連載 齋藤薫の美容自身stage2

男に頼って生きるのか?それとも男に頼らせるのか?

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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“主夫”が増えている。ここ数年増え続けている。そうなんだ、“主夫”ってありなんだと世の中が気づけばまたさらに“主夫”が増えるはず。そもそも、“主夫”という言葉を初めて耳にしたのは、“平成”に入ってから。それまではそういう概念すらなかったと思う。昔は、むしろ家にいる“無職の夫”がもっぱら“ヒモ”などと呼ばれていたほど。それが、“主夫”という呼び方が生まれると、夫の方は家での存在感を高め、がぜん勇気を得てしまう。妻は妻で大義名分ができて、世間への後ろめたさも減ってくる。

そうなってみてわかったことは、社会に出て働くより家庭を守る方が得意な男は少なくないこと。そして逆に、“本音”では夫に家庭を任せて、自分はずっと社会に出ていたい女も少なくなかったこと。つまり両者の思惑が一致したのだ。そこで思うのは、女の生き方がこれから大きく変わるということ。男に頼って生きることもできるが、男にあえて頼られる人生もありだから。“ダメ男に頼られてしまう”のではなく、男を積極的に養っていくという人生の選択もあるということ。

そういうふうに頭を切り替えると、たちまち生き方の“幅”が広がる。長く付き合ってはいるけれど、なかなか結婚できないカップルの多くは、男がひとりの女の人生を背負うことに不安を感じて踏み切れずにいるパターン。女の方も“男の覚悟”を待ってしまうが、もし状況が許さないならば、女が“覚悟”を決める方法もあると思うのだ。経済的にではなく、精神的な覚悟を決めてもいい。「私があなたを幸せにする。ついてきて!」って叫んでもいいのだ。実際そういう切り替えで結婚に踏み切ったカップルをたくさん知っている。みんな一様にそう考えたら急に楽になった、と言った。自分の方が今はたまたま仕事に恵まれているだけ。自分のパートナーは決して怠け者なのではないと信じれば踏み切れると。

どちらにせよ、女ももともとは男にうまく頼りつつ生きていくように形づくられている。だから、その立場を逆転させるのにはやはり抵抗があるけれど、思い切って逆転させると、逆に妙におさまりが良かったり、心地よかったりするもの。人に頼られてこそ、人を支えてこそ、イキイキできる女っているものなのだ。立場を置き換えてこそ、うまく行くカップルってあるものなのだ。そして、どんなスタイルであれ、人は役割を与えられてこそ生き甲斐を感じる生き物で、従来の形だったらお互い“役割”を自覚できなかった男女が、立場を変えた途端、お互い“役割”を得て生き返るってことにもなりがち。そもそも、人に頼らずに生きている女の多くは、頼られた方がイキイキできるタイプだったりするはずだし、人に頼られて初めて、自分は“頼られたがり”だったことに気づく人もいるかもしれない。頼られたい女って、じつはとっても多いのだ。

こんなふうに、既成概念を取り外すと、とても生きやすくなる。幸せの可能性も3倍4倍になる。生命力ある女たちよ!そして「頼れる男なんてどこにもいない!」と文句を言う女たちよ、あなたこそ、じつは頼られたい女なのではないか。だから思い切って生き方を変えよう。頼らせる女に。

「頼れる男がどこにもいない」って、文句を言ってる女ほど、じつは”頼られたい女”なのじゃないか?

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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