連載 齋藤薫の美容自身stage2

日本の女主導”新・国際恋愛”のすすめ

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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人は、容貌が似ているだけで運命的なものを感じる。だから純愛に落ちやすい。

そうか、こういう恋愛があったのか? 思わずポンとヒザを打ってしまったのは、経済力もある日本女性が、韓国で一人、ベトナムで一人・・・・・・というふうに、アジアの国国に若いボーイフレンドを複数もっているという話を耳にした時。当たりまえに考えてしまうと、いくら国が違うとはいえ、二股三股をかけてるって、どうなの?となるけど、特定の一人との関係がヘビーになれば、当然“移住”などを考えたりしてしまう。そこをそれぞれ軽い関係にとどめておけば、逆に男にふりまわされず、自分のペースをしっかり守りつつ、女性主導の恋も旅行気分でできて心地いいのかも。

いやもちろんここで、複数の恋人をもちましょうという提案をしたいのではない。“外国で恋をする”っていう発想、しかもアジアの国に行って恋をする・・・・・・それがとても新鮮に思えたのだ。これまでだって“外国人”が好きな日本女性はいっぱいいて、向こうに行って恋をしてた。ただその“外国”は主に欧米。同じアジアは盲点になっていた気がする。そこをアジアの男限定で恋をするというスタイルが、とても新鮮に思えたのである。でもなぜ、アジア?

そもそも、日本の女がなぜこれほどまでに韓国の俳優にハマってしまったのか、本気で考えたことあるだろうか?まず“冬ソナ”というドラマと、“ヨン様”がセットで存在しなかったら、もともと韓流ブームなどには火がつかなかったのかもしれない。つまり、私たち日本の女が“純愛”的なものに飢えていたのは確かなのだが、それ以上に大きかったのは、やっぱりヨン様の顔・・・・・・。日本人と韓国人って、本当によく似てる。ところが、ほとんど同じ顔をしているのに、話すのはきわめて遠い言葉。じつはそこが大きなポイントなのだ。同じ言語をもたない者同士は、その会話がいくら正確に訳されたとしても、言葉に宿るビミョーな抑揚はまったく伝わらず、すると“人間性”もほとんど見えてこない。英語ならまだしも、なじみのない韓国語ではなおさら何も伝わってこないのだ。

もしも、ヨン様がキムタクとそっくりの日本語をしゃべったら、たぶんファンは激減しただろう。いやキムタクのしゃべり方がマズイと言ってるのではない。存在をナマナマしく感じ、“人となり”がハッキリ伝わってきてしまうから、好みじゃないという判断もつきやすいのだ。それが韓国語だと何とも神秘的になる上に、その人が自分の好きな顔をしていれば、私たちは、自分の好きなタイプの人間性を勝手にかぶせてしまえる。しかもヨン様の場合はあの顔で『みな様、愛してます』みたいなことを言うわけだ。なんて誠実で、なんて愛情深い人なのだろうと舞い上がってしまっても不思議じゃない。いやヨン様は実際、誠実で愛情深いらしいが、でもニュアンスが伝わらないと、ひとまずもっと誠実そうに見えるのは確か。

そして自分たちと同じ顔をしている人が、人並み外れて誠実だと、今までの人生になかったほど真摯な気持ちでお付き合いができそうな気がしてしまう。欧米人との恋愛とは違う、“現実味”があるのに、ナマナマしい人柄が伝わらないから、いかにも純愛しているという実感に包まれやすいのである。ちなみにそのアジア各国に恋人のいる日本女性は、泊まったホテルのホテルマンや、食事をしたレストランのスタッフに“ひと目ぼれ”をして、自らアプローチしてお付き合いが始まったという。なるほど、と思ったのは、同じ顔をしているアジア人同士のほうが“逆ナン”の場合に不信感をもたれないのじゃないかということ。同じ顔をしているのに、言葉のニュアンスが伝わらないから、親近感があるのに誠実そうに見えたりするのは、向こうから日本女性を見る上でも同じ。

ちなみに日本女性は、とても勝ち気な韓国女性に比べて優しそうだから、向こうで意外にモテるのだとか。もっと言うなら、日韓の文化交流が始まるやいなや、日本の女が韓国男性にある種“運命的なもの”を感じたのは間違いなく、日本の女と韓国の男の組み合わせにはやっぱり何か縁みたいなものを感じないわけにはいかない。でないと、今まで誰の追っかけもやったことがないという日本の女が、韓流スターにいきなりハマるはずがないのである。“国際結婚”はなかなか難しいとはよく言われること。それはアジア系男性との場合も一緒なのだろうが、顔の基本的造作が似てるって、やっぱりそれなりに縁は深いはずで、近くて近い国の男たちと、欧米よりはるかに近い遠距離恋愛でもしてみますか?

ともかくそうやって、男を見る“視野”を広げてみると、それだけで何かちょっと元気になる。オバさまたちは“追っかけ”やっているだけで幸せそう、それでいいのだと思うが、未婚ならば何も“追っかけ”どまりである必要はない。本当の縁を作ってしまう選択もあるはずだ。まさに“新・国際恋愛”・・・・・・ありかもしれない。

韓流“追っかけ”は、自分の中の女の活性

韓流スターの“追っかけ”には、今まで芸能人のファンをやった経験が一度もない人が、けっこう多いのだとか。つまりジャニーズの追っかけや、宝塚スターの追っかけなどとは、本質的に追っかけるものが違っている。それは、かなりナマな“恋愛感情”に近いものなのだ。“追っかけ”にありがちな幻想がなく、かなりマジ。マジに恋をしているんである。

当の韓国では、日本の韓流ブームを“日本女性が感じている淋しさ”や“日本女性がしいたげられている社会的な構図”が大きな要因というふうに分析しているらしいけれども、真相はもっと単純。そもそもがちょっと恋の絶対量が足りなくて、改めて純愛がしたいだけだった。でも身近に相手はいない。もちろん夫がいる身じゃ、身近はマズイ。いや、ドロドロしそうな恋はごめん。でも欧米人じゃ顔が遠い。だから韓流スターに本当の恋をした。

永久に片想いとはわかっていながら、思いのタケを思い切りブツけられて、しかも自分はキズつかない、そういう恋は何も失うものがない上に、自分の中で時々眠ってしまいがちになる“女”を強烈に目覚めさせることになる。世の中バラ色、元気になれてキレイにもなる、何も失わない恋愛美容。だから良いことずくめ。女にとって、じつにおいしい選択だ。温泉の癒し旅行より韓国の女活性旅行のほうがずっと美容効果が高いことだけは確かである。

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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