
脳に送られる情報の80%は目から! かなり重要なパーツであるにも関わらず、酷使されっぱなしで労われることの少ない“目”。きちんとした知識を持たないと、ドライアイや緑内障、加齢黄斑変性などの病気や、視力の低下につながってしまうことも。目の健康は幸せに繋がるから、健やかな状態をできるだけ保つため、毎日の生活で気をつけるべきことを眼科医に聞きました。
目次
教えてくれたのは…..

眼科医・医学博士
有田玲子先生
伊藤病院眼科副院長。脂不足のドライアイ論文数世界第一位を誇り、テレビや雑誌などを通じてドライアイの周知活動を精力的に行う。一人一人に合った治療方針を提案し、YouTubeチャンネル『眼科医 有田玲子先生のドライアイ診察室』では、わかりやすい説明が大人気。
【YouTube】眼科医 有田玲子先生のドライアイ診察室
歯科検診のように、定期的に眼科検診にも行くべき?

有田玲子先生
コンタクトをしている人、していない人、どちらも1年に1度は健診を受けてほしいと思います。とくに40代になると白内障や緑内障、加齢黄斑変性症、そしてドライアイなどの病気になるリスクが高まるので、定期健診で早期発見することが大事ですよ。
眼科検診ではどんなことをするの?

有田玲子先生
視力の状態を確認する視力検査、眼球内圧を測定する眼圧検査、眼底鏡や眼底カメラなどを使って眼球の奥の血管、網膜、黄斑部、視神経を調べる眼底検査がおもな検査項目です。健診の目的は毎年の経過を観察することですから、できれば同じ検査機関で、継続的に受けるべき。
目を傷つけるNG行動5つ

目の健康を守るためには、歯医者に通うように定期的な検診は必要だけど、セルフで気を付けるべき行動は?
NG行動その1・目をこする

有田玲子先生
花粉の時期に気をつけたいNG行動は目をこすること。爪や手には多くのバイ菌が付着しているので、かゆいからとゴシゴシこするのはとても危険です。かゆみが出たら、こすらず保冷剤などで冷やすようにして。
NG行動その2・目を酷使する

有田玲子先生
目を酷使し続けることもNG。スマホやPCをずっと見続けるというのは、体でいうとずっとマラソンしているようなもの。休憩しないといつかは力尽きてしまうでしょう? 目まわりの筋肉も少しは休ませてあげないと。とくにデジタルデバイスは集中して全力で見てしまうことが多いので、目の酷使に繋がりやすいんです。
NG行動その3・カップで洗う洗眼剤には注意!

有田玲子先生
洗眼剤も、使い方次第で目にダメージをもたらします。ザーッと洗い流すのならいいのですが、洗眼剤を入れたカップの中で目を洗浄すると、まぶたの外側や皮膚の汚れまで角膜に入ってしまい、感染症などのトラブルを引き起こすことがあります。
NG行動その4・インラインはほどほどに

有田玲子先生
アイラインの引き方にも注意が必要。まつ毛の生え際より眼球寄りにアイラインを描くと、マイボーム腺がふさがれてドライアイの原因になってしまうんです。インラインを引きたいなら、毎日ではなくスペシャルな日だけにしてみては?
NG行動その5・まつげ毛も含めて目。パーマにも注意

有田玲子先生
まつ毛にパーマをかけるのも、ドライアイを引き起こしやすい行為。まつ毛には外気を防ぐという役割があるため、パーマで上向きカールを固定すると眼球が乾きやすくなってしまいます。
大事な目を守るために、やるべきことは?

有田玲子先生
目を休めることはもちろんですが、ピントを合わせる筋肉、毛様体筋のストレッチも取り入れてみてください。疲れ目に軽減になります。また、目は温めるだけでなく、ときには冷やすことも必要です。花粉症などでかゆみが出ているときや、紫外線を浴びて充血しているようなときは、炎症が起きているんです。保冷剤で冷やしてあげると、かゆみも炎症も早く治まりますよ。とくにアレルギーのときは、温めると余計にかゆみが増すので気をつけて! 温冷アイマスクは、自分が気持ちいいと感じるほうを取り入れれば間違いなし。
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視力は回復する? ブルーベリーは目に効く?