
人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。
まず今の時代、「いい女ほど出会いが少ない」のは確かである。そもそも今、いい女ほど恋愛ができない、したくても相手がいない。20代30代は男のほうが人口的にずっと多いのに、一体なぜなのか。ここで言ういい女とは、キレイで聡明、人としても完成度の高い、いわゆるレベルが高い女。そしてこの手のタイプは今着実に増えているが、一方それと同等またはそれ以上のレベルの男は、着実に減っている。仮に出会っても、目が合わない。いい女の目にはうつらない。単純にそういうこと。いい女にとっては、受難の時代なのである。
しかしそんな不条理を神様が見すごすはずはない。いろんな女性の出会いを見ていると、結局のところ、出会いとは是すなわち“運命”という他ない。10年も出会いがない出会いがないと言い続けていた人が、ある日突然ドカーンと出会ってアッという間に結婚というケースは今むしろ増えている。昔の女はただ判断が甘い分、簡単に出会って簡単に決断していたにすぎず、今は思慮深さで出会いの数を自ずと絞りこむ。つまり、“運命的な出会い”以外は面倒になっているから、なくて当然なのである。面倒にならずに、自然に体が動き、考えるヒマもなく感情にスイッチが入るとき、それが運命のときであり、それは必ずふいにやってくるから、「なぜ出会わないんだろう?」なんて、考えているだけ無駄なのだ。
しかし、レベルの高い女は頭がいい分、よせばいいのに駆け引きをしてしまう。実際運命のときが来ても考えるヒマはないはずのところを無理矢理考える。イザという時ほど、軽い女と見られてはマズイわと体に力が入り、言葉が硬くなり、スイッチの入った感情をせきとめたりする。せきとめればやがて怒濤のように吹き出すのが感情で、それがために運命を曲げた人を私も何度か見た。“面倒なとき”のほうがよっぽど素敵、肝心なときにつまらない女になり下がる……それだけは避けたい。久しぶりに人を好きになれたら、終始「私は幸せ」って顔をして、あとは本能にまかせておくべき。考えてはいけないのだ。
さて、“家と会社の往復”でチャンスなしに悩む人に告ぐ。毎週“合コン”やってても、出会わない人は出会わない。チャンスの数より魅力の数。そう考えるべきなのだ。30過ぎるまで彼氏ゼロ、しかしすでに出席しあきた友達の結婚式でまさかの“見そめられ系の出会い”を果たした女性がいる。見る人は見ているのだ。あなたも必ずどこかで見られている。いつどこで誰に見られていても恥ずかしくない自分。それを築くためにも、考えてるヒマはない。そして出会いは、必ず忘れた頃にやってくる。
出会う時は出会う。待つともなしに待とう
“人待ち顔”をしている女は、必ずわかる。だから、待たない。でも、ある日突然、何の前ぶれもなくやってくるのが運命の出会い。地震用の“備え”みたいに、準備はしとくけどふだんは忘れてる。これがコツ。ただし、“ア、コレだわ”とわかったら、自分からもズンズン前に進んでいく。これがキモ。
Edited by 齋藤 薫
公開日:2015.04.23