1. 誇り高さが、幸せを呼ぶ

斎藤薫の美容自身2

2015.04.23

誇り高さが、幸せを呼ぶ

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。


結末は“大女優としての誇り”を完全な形で取り戻すように、舞台の上で、とことんスマートなリベンジをするのだ。だから自分自身は決して破滅しない。むしろ才能や実力を世間に思い知らせ、周囲にまったく気づかれず、だから自分は何ひとつ失わない形で、彼女のプライドをキズつけた人たちだけが、シッペ返しをくらうのである。その胸のすくこと。ヒロインの誇り高さがきらめく瞬間に、拍手を贈らずにはいられない。もしこれが“プライドの高すぎる女”だったら、そこにいくまでの間にすでにすべてをぶち壊していたのだろう。男と刺し違えるか、若い女に陰湿な復讐をするか?どちらにしても、自分自身も多くを失い、もう何も元にはもどらない。たぶんその結末は、まったく異なるはずなのである。

だからこうも思う。“誇り”とは、最後まで自分を守ってくれるものなのだって。プライドは、高くそびえ立たせるとぽっきり折れて、自らを滅ぼすことさえあるけれど、真の誇りは逆に倒れないようにしっかりと足を踏ん張って、自分を支えてくれる。プライドが上へ上へ高く積み上がるものなら、誇り高さはむしろ下へ下へ、しっかりと根を張っていくもののような気がするのだ。エリート意識を支えるのがプライド、逆境にある自分を支えてくれるのが誇り……そうやって無理矢理分けてみれば、よりわかりやすくなるのだろう。それも、人にはハッキリ2種類の“自尊心”というものがすんでいて、大人はそれをきっちり使い分けるべきだろうと思うからなのだ。