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今話題の「オートファジー」って何?【肥満、老化、寿命】まで影響してしまうのは本当?その仕組みを専門家が解説!

公開日:2022.11.24

今話題の「オートファジー」って何?【肥満、老化、寿命】まで影響してしまうのは本当?その仕組みを専門家が解説!

「オートファジーとは?」「食べ痩せには時間帯選びが大事?」「脳の仕組みを制する人は、人生を制する?」などなど、最近、巷でよく耳にするパワーワードやフレーズを、人体の観点から紐解いていくシリーズが完成! ネット記事にありふれた情報よりも、さらに一歩踏み込んだ、少し専門チックな情報をお届けし、一緒に正しく&楽しく「カラダの不思議」を学んで、日々のヘルスケアに役に立っていきましょう!

今話題の「オートファジー」って何?【肥満、老化、寿命】まで影響してしまうのは本当?その仕組みを専門家が解説!

「オートファジーとは?」「食べ痩せには時間帯選びが大事?」「脳の仕組みを制する人は、人生を制する?」などなど、最近、巷でよく耳にするパワーワードやフレーズを、人体の観点から紐解いていくシリーズが完成! ネット記事にありふれた情報よりも、さらに一歩踏み込んだ、少し専門チックな情報をお届けし、一緒に正しく&楽しく「カラダの不思議」を学んで、日々のヘルスケアに役に立っていきましょう!

今話題の「オートファジー」は、いったい何?

今回のPick Up著書はこちら

吉森保著『生命を守るしくみ オートファジー 老化、寿命、
病気を左右する精巧なメカニズム』

吉森保著『生命を守るしくみ オートファジー 老化、寿命、
病気を左右する精巧なメカニズム』

教えてくれたのは…
吉森 保/TAMOTSU YOSHIMORI

大阪大学大学院教授

吉森 保/TAMOTSU YOSHIMORI

大阪大学大学院生命機能研究科教授、医学系研究科教授。医学博士。大阪大学栄誉教授。生命機能研究科長。紫綬褒章、文部科学大臣表彰科学技術賞、上原賞、Highly Cited Researchers 2014, 2015, 2019,2020,2021,2022、持田記念学術賞他を受賞。
1958年生まれ。大阪大学理学部生物学科卒業後、同大学医学研究科中退、私大助手、ドイツ留学などを経て、1996年、国立基礎生物学研究所で大隅良典氏(2016年ノーベル生理学・医学賞受賞)のもとで助教授に。その後、国立遺伝学研究所教授、大阪大学微生物病研究所教授を経て現職。著書に『ライフサイエンス』(日経BP社)など。ラバーダック蒐集、トレイルランニング、焚き火、靴磨き、C2H5OHなどを好む。

(以下、本書からの抜粋になります)
「ウェブの検索サイトで『オートファジー』と入力すると、数百万件がヒットする。ここ数年、テレビや雑誌など研究以外の場面でも「オートファジー」という言葉を見聞きすることが増えた。

私がオートファジーの研究を始めた1996年ごろは、生命科学の研究者でさえオートファジーを知っている人は少なく、その少し前に流行っていたファジー家電と混同されることもあった。家電のファジー(fuzzy)は曖昧なという意味で、オートファジー(autophagy)とはつづりも違う。autoは自己、phagyは食べるという意味である。「自食作用」という日本語訳を使うと、辞職と間違われて「仕事を辞めたくなる作用ですか?」と言われ、もどかしい思いをしたものだ。

オートファジーとは、細胞が自己成分などを分解する機能のことである。酵母から哺乳類まで真核生物が共通して持つ機能で、皆さんの細胞の中でも起きている。2016年に大隅良典先生がオートファジーの分子機構の解明によってノーベル生理学・医学賞を受賞され、オートファジーは多くの人に知られるようになった。また、オートファジーが疾患や老化と関わっていることがわかり、オートファジーの制御によって疾患や老化に伴う現象の治療・予防ができるようになる可能性があることから、近年大きな注目を集めている。
 
家電や辞職と間違われていたころと比べると、今は夢のようだ。しかし、うれしいというだけではなく、少し心配もしている。オートファジーの認知度が上がる一方で、科学的に正しくない情報を見かけるようになったからだ。健康に害を与えかねないものもある。オートファジーについて正しく知ってほしい。それが、この本を書いた大きな目的の一つである」

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実は、病気、肥満、老化、寿命まで影響するのはなぜ?!