1. デトックスと美肌のカギを握る!超たいせつな腸

2016.03.18

デトックスと美肌のカギを握る!超たいせつな腸

美肌の話でも、免疫にまつわる話でも、必ずといっていいほど出てくるのが“腸”。そう、実は“腸”は、カラダの内も外もキレイを目指す私たちにとって、超マークすべき存在!基本的な仕組みから、役立つ情報まで、しっかり学んで、腸から美人を目指しまちょう。

デトックスと美肌のカギを握る!超たいせつな腸

脳のない動物がいても、腸のない動物はいない!
─ 腸はもはや、「第一の脳」

「腸は、ただの管くだと考えられてきましたが、今では非常に大切な器官として注目されています。動物のすべてには腸があり、脳のない動物は、腸が脳の機能を果たしているという事実や、腸は消化吸収をする場であり、生命体である動物にとって大切な機能を担っていることがその代表的な理由。免疫と深くかかわり、ヒト以外の動物にとってうんちが出ないことは死を意味するため、寿命は腸が握っているといっても過言ではありません。また、腸脳相関といって、双方向にネットワークが形成されていることも判明。アルツハイマーやうつ病、脳の発達にも腸に棲む細菌がかかわっているといわれています」

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腸全体の長さは、身長の4~5倍あり、表面積はなんとテニスコート1.5面分! 十二指腸からはじまる小腸では、食べ物の消化、吸収を担当し、盲腸、結腸、直腸からなる大腸は、うんちをつくってためるのが役目。腸の粘膜は、体内でもっとも生まれ変わりが早く、肌の28日周期に対して、3日周期とハイスピード。ちなみに、大腸の中は酸素のない暗黒の世界。

腸内環境は、ママ似
─ プロバイオティクスで育便

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「私たちのカラダには1.5㎏もの腸内細菌が棲んでいます。このうち、食べたものを発酵させてカラダに有益なものにするのが乳酸菌やビフィズス菌などの"善玉菌"、腐敗させて有害化するのが“悪玉菌”です」 


腸内細菌のパターンは人それぞれというが、実は母親譲りだとか。

「私たちは生まれるとき、母親の産道周辺にいる膣内細菌や腸内細菌を飲み込んで感染。それが初の腸内細菌として増殖します。結果、“母子ともに便秘”ということが起こるのです」

となると大人になってからの改善は難しい?

「生きたまま大腸に届いて好影響を与える微生物やそれを含む食品=プロバイオティクスの代表格がヨーグルトや乳酸菌飲料。善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌は、与えても定着しませんが、与え続けることで便秘などの改善に繋がります。最近話題のプレバイオティクスは、オリゴ糖を与えて腸内のビフィズス菌を育てるという考え方。こららが腸内環境改善のカギを握っています。今後、自分のビフィズス菌を保存し、将来、健康維持のために腸内に戻す“貯菌”が実現する可能性も考えられます」

腸が快調だと、美も好調
─ 免疫力UPが美力UPにつながる

「便秘が続くと、腸内の悪玉菌が優位になって腐敗が進み、硫化水素やアンモニア、インドールなど有害な物質が発生。この腐敗物質が血液を通して肌に運ばれると、ニキビ、くすみ、毛穴の開き、乾燥などのトラブルが勃発します。また、ビタミンの一部が腸内細菌によって生成されることも判明しており、肌のハリとツヤ、みずみずしさのキープにも密接にかかわる。“肌は腸の鏡”といわれるのは、そのため」

さらに免疫との関係も気になるところ。

「外敵からカラダを守る免疫細胞のうち、60%以上が腸に集中。腸が健やかなら、免疫力はおのずとコントロールされ、風邪を引きにくくなって、アレルギーも緩和します」

そもそも便秘とはなんぞや
─ 3日出なければ、便秘です

「食べたものの体内の滞留時間は、約16~24時間。3日も出ないのは紛れもなく便秘で、20代女性では約50%が悩んでいます。原因は、肉メインの食事やお酒の飲みすぎなど偏った食事にあり。パンやパスタを好む女性が多いですが、これらもうんちの材料にならず便秘の原因に。ダイエットで食事の量が減るのも一因で、脂肪分も控えるため、うんちがカサカサになり、するっと出ません」

ちなみに、よく耳にする宿便とは?

「腸壁にこびりついた黒ずんだうんちのイメージだと思いますが、腸の粘膜は日々はがれ落ちるため、宿便の存在は考えにくいです」

「いいうんち」と「悪いうんち」
─ 便とは、体からのお便り

「トイレ=便所。トイレはカラダからの“便り”を受け取る場所と心得て、便をきちんとチェックすべき。ストーンと気持ちよく出て、バナナ形の黄色か茶褐色をしたものが2~3本、ぷかぷかと浮き、炊きたてのご飯のようなニオイがすればベスト。一日1回出るのが理想で、量は、男性が300g以上、女性が200~250g以上。トイレの前に体重計を置いて排便前後の差で量を把握しましょう」

うんちのなかみ

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実に80%が水で、固形成分は20%のみ。しかも、食べカスは固形成分のたった1/3で全体の6~7%。残りの固形成分は、はがれおちた腸粘膜と腸内細菌。ちなみに水分を除いたうんち1gには、6000億~1兆個もの腸内細菌が潜む‼

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上図だと左側がいいうんちで、右にいくほど問題あり。食事や体調により、濃淡の変化が現れるが、一般的に肉など動物性タンパク質を多く摂ると、濃い色になる傾向が。これは脂肪を分解、吸収するために使われる胆汁によるもの。毎日出ていても濃いなら、悪いうんち!

硬さ

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水分80%で練り歯磨きぐらいの硬さが基本。便秘になると70%前後まで減り、ガチガチに硬かったり、ウサギのようなコロコロうんちが出ることも。逆に85%で軟便、90%でビシャビシャの水状に。また軟らかく細い場合、材料不足やうんちを出す筋力不足の可能性大。

オンナはたまり、オトコはくだる
─ ストレスが一番の天敵

女性の多くが便秘に悩むのに対して、男性に圧倒的に多い腸トラブルが下痢。

「ストレスに起因する過敏性大腸症候群が、男性の下痢の実態。中間管理職の多い40代に多く見られます。逆に女性がストレスを受けると、痙攣性の便秘といって、ウサギのようなコロコロうんちが出る。いずれにしてもストレスは、腸に悪影響なのです」

民族性や地域性による「腸な話」
─ 長野はストップ高、沖縄はストップ安

「日本でもっとも野菜を摂取するようになった長野県は、男女ともに長寿No.1。逆に食の欧米化が進んだ沖縄では、平均寿命が短くなってきています。また食物繊維が豊富な、いも類を多く食べるウガンダの黒人女性の便の滞留時間は16~18時間。対して精白パンと肉類が中心のイギリスの白人女子学生は、なんと72~95時間。食物繊維の有効性がわかるデータです」

腸も老化するのだ
─ あなたの腸は何歳でちょうか

「加齢とともに腸の働きが低下して、善玉菌が減り、悪玉菌が増えて腐敗が進み、負のスパイラルに陥りがちですが、昨今では、食習慣やストレスの影響で若い人ほど、腸の老化が激しく進んでいる傾向がみられます」

当てはまった数で、「腸年齢」がわかる!
腸年齢のチェックテスト

□排便の時間は決まっていない
□タバコをよく吸う
□オナラが臭い
□肌荒れや吹き出物が悩み
□顔色が悪く、老けて見える
□運動不足が気になる
□寝つきが悪く、寝不足
□いつもストレスを感じる

□朝食を抜くことが多い
□朝はいつも忙しい
□外食は週に4日以上
□野菜不足だと感じる
□肉が好き
□牛乳や乳製品が苦手
□いつもアルコールを多飲する
□食事の時間は気にしていない

□いきまないと便が出ないことが多い
□排便後も便が残っている気がする
□便が硬くて出にくい
□コロコロした便が出る
□ときどき便がゆるくなる
□便の色が黒っぽい
□出た便が便器の底に沈みがち
□便が臭い

出典『一生医者いらずの菌活のはじめ方』(マイナビ刊)辨野義己著

●4個以下 腸年齢=実年齢

あなたの腸年齢は実年齢と同じくらいか、それより若く、理想的といえるでしょう。とはいえ、腸内の環境はちょっとしたストレスや生活習慣の乱れに影響されるので、油断は禁物です。

●5~9個 腸年齢= 実年齢+10歳

まずまずの腸内環境といえますが、これ以上実年齢との開きが出ないよう、生活の改善を。

●10~14個 腸年齢=実年齢+20歳

老化が進行して危険な状態。すぐに食事や生活習慣を改善すべきです。

●15個以上 腸年齢=実年齢+30歳

あなたの腸年齢はすでに高齢者並み。食事、運動などすべての生活習慣を見直す必要あり。

実年齢よりも老けていることが判明したなら、下記の“腸内改善3カ条”をベースに改善を。

腸内改善3ヵ条

1.食物繊維を摂取してうんちをつくる!
うんちの素となる食物繊維をしっかり摂ることが大切。肉1:野菜3を目安にして!

2.腸の善玉菌を増やし、うんちを育てる!
善玉菌のエサとなるオリゴ糖を乳酸菌と一緒に摂ることでいいうんちが育つ環境に!

3.筋肉を鍛えて、うんちを出す!
腹筋や腰から足のつけ根にあるインナーマッスルも大事。一日1万歩を目標に歩こう。

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まず納豆やオクラ、メカブなどのネバネバ食材や野菜中心の食事にスイッチ。いくらヨーグルトを食べても、肉ばかり食べていると食べカス=うんちの素がなく、うんちは出ません!! 毎朝トイレタイムを設けて習慣化し、うんちが出たら状態を確認して。運動することもお忘れなく。

教えてくれた“腸人”

辨野義己(べんのよしみ)先生
理化学研究所特別招聘研究員農学博士。腸内環境学のスペシャリスト。“うんち博士”としてメディアに登場することも多く、『大便力』(朝日新書)など、著書多数。

SPECIAL COLUMN
腸もむくむってホント???

「通常、便に含まれる水分は腸壁から吸収されて、尿や汗として排出されますが、腸の血流が滞ると水分が流れ出ず、腸壁に溜まってむくむ。すると、血行障害が起こり、全身のむくみや冷えに繋がります」と小林先生。

でも、なぜ腸の血流が滞るの?

「大きな原因は便秘。溜まった便によって腸壁が圧迫されて血流が悪化。さらに便秘を解消させようとして飲んだ下剤の刺激で粘膜が炎症を起こし、ますます深刻化してしまいます。うんちが出ていてもお腹がカチカチに硬い、膨満感や残便感がある、オナラが臭い人は要注意です」

順天堂大学医学部附属・順天堂医院総合診療科(便秘外来)教授
小林弘幸先生
英国勤務を経て帰国後、順天堂大学小児外科講師、助教授を歴任し、現職に。消化管機能不全や便秘症治療の第一人者であり、日本初の便秘外来を開設。

文・取材:楢崎裕美
構成:鎌田貴子