連載 齋藤薫の美容自身stage2

知られざる復縁の法則1 なぜ焼けぼっくいに火がつくのか?

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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映画で演じたクレオパトラが最高の当たり役、“絶世の美女”の称号をほしいままにした女優エリザベス・テイラーは、同じ映画でアントニウスをやったリチャード・バートンと、二回結婚し、二回離婚している。もっともこの人、計八回結婚離婚を繰り返しており、この二回もそれほど驚くに値しないのかもしれないが、復縁をしない女は、二度も一度もぜったいしない。復縁する人は、何度でもする……そういうものではないかと思う。まずこのリズ・テイラーの場合は、より直情型で情動的な、後先も周囲の評判も考えないタイプ。動物的と言ってもいい。しかしその背景には、“世界一の美女”と呼ばれる女の信じられないほどの自信が見え隠れする。何度も同じ男と復縁するのは、本能のおもむくままに生きる女の証だが、そんなに好きな男と何度も別れてしまえるのは、それでも自分を愛してくれる男などいっぱいいるという女としての自信の証。両方が揃うと、八回も離婚できてしまうのである。

しかし復縁には、本来ふたつの過ちがある。一度別れてしまった男女は、多くの場合、同じ理由でまたモメる。組み合わせっていうのはそういうもので、 同じ物質を合わせれば、いつも同じ化学反応が起きるのだ。だいたいが多少とも思慮深ければ、再会した瞬間にそうなる可能性が必ず頭をよぎるはずなのに、情動的な女にはよぎらない。それどころか“懐かしさ”という独特な感情を恋愛感情とカン違いする。とりわけ、淋しさとか、プライドとか、懐かしさみたいな感情は恋と間違いやすい。だから恋愛経験は多いが別れる確率も高く、惚れっぽいのになかなか幸せになれない。復縁タイプには、そういう女が多いのだ。

とは言え、籍を入れたり抜いたりするのは、さすがに憚られても、“恋愛どまり”なら世の中くっついたり離れたりする男女は決して少なくない。しかし“くっついたり離れたり”を何度か繰り返したあげくに、最後は別れてしまうケースが驚くほど多く、復縁も一回までなら、そのまま一気に結婚というケースも少なくないが、二度以上はまず成就しない。言いかえれば、一度別れてみて、この人しかいないと悟れば、もう切れない絆で結ばれてしまうが、二度めからはもう別れグセもついているから繰り返す。それこそ“淋しさ”を愛情と誤解しているだけ。てっとり早いからの元のサヤ。けれど、別れるたびに心のキズはどんどん深くなるから、やがては永遠の破局へ向かう。

人生のムダと言ってはナンだが、やっぱり女の幸せだけ考えたら、それはとてもムダな時間。次にどんどん進まないと。“焼けぼっくいに火がつく”のも、一回だけ。焼けぼっくいも二回めになるとすっかり燃え尽きてしまうから、本当にムダになる。復縁は百歩譲って一回まで。でもできるなら復縁はしない、できない女になろう。それがひとつの幸せのコツ。

「淋しさや懐かしさは、恋愛感情と間違えやすい。だから、復縁は多くの場合、人生のムダになる。」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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