1. DV、夫の浮気、離婚。修羅場をくぐり抜けてきたハル・ベリーに見る、自立した大人の女性の恋愛って?

2016.05.05

DV、夫の浮気、離婚。修羅場をくぐり抜けてきたハル・ベリーに見る、自立した大人の女性の恋愛って?

映画『チョコレート』でアフリカ系アメリカ人として史上初のアカデミー賞主演女優賞獲得の快挙を成し遂げた、ハル・ベリー。授賞式でのスピーチ、「すべての有色人種の女性に今、扉は開かれた」という言葉も感動的だった。そんな彼女の半生は、波瀾に満ちたもの。母親に暴力を振るうアル中の父親の存在に怯えて育ち、4歳で両親が離婚。自らも交際相手にDVを振るわれ、片耳の聴力を失った過去も。そして上手く行かない結婚生活では、夫の浮気による失意や、離婚のショックでうつ病になり自殺を考えた経験もあった。けれど、何があっても自分の人生をあきらめなかったハルは、私生活でも勇敢であり続けた、強い女性。そのハルは、自身の恋愛観をこんな風に語っている。

DV、夫の浮気、離婚。修羅場をくぐり抜けてきたハル・ベリーに見る、自立した大人の女性の恋愛って?

男とは、私にとってパイの上に乗っかったチェリーみたいなもの。そして私はパイね。チェリーがなくったって、私は立派なパイで居られるわ。

A man for me is the cherry on the pie. But I'm the pie and my pie is good all by itself, even if I don't have a cherry.

実は同じような言葉を、これまでも何人かのセレブが口にしている。例えば、シェール「男は必需品ではないわ。嗜好品ね」——。

これらの意味するところ。それは、恋が上手く行くためには、男性に依存するのではなく、ひとりでもしっかり立っていられる、自立した女性で居ることが大切だってことだと思う。じゃあ自立した女って、どういう女性のことを言うのだろう? 経済的に自立してるっていうのは、もちろん、自由で居るためには大事なこと。でもきっと、それだけじゃない。

土台であるパイ=自分自身の幸せの基盤がしっかりしていること。そうすれば、チェリーが乗っかったらそりゃあもっと美味しそうに見えるかもしれないけど、例えパイだけだったとしても、“何かが欠けている”なんてミジメな気分になることはないはず。そもそも、この“自分には何かが不足している”という気持ちが、異性との関係に依存してしまう罠。

“かっこいい恋人が「好き」って言ってくれたら“、あるいは“お金持ちな男性と結婚出来たら”、私は初めて自分に自信が持てて、完全に幸せになれる——。そんな風に、自分の自信のなさや人生に対する欠乏感を異性に求めていると、常に「他人」によって自分の幸せが左右されてしまう。恋人が他の女性のもとに去ってしまったり、恋愛が終わってしまったときに、束の間の自信や幸せは、すべて消えてしまうことになるのだ。そんなのって、人として屈辱的だよね。ハルはきっと、そんな辛い想いを今まで何度も味わって来たのだろう。自分を幸せに出来るのは自分しか居ない、とようやく気づいた彼女が口にしたから、このフレーズには重みがある。

「結婚はもう考えてない」と言っていた彼女だけど、その後も複数の男性たちと交際して、結婚にトライするなど、恋愛に対して積極的。もう男性に寄りかかった生き方はしない——そう心に決めて、しっかり自分の足で生きてきた彼女は、きっと今、お互いを個人として尊重しあえる人生のパートナー探しているのだろう。

もちろん素敵なパートナーが居れば、人生はより楽しい。でもそれは、パイの上のチェリーのような、“おまけ”みたいなもの。恋愛は、人生のスパイスであって、人生そのものではない。だから恋をしていなくたって、自分自身と人生にちゃんと満足して、美味しそうなパイで居ること。——そんな風に生きてる女性って、すごくセクシーだと思うから。

 

photograph:AFLO