連載 齋藤薫の美容自身stage2

やっぱり、不平不満が多い女たちへ でもその否定形を魅力に変える方法

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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“後ろ向きな人”とは、たぶん会話の6割以上が否定的な言葉で埋まっている人。でもそれをまったくの他人事と片づけてしまう人もたくさんいるはずだ。否定形ばかりの人ほど、じつは自分がネガティブな話をしていることに、気づかないからである。習慣になっていることには、当然自覚が薄くなる。自分の言葉にもマヒしてくる。たとえば、「~がイヤ」「~が嫌い」という言い方がクセになっていても、自分には聞こえない。他人の耳には、“イヤ”ばかりの女になっているのに。だからまずはそういう口グセに自分自身マヒしてしまっていないかどうか、そこをあらためて見直してほしい。だいたいがそういう人ほどおしゃべりで会話の中心になっているケースが多く、だから余計に気づかない。みんなある程度まで、そうよね、そうよねと受け入れてくれるし、“否定の話題”はイヤでも会話が盛り上がる。ハッキリ言ってしまえば、肯定ばかりの人は“つまらない女”に見られがち。「これが好き」「あの人が好き」より、「これが嫌い」「あの人が嫌い」の方が、話がずっとおもしろい。否定は会話として一見おもしろおかしく、だから余計に気づかないのだ。自分が否定形ばかりの女だと。

しかし、「イヤ」と「嫌い」が一定量を超えると、当然のこととして、“不平不満の多い女”“悪口陰口の多い女”と認識され、たちまち人を遠ざける。否定形もそれこそスパイスのレベルで会話にふりかけているうちは“センス”になるけれど。ちなみに会話における喜怒哀楽でいちばんおもしろく人を惹きつけるのは、じつは“怒り”だという。おしゃべりには毒として少し怒りを混ぜると、それが、そっくりセンスとなる。今、マツコ・デラックスとか有吉弘行がもてはやされるのも、毒をもって怒りを言葉にできるから。一日中あれでは気がめいるが、番組中の単発のコメントなら“よくきくスパイス”となるから、彼らは欠かせぬ存在となるのだ。言いかえれば、センスがないと毒は度を超し、空気を壊し、人を遠ざける。ギリギリ前で止めるバランス感覚がないと失敗する。

でもそう考えると、もともと否定形が多い、不平不満も多い人は素質的に悪くない。どうしても肯定しかできない人に毒はまぶせないが、否定の多い人が否定形を意識してやめた時、気がつけば程よいスパイスのきいた会話ができている。そういうもの。だから不平不満の多い人はチャンスなのだ。それこそ、欠点を長所に変え、逆転をはかるチャンス。まず自分が否定形を意識してやめること。それでも漏れ出てくる否定がそのままセンスになるのだ。ちなみに意識して口角を上げて多少とも微笑むと、否定形が不思議に出てこなくなる。生理作用はそうやって人をコントロールしてくれるのだ。大切なのは、否定形をコントロールできること。肯定にコントロールは不要だが、否定を操れると、それがそっくり人としての引力になるのを知っておいて。

不平不満が多い女が、それを自覚し不平不満を口にしなくなった時、人としての奥行きが生まれる。否定の多い人間は、魅力のタネをいっぱいもっているのだ。だからこそ、一日も早く気づくべき。自分自身のネガティブに。私は否定の多い女だと。

「不平不満の多い女が黙ると、そこに人としての奥行きが生まれる?」

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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