連載 齋藤薫の美容自身stage2

曲がった心の直し方 意地悪になるチャンスを自分に与えぬこと

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

私って性格悪い?そう思う瞬間が一度でもあった人は聞いてほしい。いやそもそもが性根から曲がっている人は、いくら悪態をついたとしても“自分の心が曲がっている”なんて微塵も思わない。逆に自分の性格を客観的に見つめられる人に、天性の性悪はいないから大丈夫。にもかかわらず、人はいつでもどこでも、アッという間に意地悪な女になれてしまう。たとえばこういうことってないだろうか?眠れぬ夜、同僚の失礼な言動が許せなくて、暗闇を見つめながら悶々とする。やがて“よーし、明日はイヤミのひとつも言ってやろう”と心に決めたところで、ようやく眠りに入っていく。でも翌朝、その同僚といつものように「おはよう」の挨拶を交わしてしまうと、やっぱりこの人、そんなに悪い人じゃないしと、たちまち思い直して、夕べの怒りのほこをおさめてしまう。性根が悪くない人って、所詮はそういうものだと思うのだ。

じゃあ、こんなことはないだろうか?他の同僚とのおしゃべりの中で、失礼な同僚のことを話題にし、相手もそうなのそうなのと聞いてくれるものだから、ついつい調子にのって、気がつけば“悪口”を並べてた。その勢いで夜はまた悶々と、明日の仕返しを考えているようなこと……。ただしこの場合は、翌朝の「おはよう」も、相手を許すきっかけにはならない。一度ハッキリ言葉にし、第三者の“共感”を得てしまったから、ある種ひっこみがつかなくなっている。同僚の手前も、何かしなきゃという妙な使命感が生まれていて、だから“イヤミのひとつ”も口に出し、ぎくしゃくした関係を自ら招いたりするのである。かくして、心が曲がってしまうのには、明らかにきっかけがある。

“眠れぬ夜”と“悪口”。もしも、夜ベッドに入ったとたん、バタンキューと眠りについていれば、そしてまた、おしゃべりにその話題を持ち出さなければ、人は人を恨んだりも、嫌ったりもしないのかもしれない。モヤモヤするけれど、翌朝挨拶を交わせば、ネガティブな感情は曖昧なまま消え去っていく。心を曲げずにすんでしまう、そういうものだと思うのだ。

眠れぬ夜は負の感情を育て、悪口は負の感情を決定的な形にする。日記も同じで、誰かへの感情を言葉にして、何らかの形で残したとたん、心は曲がるのだ。だからそういうチャンスを自らに与えないことが心を曲げない意外なコツ。夜はバタンキュー。言葉にしたい気持ちをぐっとのみ込む、の2つを心がけるだけで、清く正しくおおらかな人間ができあがる。それだけは確かなのである。そんな統計があるわけじゃないが、本当に意地悪な女って10人に1人もいない。何となく15人に1人くらい?でもだとすると、クラスに1人、同じ課に1人はいてしまう。その1人の影響を受けてしまう不幸な女が3~4人はいるのかも。そこに入らない工夫だけはすべきである。

「”眠れぬ夜”は、負の感情を育て”悪口”は負の感情を形にする」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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