連載 齋藤薫の美容自身stage2

バスローブを買いなさい!!〜これがないと話にならない自分美容のキモ~

公開日:2015.04.23

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

英国貴族みたいな暮らしをしているお金持ちの家に、泊めていただいた時のこと。その家のご主人が夕食のあと、3回の“お召しかえ”をしたのを、私は今も忘れることができない。まず夕食の時に着ていたカシミアのセーターにアスコットタイを、「ちょっとだけお酒を飲もうよ」と言って出てきた時は、コットン素材のVネックのセーターに着がえていた。そして入浴。再登場したご主人は、ものすごく厚手の高そうなバスローブをはおってミネラルウォーターか何かを飲んでいて、軽いストレッチなどもして見せた。やがて、「今夜は楽しいから夜更かししちゃおうよ」と言って再び現れた時は、シルクのパジャマに今度は厚手のカシミアのローブを着込んでいて、手にはバックギャモンを持っていた。

この時思ったのは、家の中での暮らしの充実度は、この“お召しかえ”のあるなしで決まるということだった。帰宅してから、朝起きるまでずっと同じTシャツに短パン……今や、正式にパジャマを着る人さえ激減している世の中。でももし、家の中での生活を無駄なく質よくゴージャスに過ごしたいなら、家で何度か着がえをしよう。そして“最低でもこれだけは!”というのがバスローブである。例の英国貴族のようなご主人も、バスローブを着てるから、ついついヴィッテルなどのミネラルウォーターを飲み、ついつい軽いストレッチをしてしまった……かどうかはわからない。

でも、バスローブを着ている時間は、なぜか“体にいいことでもしてみたりしようかしら”なんて思うのだ。肌にサクサクッと心地よいタオルの感触のせいなのか、はたまた一枚はおった下は丸裸という解放感のせいなのか、ともかくバスローブを着ている時間は、体の中のヘルシー魂やら美容魂やらに、火がついてしまうのは確かなのだ。そもそも日本にボディケアが長い間定着しなかったのは、入浴後の時間があまりに貧しかったためと言われる。お風呂からあがったら即、パジャマ。これじゃあもう寝るしかない。しかしその間に“バスローブの時間”をつくると、自分の体に何か塗りたくなる。べたついたってヌルヌルだって、タオル地だから大丈夫……そういう生理的な安心感が、女をボディケアに走らせる。

おそらく、気分は“裸のまま”だからだろう。中にはバスローブを買ったとたん急にやせ始めたという人がいる。毎日の入浴後、約1時間をバスローブで過ごす。それだけで裸の体を意識する。素のままの肌を意識する。だから、ずっと面倒だと思っていたスキンケアやボディケアさえも自然にやれる。いろんな成分が効く前に、美容意識の芽ばえだけで即刻5キロやせたのだ。

“形から入る”これは人生を充実させる最大のコツであると言った人がいる。ガーデニングをやろうと思いたったその日に、いわゆるつなぎとネルのシャツと緑色の長ぐつを買っているみたいなこと。美容においてはそれがバスローブ。形から入って完璧に美容したい女の、正しい“形”である。

一着せいぜい3万円。バスローブセラピーはとってもお得

水滴のついた体にサッとはおれば、もうそれだけで極上のリラクゼーション。裸のままで過ごす意識で、極上のスリミング。 その上、いろいろいろいろ塗りたくなってそれでせいぜい3万円也はお得な買いもの。肌にサクサク気持ちいい、起毛の深い一着を選ぶべし。

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

Serial Stories

連載・シリーズ