連載 齋藤薫の美容自身stage2

やっぱり前向きになれない女たちへ 後ろ向きがいけない本当の理由

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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ある“後ろ向きな人”がこう言った。「いいわよね、前向きな人は。いつも自分がいちばん正しくて、何でも人のせいにできて。だから前向きでいられるのよ、羨ましい」確かにそう。前向きな人は自分を信じられるから前向きでいられるわけで、この言い分は一見スジが通っているように見える。でもよく考えると、それって逆なのじゃないかとも思えてくる。たとえばだけれど、アカデミー賞と同時期に発表される、ゴールデンラズベリー賞こと “最低最悪映画賞”の授賞式において、不名誉なトロフィーをわざわざもらいに来た大女優は今までに2人いるというが、それはハル・ベリーとサンドラ・ブロック。どちらも“最高賞”のオスカーも獲っている人である。シャレがわかるのはもちろん、それ以上に自信があるから、そしてこんな恥ずかしいことにもフタをしない前向きさがある人たちだから、堂々とドレスアップしてやってきて、自虐ネタで自分をおとしめられるのじゃないか。こんなこと、後ろ向きな女にはとうていできやしない。

言いかえれば、“正しい自信”をもっていれば、人はちゃんと自己批判ができる。私が悪いのだと認められる。だからちゃんと正していこうと思えるのが、前向きになれること。もちろん前向きな人だって、自信満々なわけじゃないけれど、自分のミスをきちんと認めて、それでもへこまない。だから自分をていねいに正していける。結果としてどんどん前へ行ける人を前向きというのである。

逆に後ろ向きな人ほど、じつは何かあった時にその原因を人のせいにしてはいないか?“後ろ向きな人”は確かに“自分に自信がない”。でも、自分に自信がないことと、自分が悪いと認められることとは違う。自分に自信がないからこそ、自分を戒められない、反省できないという傾向があったりするのじゃないか。失敗を自分のせいと認めるのがコワくて、現実を見ないこと、それが後ろ向きになることであり、自己批判しないから、前に行くものも前に行かない。成長もない。むしろ人として後退していく。それが悔しくて“前向きな人”をねたむのでは、問題は全然解決しないのだ。

もちろん誰だって、後ろ向きになりがち。物事を悪く悪く考える後ろ向きは、誰だって陥ること。しかし自分を責める後ろ向きはまだいいのだ。同じマイナス思考でも、それを“人のせいにしてすませる”後ろ向きにだけは陥ってはいけない。なぜなら、そういうふうに現実にフタをして物事を歪ませて見ることは、けっこう自分の心を疲れさせること。だから後ろ向きな人は心がボロボロになりがち。何でも自分のせいにしてクヨクヨするからボロボロになるのじゃない。むしろ人のせいにしてしまうから、心が乱れてしまうのだ。現実から逃げるから心がくたくたになるのだ。一度自分のせいって思ってほしい。自分のせいと思うこと自体が“反省”となるから、必ず立ち直る。すなわちそれを前向きというのである。今あらためて言いたい。前向きになれない人は、やっぱり幸せになれないのだと。人生、前に進まないのだと知ってほしいのである。

「前向きな人ほど、じつは自分のミスを認めて反省できる。だから前へ行けるのだ」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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