1. 女が明暗を分ける時

斎藤薫の美容自身2

2015.04.23

女が明暗を分ける時

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

女が明暗を分ける時

結局のところ、女の明暗は自分の顔が決めていた。玄関を出ていくときの顔で……。

右か左か、どちらに行ったら良いことがあるんだろう。どちらに行ったら幸せになれるんだろう。そういうふうに二者択一で悩む場面は、人生の頭のほう3分の1。すなわち30代までに固まってやってくるものなのだという。確かにそうだ。どこを受験し、どの学校に進むか?10代の頃はそれで人生丸ごと変わってしまうような気がしていたし、就職に際しても“希望の職種”に進めないと、一度そこで人生を諦めてしまったりしたもの。

就職してもしなくても、隣の芝生は青く見えがちで、“転職”の可能性をいつも頭の中に住まわせながら会社へ行く、何だかつねに“分岐点”の上にいるような、分岐点そのものを生きているような、そんな時代が30代まで続いていきがち。でも逆にハケン社員にこだわったりするのも、あえて分岐点そのものを生きていたい人の選択かもしれない。どっちも選ばない、どっちにも行かない、それが心地よい人もいるのだろう。ひとまず“留学”しちゃったりするのも、自分を結論づけず、答えを先送りする選択のひとつ。

そう、何かをきっちり選んでしまうことは、自らの中で明暗を分けること。だから答えを保留にし、明暗を避けながら生きる生き方もあり。10代は好むと好まざるとにかかわらず、入試や就職試験などで明暗を強いられてきた。だからそのぶん、大人になってからは明暗を分ける場面を避け続けたいと思っても不思議じゃない。でもそのうちにキャリアも自然に積まれていくから、いつの間にか“安定期”に入ってしまい、明暗を決めずにすんでしまう。そういう生き方もあるはずなのだ。しかし女にはどうやって逃げてもやってきてしまう“明暗”がある。他でもない、恋愛と結婚。

いくら注意深く慎重に“暗転”を避けつつ生きていても、女は恋をし、結婚を望んでしまう。そうやって男たちが絡んでくると、女の人生は大きく動き、自分では自分の人生を操作できなくなる。その勢いで思わぬ方向に体が持っていかれ、予定外の結果が出てしまいがちなのだ。そこではまた、受験の合格不合格みたいに、女たちがそれぞれ大きく明暗を分かれてしまうことになる。もちろん“明”に転じるケースのほうが多いに違いないが、どっちにしろ今までとは違うべクトルが生まれて、女の人生の重心が大きく動いていくことだけは確か。