連載 齋藤薫の美容自身stage2

地味と派手の嘘~派手にすると地味になる不思議~

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

そんな派手な服、どこに着ていくの?」と親に言われた服がある。そこまで言われた派手パワー、フルに活躍させなくちゃと、ここイチバン、派手に決めたい日には、その服を必ず引っぱり出してきていたもの。

ロイヤルブルーのシルクサテン、金のボタンがズラリと並ぶ、ミニ丈のスーツ……それは確かに買った当初、どこから見ても派手だった。ところが、何度か着るうち、それがだんだん地味になってきたことに私は気づく。自分自身がその派手さに慣れ、目が慣れてきたせいもあるだろう。でも、そういうことではなく、それを着ると妙に落ちこみ、惨めな気持ちになるのである。そこにいる女性の中で自分がいちばん地味な存在である時の、後ろめたさすら感じ始める。

わかる人はもうわかったろう。ロイヤルブルーという色と大きな金ボタンは、かつては華やかな装いの主役となった時代もあったが、私が地味を感じた時は、旬でなくなる時期にさしかかっていたのだ。盛りをわずかでも過ぎた派手は、逆にすとんと地味になり、でも単なる地味とは違って悪目立ちするから、着る人を激しくへこませるのである。

パーティでの“装い拝見”みたいな企画で、ある女性の装いを見た服飾評論家がこう言った。「この人、惜しい。あと一個アクセサリーを減らしたら、目立ったのにね」大ぶりのイヤリングに、太いネックレスにゴージャスなブレス。イヤリングかネックレス、どちらか外せば、いい意味での派手で目立てたのに、外さなかったために、“悪目立ちする地味”になる。派手は、ひとたび旬や頃合いを外すとただの地味より、もっと地味が目立つのだ。これまでに見た、“心に残るほどの装い”には、驚くほどの共通点があった。ひとつひとつはかなり地味なものを、ていねいにていねいに組み合わせてできる派手。または、わざわざ恐ろしく地味にしたことで、逆転的に生まれる派手。このどちらかであったのだ。

パーティでの“装い拝見”みたいな企画で、ある女性の装いを見た服飾評論家がこう言った。「この人、惜しい。あと一個アクセサリーを減らしたら、目立ったのにね」大ぶりのイヤリングに、太いネックレスにゴージャスなブレス。イヤリングかネックレス、どちらか外せば、いい意味での派手で目立てたのに、外さなかったために、“悪目立ちする地味”になる。派手は、ひとたび旬や頃合いを外すとただの地味より、もっと地味が目立つのだ。これまでに見た、“心に残るほどの装い”には、驚くほどの共通点があった。ひとつひとつはかなり地味なものを、ていねいにていねいに組み合わせてできる派手。または、わざわざ恐ろしく地味にしたことで、逆転的に生まれる派手。このどちらかであったのだ。

ただそれは、早い話が“存在”の派手さなのだ。地味な服で目を惹こうと思った瞬間、その人自身が派手になる。やってやるぞと思う人はハナから強いのだ。派手な服を「あー安心。これで目立てる」と思ったら、その人自身が一気にかすみ、地味になる。服より人が目立った時にだけ、美しい派手が生まれるのである。

地味と派手は本来が紙一重。昔はハッキリ区別があったが、今の服は意味合いが複雑で、派手かと思うと地味になる。もはや、服の派手には頼れない時代が来たのである。第一、今や街は、度を超したヒステリックでさえある派手な装いでいっぱい。服の派手さで勝負しても、どうにも浮かびあがれない時代なのだ。だから地味を派手にするパワーを自分自身の中に生み出そう。何を着ても目立つ人……21世紀のテーマはそれである。

究極のお洒落のツボは“ジミハデ”にあり!

派手をはるかに通り越してしまった国籍不明のファッションが横行する今、私たちは一体何を着りゃいいのか?じつは大昔からあった、ジミハデって言葉を知っているだろうか?一見地味だけれど、目立ってしまう、お洒落のツボは、今も昔もそこにある。白のシャツに黒のスカート、黒のセーターを肩から巻いた梅宮アンナ……あれは紛れもなくジミハデでした!

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

Serial Stories

連載・シリーズ