連載 齋藤薫の美容自身stage2

なぜ、危険に飛び込むのは”美人記者”なのか? 今苦労を知りたくなる女が美しい

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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ついに女性タレントにも聞くも涙の“貧乏育ち”を売りにする新手のアイドルが現れたが、言うまでもなくこれは芸能人だから功を奏するわけで、一般社会では応用がきかない。“苦労話”というのは、本来が何かを成し遂げた人が、人に聞かれて初めて、じつはこんな苦労を経てきたのですと打ち明けるべき種類のもの。最初から、苦労を売りにしたら、逆に人の心はつかめない。まさしく“秘すれば花なり”なのである。昔から、女の子は一般的に“苦労”を知らない方がいいとされてきた。その方が素直で無垢で人を疑わないから“愛される女”ができあがると。でも今、あらためてこう定義し直したい。苦労を知らずに育っても、大人になってからわざわざ苦労を知りたくなる女性が美しいって。

最近とても気になるのが、世界一危険なゾーンや世界一貧しい国にわざわざ出かけていく美女たち。フジの“とくダネ!”でMCを務める女子アナは、なぜかアフリカの貧困を取材するのが恒例となった。ここのMCは、局アナの中でも花形。女も何かしらの頂点を究めたら、真逆の人生を見ておかなきゃいけないと思うのか。さらに、最近の国際的なニュースを騒がせているのは、“美貌の女性記者”ばかり。すでに解放されたが、イラン政府に拘束され、スパイ罪で8年の禁固刑を求められたのは、ミスアメリカ候補にも選ばれたことがあるアメリカ人記者。日系人を母親にもつエキゾチックな美人だが、大学でジャーナリズムを学び、ケンブリッジでは国際関係の修士号を得ている見事な才色兼備。迫力が増した。

一方、北朝鮮に今も拘束されたままの2名の女性記者もアジア系アメリカ人で、やっぱり美人。まさかこんな深刻な出来事で、美人だから拘束されたり、美人だからとりわけ大きく報道されたりという偏りはないはずだが、そう疑うほどの美人揃い。ともかく危険をかえりみず世界平和のために戦う女性に、美人が本当に増えてきた。金持ちの単なるチャリティとは異なり、明らかに体を張って世直しに力を注ごうと自ら、“究極の苦労”を買って出る美人が増えたのは、神の采配にも見えてくる。

人より美しいことも含め、女として恵まれている人ほど、さらに自分を生かすため、より過酷な環境で自分を難題に立ち向かわせたいと思うのも、じつは“女の生理”のうちなのじゃないのだろうか。人の痛みをわざわざ知ろうとするのも新しい時代の美人の生態。今まで充分にチヤホヤされてきたからこそ、 美しくなることや恵まれた暮らしをすることを人生の目的にはせず、その先に 進む。いや高い女ほど、志も高く、極端な不幸を見とかなきゃと思うのじゃないか。だから今の時代、もっとも勇気があるのは、恵まれた美人たち……。何だかアゲアゲな気運が一段落した今だからこそ、そういう美人の生き方にも目を向けてみたい。そう思わないか?

「今の時代、もっとも勇気があるのは、またもっとも志が高いのは、恵まれた美人である」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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