連載 齋藤薫の美容自身stage2

あなたは、友だちが何人いますか? 友だちと親友の知られざる定義

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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「あなたには、友だちと呼べる人が何人いますか?」ある機関が行った調査では、20代30代の社会人の回答が、平均で約18人。一方“親友の数”は、約3人という結果になった。この結果を、あなたは多いと見るのか少ないと見るのか?「友だちができない」「人付き合いが面倒」と訴える人が増えている時代にしては、ちゃんとした数字が出てきた気もする。でもそれは、友だちの定義そのものが変わってきたせいもあるのじゃないか?まず、この18人はつかず離れず、“連絡を取り合っている親しめの知人”の数にすぎないのかもしれないし、“一緒にご飯”を2回以上やると、知人から友だちになるのだという説もある。いずれにしても、友だちの条件は以前よりゆるくなった。

ちなみにフェイスブックの目的は「昔の友人を探す」「自分の近況を知人に伝える」が多くを占めるらしいが、それによるフェイスブック上の友だちは平均で26人。そういう方法でも友だちの数を増やしたい人が、今増加傾向にあるのだ。じゃあ“親友”とは誰か?アンケートから得られたコメントには、「恋の悩みを聞いてくれる人」とあった。そうなのだ。女は女同士、“恋愛相談”によってこそ親密になれるのは普遍の法則。しかしここには大きな関門があって、親友が恋に“悩んでいる”うちは親身になれても、自分よりもはるかに幸せになっていった時、同じように親身になれるのか?という問題がある。

さらには“親友”の定義にも2つあり、ひとつは“間違いを指摘して怒ってくれる人”。もうひとつは“黙っていても自分の考えを理解してくれる人”。一見ふたつの定義は相反して見えるけれども、じつはこれ、同じことを言っている。“怒ってくれる人”は同時に“自分の考えを理解してくれる人”であるということ。つまり、本当は相手が怒ってほしい、間違いを正してほしいと願っている時に、ちゃんと怒れる人をこそ、親友と思えるという深層心理が人にはあって、自分の意志に反することをいちいち押し付ける相手には、友情ってそうそう持てるものじゃないのである。

従って、相手にちゃんと親友って呼んでもらえる人は、相手の心が読める人。人の心が読める人には、自然と人が集まってくる。友だちは自分が増やしたいと思えば、いくらでも増やせるが、親友は別。要するに人間がそこそこできていなきゃ、親友なんてそうはできないのである。とは言え、人の心が読める人は、同時に相手のイヤなところも見えてしまうから、逆に親友を増やせないという厄介な問題も抱えてしまう。特に、自分の幸せを心から喜んではくれないことが見えたりして。だから無尽蔵に親友は増えていかず、やっぱり3人くらいに落ち着くってことなのだ。人間ができているほど、親友はできやすいけど、できにくい……のである。

「人間ができている人ほど親友はできやすいけど、できにくい」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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