない時代という気がする。そういう女性たちがいることをまず忘れないでほしい。そして自分自身も、彼女たちとは違う種類の役割をこの世において持たされたのだと気づくこと。一人一人必ず何かこの世における役割がある。そう信じて生きると、何か心の張りが違ってくる気がするのだ。その役割は何なのか、それを探すというテーマが生まれるから。

 それこそ一人一人事情は違うから、見つかるのはもっとずっと先かもしれない。でも必ずあると信じて、何となくでも頭の片隅にそれを置いて生きると、日々の当たり前のことが当たり前でなくなるはず。それこそ前述の女子大生のように、今日買った服と同じ金額で少女が売られていくと考えるように、グローバルな目で世界を見られるようになり、見えないものが見えてくる。すると次第に魂レベルが高くなっていく。自分の使命を知っている人は、やっぱり自ずと、何か一つ上の美しさを放つようになるはずなのだ。

 何らかの災害時、寄付をしたり、ボランティア活動したことを公表する有名人は少なくないが、それが売名行為と批判されてしまう人と、賞賛される人がいるのはなぜなのかと考えた。例えばX JAPANのYOSHIKIは、先の2つの台風に寄付を各1000万円ずつ、地元の館山では実際に被災地でボランティア活動したことを公表、賞賛を浴びている。おそらく彼の場合、それを自分の使命であると心からわかってやっている印象があるからなのだろう。とても自然に体の中から湧き出てくる行動のように見えるから。彼は人生のどこかで、音楽で人を感動させる役割を持って生まれたことを自覚したはずだが、キャリアを重ねるほどに人を救うことも自分の役割と思うまでに発展したのだろう。結局のところ、自分の仕事を究めていった時、必ずどこかの時点で、誰かの役に立とうとしている自分に気づくはずなのだ。いつの間にか人を助ける自分になっている。人生ってそういうもの。いや、そういう人生になったら素敵、そう思わないか?

 そして一つ目のテーマ、地球を汚していないかどうか? それを常に自らに問いかけるようになると、人はそれだけで美しくなる。例えば道でゴミを絶対に捨てない。誰も見ていなくても絶対に捨てない。ほかの人が捨てたゴミまで、ゴミ箱まで持っていく。やがて、地球を汚すようなプラスチックゴミは絶対に出さないと決めるかもしれない。そういうふうに、いつも地球の美しさを意識して生きること、それは体の中がすっかり浄化されることに等しいのだ。はっきり言えば、自分ばっかり美しい女ほど、公共の場を平気で汚して帰る傾向があるとも。女性が多い企業ほど女子トイレが汚いといった見方もあるくらい。そうではなくて、鏡に映る自分の美しさだけではない、大きな視野で地球の美しさを意識するようになると、たちまち美しさに厚みが備わってくる。存在そのものの美しさが育っていくといってもいい。すべては意識の問題なのだ。

 特別な何かをしなくてもいい。でも地球の美しさに心を砕くこと。そして自分の役割を探すこと。それだけでいい。それだけで人は一つ上の次元に上がれるのだ。2019年はそういうことをたくさん突きつけられた年だった。そこで目覚めた人はきっとこれから後、崇高な美しさを手に入れるはずである。

自分ばっかり美しい女ほど、公共の場を汚す? 女性が多い企業ほど、女子トイレが汚い? いや今こそ、大きな視野で地球の美しさを意識する。それだけで美しさに厚みが備わってくるはずだから。

撮影/戸田嘉昭 スタイリング/細田宏美 構成/寺田奈巳