1. 結局、欲のある女が笑う!!

斎藤薫の美容自身2

2015.04.23

結局、欲のある女が笑う!!

人気連載「齋藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

結局、欲のある女が笑う!!

欲がなきゃ勝てないが、その欲は、意欲の欲である。

100人の新入社員がいたとして、1年後、いちばん目立つ存在となっているのは、たぶん、“欲のあるマジメな新人”であると思う。どんな世界でも、それなりに成功している人は、みんなみんな“マジメと欲”が両方ある人。夢を次々実現して、世間に“握力の強い女性”などと言われている松田聖子さまも、結局は人一倍欲があり、そして人一倍マジメだから、その小さな手のひらで欲しいものをみんな掴み取れたのである。それでも、“欲のある女”が、何となく悪い人のイメージをもたれてしまうのは、なぜなのだろう。“欲のない人”が、何となくイイ人と言われ、“欲のある人”が、あんまりイイ人じゃないように見えるのはなぜなのだろう。

まず、マジメがただマジメなだけでは意味をなさないように、欲があることも、ただ欲があるだけでは、やっぱり意味をなさない。欲を形にするのがマジメであり、マジメがないと、欲はただの欲ばりになってしまう。意味をなさないどころか、欲ばりで自意識が強くて、しかもズルイ人と思われる。そして、欲だけの人と、欲のあるマジメな人との区別はなかなかつきにくいからこそ、“欲のある女”はあんまりいい人に見えないのである。ここが、とっても難しい。またもWカップの話で恐縮だが、日本と韓国がもし同じようにマジメに努力してきたのなら、韓国の方が上まで行けたのは、単純に“欲”の量が日本より多かったからなのだと思うしかない。サポーターの“欲”の量でも、日本は負けている。だって、他の国を心から応援できる国なんて、日本しかないらしいから、日本人は、ある意味参加国でいちばん欲のない人々だったのか。ともかく今回ほどこう思ったことはない、“日本人って、本当にイイ人だ」”って。やっぱり欲がなきゃ勝てないが、欲が人より少ないと、何となくイイ人になれる。さあ、私たち、どっちで生きていくべきなんだろう。

とはいえ、“無欲の勝利”という言葉がある。これは一体、何なのだろう。道で10万円拾って、ちゃんと警察に届けたら、落とし主がいつまでたっても現れず、結局、10万円もらっちゃった……みたいなことを言うんだろうか。いや、優勝候補でも何でもない無名の選手がいきなり金メダルを取ってしまうことが“無欲の勝利”なら、たぶんそれは、単に予定になかった勝利ということで、その人に欲がなかったわけじゃない。少なくとも、“意欲”はあったはずなのだ。

欲にもいろいろあって、意欲という欲なら、いくらあってもいいが、意欲は次第に“結果を予定”する欲に変化してしまう。ここで勝てば、いい暮らしができるかも……なんて思うと、意欲に私欲が混じってくる。それが、勝ちたいという純粋な意欲のままなら、たぶん強欲な女には見えないはずなのだ。欲の持ち方って、本当に難しい。勝ちたい、成功したい、上へ行きたい……それは、決して悪い欲ではないが、その結果、自分がどんなにいい思いができるのか、どんなに偉くなれるのか、それが一体お金にしたら幾らになるのかをひとたび考えてしまうと、知らないうちに意欲の意が減ってしまうのかもしれない。ともかく“予定”や“計画”を立てずに目の前にある目的を果たすのみ、それが良い欲なのである。スポーツ選手がインタビューに答えて判で押したように「今日の試合を頑張るだけです」と言うのも、それが本音なら、いちばん正しいのだ。欲は先を考えない方が、結局はいい結果を生むのである。1位通過で16強なんて、考えもしなかった結果が出たとたん、8強だ4強だなんて騒いじゃったから16どまり。話ができすぎだが、要はそういうことなんである。

そこで話は元にもどり、なぜ“マジメ+欲”が、成功のヒケツかと言えば、マジメな人はマジメだけに、とりあえず目の前にあることだけをきっちりこなすことに、全力をあげる。先のことまで考えるゆとりがないそのマジメさが、功を奏するわけなのだ。ちなみにこういう人は、勝ちたいという欲たっぷりでも、わりに“無欲の人”と思われる。目の前にあることをきっちりこなしているだけなら、勝ちたい欲があまり人に見えないからである。欲はあるのに、 “イイ人”に見えるコツは、それしかない。

ある女優は、「キミは欲がなさすぎるね、イイ人なだけじゃ女優は成功しないよ」とプロデューサーに言われて悩んだ末に、欲を出して次に来た“脇役”を断ったら、「欲は階段を一段一段昇ることで、勝手に自分を高く見積もることじゃない」と言われたという。わりにどんな役でもやってしまうと言われる黒木瞳は、その結果今の地位を築き、東大卒なのに何でもやった菊川怜は、その結果今年大ブレイクしている。今の成功はまさに、“マジメと欲”の結晶。こういう女性たちをこそ、“美貌”だけで見てはいけない。欲の持ち方を、しっかり参考にしてほしい。最後に笑うのは、コツコツ欲を積み重ねてる女に他ならないのだから。

妻は夫に、キレイになる欲を見せてはならない

“キレイになりたいという欲”がないと、女はどうひっくり返っても、キレイにはなれないのは確かだが、少なくとも、男にその欲を目撃されないことは、またキレイの掟のひとつである。女同士が化粧品の話をしていると、男はだいたい決まってこう言う。「女のひとって、大変だね」。大変……と言っても別に苦労をねぎらおうとしているわけではない。女がどうやってキレイになっているのか、その手段を、男たちはあまり知りたくない。なのに、女たちが平気でその舞台裏を見せつけてくれちゃうのは、目の前にいるオバさんがすっころんで、スカートがめくりあがっちゃった時の居心地の悪さに似ているのだろう。抱き起こしてなんかやりたくもない、「大変だね」と冷ややかに通りすぎたい、みたいな。

男と女が結婚して一体何年間、男と女のままでいられるか……それは、夫が妻の前でするオナラの回数と、妻が夫の前でする着替えの回数によるとはよく言われるが、じつはもうひとつ、妻がキレイになろうとする壮絶な場面を、夫に見せる回数にもよるんだそうである。つまり、パックをした顔や脱毛シーンをなるべく見せずに、涼しい顔してキレイになってる妻ほど、女に見られつづけるということで、キレイになりたい欲はあってもそれを夫には見せない。いつの間にか魔女のようにキレイになっちゃっている女が、女のまま愛される。