1. 愛だけは思い通りにならなかった女、マドンナの恋愛観

2016.05.01

愛だけは思い通りにならなかった女、マドンナの恋愛観

「ポップの女王」と呼ばれ、57歳にして驚異的に鍛えた肉体を持ち、総資産は500億円以上と噂される、ハリウッドの女ソルジャーこと、マドンナ。 そんなマドンナにも泣きどころはあった。それはずばり、“恋愛”。 心から愛した男性との2回の離婚。そしてその心の傷を埋めるかのように彼女が溺れる、息子ほど年の離れた年下ダンサーたちとの恋。 キャリアもお金も手にした女は、果たして鋼(はがね)のようにタフなハートを手に入れることが出来たのだろうか? その答えのヒントとなりそうなのが、次のフレーズだ。

愛だけは思い通りにならなかった女、マドンナの恋愛観

勇敢になるということは、誰かを無条件に愛すること。見返りをなにひとつ求めずにね。ただ、与えること。それは勇気のいることだわ。だって思いきり顔から転んだり、傷つくために自分をオープンにしたままでいたい人なんて、いないでしょ?

To be brave is to love someone unconditionally, without expecting anything in return. To just give. That takes courage; because we don't want to fall on our faces or leave ourselves open to hurt.

ガイ・リッチーと離婚してからのマドンナが、29歳も年下の恋人をはべらせている姿って、まるでキャバ嬢を連れたオッサンのようだ。要するに、お金と権力にモノ言わせてオトコを服従させて、それを誇示しているような。

そこにはロマンティックな要素は感じられない。悪いけど、とりあえず歌姫としての自分のセクシーなイメージを保つために、手っ取り早く疑似恋愛の相手を手に入れた、という印象なのだ。

やっぱりマドンナほどの大物スターになると、恋愛も割り切って年下オトコを“飼う”って感じになってしまうのかな〜、と、思ってしまう。彼女ほどになると(カバラ教も学んでるしね)、きっと凡人が味わうような、恋愛のドロドロした感情なんかとはもう無縁になれるのかもしれないな、と。

でも実際は、そうじゃなかった。

それは、上の言葉からわかる。誰かを真に愛することは、頭から地面に転ぶようなリスクを負うこと。——そんな言葉をさらっと吐ける彼女は、たぶん今まで誰かを心から愛したことがあるひとだ。

その相手とはきっと、「私が今まで愛した男はただひとり」とマドンナが以前語っていた、最初の夫、ショーン・ペン。そして2008年に離婚した、映画監督のガイ・リッチーのことかもしれない。

ショーンとは、マドンナが有名になりすぎたこと。そしてガイとは、完璧主義のマドンナが生活や子育てのすべてをコントロールしようとしたことが、破局の原因になったと伝えられている。

皮肉なことに、仕事ではプラスに向かうはずの要因が、プライベートでは彼女の恋愛の妨げとなってしまった。

そして泥沼離婚と言われたガイとの別れの後には、癒しを求めるように、28歳年下のジーザス・ラス、29歳年下のブラヒム・ザイバットと次々と交際。——マドンナ、疲れちゃったんだろうな〜〜、いろんなことに。

どんなセレブ男性とつきあおうと、マドンナ以上の稼ぎとステイタスを持つ男性と出会える確率は、限りなく低い。だったら最初から、うんと年下で格下の男を選んでおけば、自分に張り合おうなんて面倒くさいことにもならないし、つねにちやほやしてもらえるもの。

——それとも、もしかしたら。こういう可能性もある。マドンナは、今でも若い恋人たちに、何の見返りも求めない、純粋な愛情を注いでいるだけなのかもしれない。また無防備に自分の心を開いて頭から転ぶかもしれないと思っていても、「愛」の力を信じて。

もしそうだとしたら。マドンナって、本当に勇敢な女性。でもその勇気を持っているということが、彼女が今でもエンターテインメント界の頂点に君臨し続けていられる理由なのかも。

「転んだって、また立ち上がればいいのよ」。——彼女が歌や自分の生き方を通じて世の女性たちに送り続けているのは、きっと、そんなポジティブなメッセージ。だからこそマドンナの歌は、私たちを熱狂させる。

photgraph:AFLO