1. 女が自らキレイをこわすとき

斎藤薫の美容自身2

2015.04.23

女が自らキレイをこわすとき

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

女が自らキレイをこわすとき

キレイをこわしてしまうのは大きな挫折より退屈……。一切の闘争心を失うこと。

失礼ながら“旬の女優”のうつり変わりなどを見ていると、“女のキレイ”のモロさを痛感してしまう。女優として“旬”でなくなるから美しさがこわれていくのか、それとも逆に、美しさがこわれていくから“旬”から降りざるをえなくなるのか……。しかし女優でも、もともと“脇”を固めているような女優は、息も長いうえ、不思議にキレイがこわれない。10年、あるいはそれ以上、平然とキレイを保ってる。それはなぜかと言ったら、自分には“旬”のような特別な期間はもともとないと思っているからではないか?とすれば、主役級の女優のキレイをこわすのは自分自身。ブレイクしたと思った瞬間から“終末”を覚悟する。だから自らそこへ向かって突入していってしまうのだ。

もちろん一般の女性にも、それは頻繁に起こりうる。25歳が女のピークと思えば、27歳くらいにはもうちゃんと冴えなくなっていく。自分の“旬”は30歳と思えば、31歳からちゃんと老けていく。どっちにしろ、“頂上”をつくるから、下り坂ができるわけだが、女はどうしても、自分の人生の“頂上”を決めたがるのだ。そして“頂上”をつくりたがるのは、早い話が自信のなさ。自信があれば女は何度だって、開花できるし、ずっとずっと咲きっぱなしってことも可能なのだから。

余談だけれども、近ごろますます輝きを増し、“風格”さえ感じさせる女優に、米倉涼子と、そして宮沢りえがいるけれど、二人とも過去の一時期、大ブレイク。一時代を築いたことがあり、だから、この人の時代は終わったとも言われた。その頃は確かに、美貌にもブレーキがかかったように見えた。そして当時は、悪いけれど、今日の二人の活躍は、ちょっと想像できなかった。でも今の活躍は“復活”なんかじゃない。過去のブレイクのほうが単なる前兆にすぎなかったのだ。