連載 齋藤薫の美容自身stage2

なんでもっとキレイに生んでくれなかったの?と生みの親を時々は恨むくらいでないと女はまずい

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

母親は美人なのに、自分は似なかった・・・・・・それは女の子にとても深い、闇のようなコンプレックスを与える。「私、なんでママに似てないの?」何かにつけてそう聞く小さな娘に「それはね、あなたに対するパパの愛情がすごくって、ママが負けちゃったのよ」とか「小さい時にパパに似てる方が、大きくなったら美人になれるのよ」などと返せる母親をもてば、女の子も幸せだが、「ほんとになんで私に似なかったのかしら」と言っちゃう母親をもつと、女の子は必ず屈折する。しかし、そういう女の子ほど、早くから美に対する執念を目覚めさせるから、ハッとするような押し出しの強い美人に成長するケースも多いという。どちらにしても、女のキレイは、母親との美の関係式の中で育まれていくものなのである。

ひょっとしてあなたも小さい頃「なんでもっとキレイに生んでくれなかったの?」と母親に詰めよったことがあるかもしれない。少女の頃は誰でも一度は、そういう想いに駆られたりするものだ。でもじつはその一言が、母親の眠っていた使命感をゆり起こすことになる。女は“もし自分に子供ができたら・・・・・・”と想像する時、まず望んでしまうのは“元気な子”より“可愛い子”。しかしイザ生まれてみると、どんな子でも可愛い。可愛い可愛いで育てるから、子供自身に“可愛くなりたい”という願望があるのに気づかない。けれどその一言で我に返り、母親の重い責任と娘をキレイに育てあげる喜びに目覚めるのだ。娘のキレイは母と娘の共同製作。母こそが心から娘のキレイを望んでいることを娘は忘れてはいけないのだ。

けれど10代も後半からは、親に恨みごとを言わなくなる。言わないが、この頃いちばん親を恨む。何さ、大きくなってもメイクしてもキレイになれないじゃない・・・・・・と。でも20歳を超えたら、あとのキレイは本人の責任、親のせいにはできなくなる。でもできれば時々「なんでもっとキレイに生んでくれなかったの?」と思わないといけない。

韓国の受験戦争は日本の比じゃなくて、就職試験では我が子にひとつの落ち度もあってはいけないと、親が子供に整形をさせたりするらしい。日本にもそういう価値観がないわけじゃなく、娘の整形代をすすんで払ってしまう親も現実には少なくないという。たぶんこれからはもっと増えるだろう。「なんでキレイに生んでくれなかったの?」と言われたら「じゃあ、お直しすれば?」とお金を渡せば、親も楽というわけだ。そうなれば、“親にもらった体”への愛着も、“娘をキレイに育てる幸せ”も、どこかへ消えていく。直せばいいなら、キレイな人=直した人になり、キレイの定義も変わってしまう。美容だって空しくなる。それよりは「なんでもっと・・・・・・」と親を時々恨みながらも、それを補う工夫と努力で、さあどーおと、母を見返す方が、手を取り合って母娘愛を確かめ合える。母親は娘の克服を喜び、自分がキレイになったかのような錯覚を覚えるはずなのだ。そう、娘と母親はキレイにおいて“一心同体”の運命にあるからなのである。

30代後半のある女性は、自分を直すよりまず親だわと、母親に“若返り資金”を援助している。20代30代と、自分のキレイに夢中になっていたら、いつの間にか母親が老けこみ、それを見た時、まるで自分が老けて醜くなるような錯覚に陥ったのだという。母のキレイはやがて娘の責任に、母が若くいることが娘の幸せへと変わっていくのである。娘は大人になるにつれ、母親にコワイくらい似ていく生き物だからだ。

キレイの血を分け合い、お互いのキレイを高め合う・・・・・・母娘はそういう運命にあるのかもしれない。それも、女たちのキレイは血のかよった、愛情のこもったものでなければいけないという、神さまのこだわりなのだろう。

キレイが当たり前になりつつある時代、本モノと偽モノを分けるのは、結局そこ。“親の愛情から生まれたキレイであるかどうか”にかかってくる。だから、時々は「なんでもっとキレイに生んでくれなかったの?」と親にダダをこねてみよう。それが愛情こもったキレイを生む、深く美しい“絆”になるのだから。

“母親効果”を狙うため、母親を美容しよう。たとえば、ホルモン療法はどうだろう

老けていく母親に、自分の未来の姿を見て落ち込む・・・・・・これはだいたい、女が生涯でいちばん気張らなきゃならない30代の半ばくらいで女をおそう。どんな自立した娘も、どんなに母親に似てない娘も、みんな落ち込み、そして自分の若さも減らしてしまうのだ。

だから自分はともかく、まずは母親を何とかする。おすすめは一気に10歳は若返るホルモン療法。あなたが日頃接しているレベルの老化防止をアドバイスしても、相手はガケっぷち。歯がたたない。そういうまどろっこしいことをしてないで、肌も髪も声も体型も、そして細胞のひとつひとつまでが一気に10歳は若返るという究極の若返りを母親にプレゼントするのはどうだろう。

人間の体は600種ものホルモンが存在し、それらが相互にバランスを取っており、だから女性ホルモンのみを投与するのを基本とするこれまでのホルモン療法は、ホルモンのバランスを崩してしまう危険を伴う。そこで個々の体を詳細に調べあげ、そのデータに基づき、バランスを計算しながら約100種のホルモンを計画的に投与。安全性と“嘘みたいな若さ”を現実のものにしたホルモン療法が今、話題となりつつある。本一冊の厚さにもなるカルテに基づく投与のプログラムが6カ月。約200万円は高いが、多少の援助とおすすめはできるはず。自分より若くキレイになられちゃうと、それはそれで困るけど・・・・・・。

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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