連載 齋藤薫の美容自身stage2

年齢とともに、友だちは増えましたか? 減りましたか? 友だちと親友、増減の法則

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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アンケート結果を見ると、学生時代のほうが、“社会人平均”よりも10人近く友だちの数が多かったりする。学校って友だちを作りに行くところとも言えるから。それが年齢を重ねるほどに、“整理”されていくのは世の常。ひとつの区切りは30代で、子育てばかりに追われる人と独身の人では生活形態はもちろん価値観や人生観も露骨に変わってくるから整理がすすむ。ところが50代くらいになると、ずっと母親やっていた人も、子供のいない人や独身の人とまた精神的に歩み寄るようになり、人はいずれ“ひとりの単位”になるのだと気づきはじめて、友だちの掘り起こしにかかったりするのだ。だから友だちは、一度減っていくが、また増えていく。そういうもの。

しかもそういう時、私の親友って誰だっけ?と思い出す時、ポッと顔が浮かぶのは、やはり学生時代の友だちだったりする。それも学生時代の友人には、自分の恥ずかしい部分も困った部分も否応なしに見られてきたから。そこに生まれるのは、信頼以前の安心感。だから学生時代の友だちがそのまま親友、というタイプには単純に裏表がないのである。

しかしそういう安心感にどっぷり浸かり、それ以上付き合いを広げないのもどうだろう。人生に広がりがなく成長も閉ざされてしまわないか?逆に“大人になるにつれ、ヒトが変わってしまったタイプ”は、まるで過去を消し去ってしまったように、友だちの貯金がない。それがいけないとは言わないが、親友がしょっちゅう変わり、いつも新しい人間関係を持っている。そういう人は、自ずとまわりが警戒しはじめる。アッという間に仲良くなれば、アッという間に険悪にもなりやすい。そういう出入りの激しい付き合いをする人との接近は、とりわけ慎重に、って世の中は思ってる。一度親友関係を築いた人と疎遠になるのは、人生においてけっこう大きなダメージになるからだ。

言いかえれば、“親友”と一度名乗った人とは、一生涯、友だちでい続けたいから、吟味に吟味を重ねるべき。となれば、親友は10年に一人できるかできないか、20年にひとりできるかできないか。それでいいのだ。人生の節目ごとに一人ずつできればいい。どこの時代にも偏らず、学生時代から社会人から母親になってから、引退してから……その都度、“生涯付き合える人”をひとりずつでも見つけると、人生は自ずと充実する。たとえいやな会社に入ってしまっても、その仕事を通じてたったひとりでも“生涯の友”ができたら、それは自分にとって掛けがえのない時代だったとあとで必ず思えるから。友だちはワーッと増えていって、ワーッと整理され、人生後半でまた増えていく、というふうに増減があっていい。でも親友はゆっくりじっくり、ていねいに節目の数だけ増やしていき、でも決して減らない、それが正しい生き方なのである。

「友だちは増えたり減ったりしてもいい。でも親友はなかなか増えず、でも減らないもの」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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