連載 齋藤薫の美容自身stage2

マドンナ的生き方の謎 “守り”の進化を遂げる女

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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マドンナに珍しく不倫騒動が出た。相手は大リーグのスーパースター“Aロッド”。年俸は大リーガー1だから相手に不足はないが、でもちょっとでき過ぎ。それにこの噂にどうも信憑性を感じなかったのは、マドンナにはそういう意味での色気をあまり感じないから。少なくとも激情にかられてそうなっちゃうタイプじゃない。この人が自分のキャリアに無駄なノイズを加えてしまうはずはないのだ。アーティストが20年以上変わらぬ人気を維持することはかなり不可能に近い。マイケルだって、ホイットニーだって、ブリトニーだって、何やらあって続かない。奇行が目立つか、忘れられるか、スーパースターなんてそう長くはやれない。しかし唯一マドンナが20年以上トップの座を誰にも明け渡さないのは、強い意志でそれを守っているから。ちょっと人気が下降線をたどると必ず話題性のあることをぶち上げて存在感を見せつけてきた。しかしそれは、スキャンダルじゃない。むしろパワーで健在ぶりを見せつける形。

世界的にその名の知れた美容整形のドクターおよび整形効果をもったコスメブランドが“うちの顧客”としてVIPの名を上げると、そこに必ず登場するのが、この人マドンナ。それがすべて本当なら、自分が若く美しくいられるなら地球の果てまで行くタイプ。いや実際そうしているから、50であんなに若いのだ、体も顔も。ピークに到達した時のマドンナを守り抜いているのだ。突然マッチョな体になったり、お尻を見せたり、それもこれもトップでいつづけるためのアピールであり、進化なのである。日本の“あゆ”も、マドンナに倣って同じようにトップにこだわり飽くなき努力を続けてきたが、それが並大抵なことじゃないことを思い知らせ、逆にマドンナの凄さを浮き彫りにした。

中流階級の家に生まれ、19歳の時、35ドルだけ手にして長距離バスでNY降り立った話はあまりに有名。職を転々としながらダンサーとして頭角を現わしとてつもないアメリカンドリームを成し遂げたわけで、人間やっぱり意欲と努力と負けん気なのだということも思い知らされる。貪欲といったらこれほど貪欲な女はいない。

しかしただがむしゃらに頑張ってもダメ。ちゃんと形として見た目に進化しつづけなきゃトップは守れないのだ。今回のビッグな恋の噂も、50すぎて、“30代のスーパースターと恋ができるほどの女”を印象づける進化の手段だったかも。いつもレプリカントみたいに完璧で、生身の女の湿気や喜怒哀楽が伝わってこないから、セックスシンボルと言われながらも色気が見えないのに、この不倫疑惑はマドンナをまた進化させた。本当に計算だったとしたら、恐るべき女! やっぱり誰もかなわない。

「トップを張りつづけるのは、やっぱり歳をとらない女である」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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