連載 齋藤薫の美容自身stage2

幸せに執着する人としない人、どちらが幸せか?

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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デビッド・ベッカムの妻、ヴィクトリア夫人が先ごろ4人目の子供を出産した。もう4人目?一体いつの間に?この人たちが、そこまで子供好きとは知らなかったが、“子だくさんの家庭”はたとえ貧しくても、問題をかかえていても、幸せな空気が舞うもの。何だかいつの間にか、英国を代表する立派な“幸せ大家族”を形成していた。だから思うに、このヴィクトリア夫人ほど、幸せに貪欲な女はいない。どんなことがあっても、自分はぜったいにこの幸せを守り抜くのだという意志がありあり。そういう意味では女として、この人を尊敬したい気持ちにすらなってくる。

ご存知のように、夫ベッカムには“浮気報道”が絶えない。良くも悪くもスーパーセレブな夫婦は最初から“いつ別れるか?”がつねに話題なのに、ワキの甘い夫は、面白半分、売名半分で誘惑する女にまんまとハマることもしばしば。だから当然のごとく、浮気発覚のたびに“すわ離婚!”の大フィーバー。そういう意味では気の毒ではあるのだけれど、ヴィクトリアはそんなことじゃ、ちっともめげず、そのたびに“離婚報道”を打ち消すように、わざわざベッタベタに触れまくる2ショットをカメラに撮らせるようなことを繰り返してきた。

いやそれだけじゃない。じつは浮気報道のたびになぜか決まって、少しすると妊娠報道があって、結果、子だくさんに……。もちろん噂の域を出ないけれども、本当にそういうサイクルになっているらしいのだ。実際、そのたびに濃厚な仲直りをしてはいるのだろうが、そのつど、子供までつくるのは、何だか知らないが、まったく無意識だったとしても、ヴィクトリアのカルマのなせる技である気がして仕方ないのだ。たとえシュワちゃん騒動的なことがあっても、夫がタイガー・ウッズ的な悪行を重ねても、この妻は夫を見限らない気がする。幸せの執着が誰よりも強いから。

幸せの執着心は、時に愛情とか正義感とか倫理観とかも平然と乗り越える。怒りも、憎悪までも乗り越えてしまうことがあるのだ。でもさらなる幸せの執着は、逆に女を寛大にしたり、“愛情深い女”を育んだりもするのだ。つまり、浮気されてもされても夫を許し、そのたびに産まれる子供たちをちゃんと愛する女になっていく。それ自体、立派な成長だし、女として伸びるって、単純に幸せなこと。ヴィクトリアの生き方って、じつはものすごく正しいのじゃないかという気がしてくる。

「こんなに幸せの話をたくさん聞かされなかったら、人間はもっと幸せだったのに」そんな言葉があるけれど、“幸せに関心のない女”は、何が幸せか。それ自体を考えないから、客観的に見たら確かにとても幸せなのかもしれない。でも幸せをがむしゃらに増やしていく女の方が、間違いなく多くのものを手に入れているはずなのだ。そして幸せに貪欲な方が、人生がおもしろくなるのは事実。ここまで幸せへの執着心が強ければ、の話だが。幸せフリークの女の方がやはり勝ちなのである。結局のところ!

「幸せへの執着は、怒りも憎悪も超越する。つまり寛大な愛ある女へも導くのだ」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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