1. ミネラルファンデが肌に優しいって本当?

2015.12.16

ミネラルファンデが肌に優しいって本当?

化粧品の裏側にある成分表示。成分名がズラズラと記載されているけれど、どの成分がどんな働きをするかなんて、わかっている人はきっとごくわずか。でも、それぞれの成分のことがもっとわかれば、化粧品選びはもっと楽しくなるはずだし、自分の肌に合った化粧品も選びやすくなる…かもしれない! というわけで、化粧品成分検定協会代表の久光一誠先生に、成分について詳しく解説してもらいます。最終回は、大人気のミネラルファンデーションについて。肌に優しいというイメージが強いミネラルファンデだけど、ぶっちゃけ、どうなんでしょう? 教えて、久光先生!

ミネラルファンデが肌に優しいって本当?

―ミネラルファンデのミネラルって、どういう意味ですか?

「“ミネラル”は日本語では「鉱物」と訳されます。ざっくりと言えば岩とか砂とか石とかを作っている成分のこと。石英、長石、雲母、輝石、カンラン石など中学校の理科や高校の地学で習ったのを覚えてる人もいると思いますが、こういったいろんな色や形をした硬い固形物たち、ぜんぶミネラルです。「鉱石」という言い方をすることもありますね。化粧品では酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカ、タルクなどの鉱物がよく使われます」

―ということは、地面から掘り出した砂が入っているものをミネラルファンデと言うんでしょうか?

「岩や砂を構成している成分が入ってるんであって、岩や砂がそのまま入ってるわけじゃないですけどね。でも岩石にはいろんな種類の鉱物が混ざり合っていて、その中から特定の種類の鉱物だけを取り出すのはとても大変。ですから最近は、高純度なものを合成によって作ることも多いようです。酸化鉄は赤、黄色、黒と3色種類があり、酸化チタンは白色なのでこの4色を組み合わせれば淡色から濃色まで肌色が作れます。酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカなどの鉱物を細かい粉状にして混ぜ合わせて作ったファンデーションをミネラルファンデーションと呼んでいます」

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―その酸化鉄って、なんだか逆に肌に悪そうじゃないですか? だって酸化しているんですよね?

「すでに酸化していれば、物質は安定していますからね。肌の上でこれ以上は反応しませんから、安心なんです」

―ああ、そういう考え方ですか…。

「酸化鉄や酸化チタン、酸化亜鉛などの酸化鉱物はそれ自体はとても安定しているわけです。しかし酸化チタンには「光触媒作用」といって、光のエネルギーを受けると、自分の周囲にある物質に化学変化が起きるのを促進する働きがあります。肌の上でいろんな化学反応が起きてしまっては困りますよね。だから多くの場合、酸化チタンはシリコーンやステアリン酸などの油やシリカなどの粉体で表面をコーティングしたものが使われるんです。油や粉で表面をコーティングすると、きれいに分散して発色が良くなったり、パールのような輝きが出せたり、肌当たりが良くなるなど、さまざまなメリットがあります。そのため、光触媒作用がない酸化鉄など他の鉱物も表面をコーティングすることがあります」

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―そもそもミネラルファンデとは、肌トラブルのある人が安心してベースメイクできるように、アメリカのドクターが開発したものだそうです。でも、どういう点が肌に優しいんでしょうか?

「ルースタイプのサラサラした形状の場合、油など接着作用のある成分を使用していません。配合されているのはミネラルの粉だけなので、石けんなどで簡単に落とせる点が肌に優しいといわれるゆえんなのでは」

―確かに、ミネラルファンデって最初は粉タイプが主流でしたね。いまはリキッドやクリームタイプも発売されていますけど。

「ルースタイプのものは、ミネラル(鉱物)だけで作ったファンデーションという意味ですよね。それはわかるのですが、リキッドやクリームのものだと、あれって何なんでしょうね(笑)? たぶんミネラル(鉱物)を配合したファンデーションという意味だとは思うのですが、それだけだとむかーしからある普通のリキッドファンデやクリームファンデと同じなんですよ。鉱物(着色剤)を油に混ぜたり乳液やクリームに混ぜたりして作るのがファンデーションなんですから。ミネラル配合だと自然っぽくて肌に優しそう、というイメージがあるようだからミネラルを配合していることを強調したいということなのかな。よくわかんないです。ごめんなさい(笑)」

―クリームやリキッドになってたら、本来の“肌に優しいミネラルファンデ”という定義からは外れてしまうってことですか?

「石鹸など、油汚れを落とす力が弱めの洗顔料でも簡単に落とせるということを「肌に優しい」というのなら、外れてしまうかもしれません。でも肌に優しいというのは、そういうことだけではないですからね。プレスト、クリーム、リキッド、ルースそれぞれにそれぞれのメリット、デメリットがあるしそれぞれに肌への優しさはあると思います」

結論!

ルースタイプのサラサラしたミネラルファンデは、成分がとてもシンプル。だから石鹸などで簡単に落とせる場合が多いし、肌に合わない成分が入っている危険性も少ないようです。その点からいえば、ミネラルファンデが肌に優しいというのは間違いじゃない! でもクリームタイプやリキッドタイプのミネラルファンデの場合は、油などほかの成分も配合されているはず。「ミネラル=肌に優しくて敏感肌にも安全」と思いこむのではなく、成分表示をしっかり見て、選ぶことが大事です。しかしどんなファンデであっても、塗るときのパフやブラシが汚れていたら意味なし。そういった面にもきちんと気を配りつつ、自分の肌に合うミネラルファンデを見つけてください!