連載 齋藤薫の美容自身stage2

いかにも「高そうな結婚」を決める女

更新日:2021.02.22

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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玉の輿じゃない、”高い結婚”をしたいなら、あなたが「姫」になれ!

2千億円のオーナー社長との結婚……2千億円の想像がつかないから、逆にそのスゴさがあんまり伝わってこないくらいスゴイ結婚だ。でも、どこかの県の年間予算よりも大きな数字と聞くと鳥肌が立つ。もちろんそんな2千億円結婚を決める女は昔からいたのだろうが、最近はどうしてもそこに女の“格差社会”を見てしまって、何だか肩から力が抜けていく。たとえば、このたびめでたく年商2千億円の結婚を決めた“神田うのの場合”に、あなたは何を思っただろうか?それほどの“玉の輿感”がないのは、本人がもともとお金持ちな匂いをぷんぷんさせているからだが、そうかやっぱりそこへ落ち着くのかという“納得”が脱力感とともに訪れる。

この人を見る限り、スゴイ結婚を決める人は、何か生まれつき決まっていて、“その運命に従っただけ”という見方もできるし、自分はそのくらい“高い値段の女”という自覚を、一瞬たりともひるむことなく持っていると、あそこまで昇りつめることになるのだろうかとも思える。いや、あくまで一般論で考えるなら、正しいのはたぶん後者だろう。明らかに自分は“高い結婚をするべき女”という自覚を365日持ち続け、当然のように、そして悠然と“高い結婚”を決めていく女が、今の時代ある数いるのである。

そこにあるのは、いわゆる“玉の輿願望”とはまったく異なる志向。“玉の輿”は大なり小なり自分は“下”にいて、結婚によって明らかに身分違いの上のクラスへ一気に這い上がること。だから“玉の輿”は虎視眈々と狙いすまして挑むもの、あるいは相手をハメるものだったと言っていい。しかし今の日本に増えている“高い結婚をする女”は、自分が相手より“下”にいるなんて微塵も思っちゃいない。さあ、この高価な私を射止めるのは誰「 みたいに、金持ち男たちを見下ろしている。そんな“心の中から高級ブランド”みたいな女たちがすでにひとつの層をつくっているのだ。

じゃあ彼女たちの揺らがぬ自覚を支えているのは何なのかと言ったら、それはひとえに“女としての自信”と、それを支える“毎日がドレスアップ”みたいな高級なオシャレ、それがまた新たな自信を生んで、結果、だんだん別の次元に行ってしまう女たちなのだ。それはまさに“お姫さま”の志向。ちなみに今も女たちのテーマであり続けるセレブ願望も、要は“姫な女”になることなのだ。

ふと思い出したのは、以前友人に連れて行かれた店で、常連客から「姫」と呼ばれる美女がいたこと。その美貌を際立たせるひときわ華やかな服装で、「姫」にふさわしい自分であろうとしていた。しかし「姫」と呼ばれて「なーに?」と答えても不思議に嫌味じゃなかったことをよく覚えている。ちなみに神田うのさんも年商2千億円のフィアンセから「姫」と呼ばれているのだとか。“姫”にとってはたとえどんなド金持ちとの結婚も、“玉の輿”にはならない。だって“姫”なのだから、どこかの王様と結婚しても不思議じゃないし、相手の金持ち男にしてみれば、“姫”との結婚は、完璧に人生における勝利の証で、トロフィーワイフ。つまり、利害が一致した結婚だから、そこにあまり違和感はない。“姫”だと思えば、こっちも“やっかみ”や“羨ましさ”を感じない。

かと言って、“姫”はそう遠くない存在。もちろん美しくなければいけないけれど、自己申告で「私は姫よ!」と手を挙げてしまえばもう姫になれる。がっちりと着飾り、日常的にドレスアップして、“姫”な印象を繰り返し植えつけてしまえばいいのである。念じれば叶い、信じれば事実になり、みんな必ず“姫”になれるのだ。

そこであらためて気づくのは、“見た目”の時代と言われる今、女はますます、身なり見てくれでどうとでもなるのだということ。その気にさえなれば、どんな高みにでも行けるのだということ。そして女の“格差社会”をつくっているのは、早い話が、オシャレと美容と自信だったんだということも。ただ逆に、姫なればこそ、弱気になったり、卑屈になってはダメ。“高い結婚”をこっそり狙った時点で、姫は姫でなくなってしまう。気高く堂々と男を翻弄してほしいのだ。

そしていかにも高い結婚をして、名実ともに“姫”になった女は、その後の人生をどう生きるかで、姫としての真価が問われることも忘れずに。つまりマリー・アントワネットのように、なおも姫を満喫するか、それともアントワネットの母親、マリア・テレジアみたいに、農奴の解放を手伝ったりする慈悲深い姫になるか、ともかく一度姫を名乗ったからには、とことん偉大な姫になってほしいもの。女はある意味“結婚”までは、どんな“身のほど知らず”もどんな自己チュウも許される。神様が許してくれるのだ。しかしよい結婚にこぎつけたら、女はその分お返しの意味で大きく成長しなきゃダメ。ただ着飾るだけの姫をやり続けたら必ずマリー・アントワネット的な結末になること、それだけは覚えていよう。

“姫”と呼ばれるための3つの条件

“玉の輿”を狙わずに、相手に望まれ望まれ、いつの間にか高い結婚を成し遂げている決定的なコツ。それは“姫”と呼ばれる女になること……そうとわかったからには、今日から“姫”を狙いたい。

まず、絶対不可欠なのが、ゴージャスさ。金目のものをいっぱいつけるのもそれはそれであり、でもそれ以上に存在のゴージャスさがないと“姫”なムードはつくれない。

次に、“姫”と呼ばれても、照れずに引かずに堂々と「ハイ」と言えること。つまりもう私はここでは姫なのだ、という自覚をそびえ立たせてしまうことが大切。そして自分の役割をしっかりとこなすべく、そこにいる女子の中ではいちばん美しくある努力をすべき。すみからすみまで……。

そして3つめは、とりあえず決まった男がいないこと。“姫”は基本的にみんなのもの、男たちのマドンナであり続けなければならない。ステディな男がいないことはもちろん、仮に誰かに恋をしていたとしても、5年も恋をしていないように見せる。私生活がナゾに満ちているカンジが必要なのだ。もうひとつ付け加えるなら、悩みも悲しみも暗い過去もネガティブ要素は何ひとつ顔に出さないこと。だってあなたは何不自由ない“姫”なのだから。あたりが明るくなるくらいの華を持つこと。すべてはそこから始まる。

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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