連載 齋藤薫の美容自身stage2

早咲きの女は、人生を4回生きよう

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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なぜだか思い切り感情移入させられてしまう女子フィギュアで、今シーズンもまた少し胸にズンと来ることがあった。安藤美姫が“来期引退”を表明したと思ったら、噂のモロゾフコーチが「結婚も考えたが、フラれた」と発言。相手がそんなことを語り出せば、24歳の女心はまた千々に乱れることになるのだろうと、私たちの心も一緒に揺らぐ。“早すぎる成功”を果たした早咲きの女の辛さを無意識に想像してしまうからなのだ。その一方で、子役が大ブレイクしたのち、アッという間に飽きられてしまったりすることに心を痛める人もいるはず。これからの長い人生、どうしていくのだろうと。いや、ハリウッドでは子役で成功すると10代のうちに生活がアレ、20代で身を持ち崩すと言われるが、ブリトニーやリンジー・ローハンの“リハビリ”はまさしく早咲きがもたらした悲劇と言える。

かくして、人より早く成功するのは、その喜びが大きい分だけ、やがて来る虚無感や喪失感は大きく、ヘタをすると心のバランスをくずしかねない。だから人はすべからく、知っておかなければならないのだ。人生はものすごく長いのだって。イヤになるほど長いのだって。

そこで提案、あらかじめ人生は4つに分けて考えよう。“起承転結”という4つに。成功したい人も、幸せになりたい人も、一日も早くと結果を急ぐものだけれど、でも成功も幸せも時間的な持続性はまったくなく、場合によっては一瞬で終わってしまう。だから若いうちの幸せも成功も“起承転結”の“起”。始まりにすぎないと考えるべきなのだ。たとえそれが長続きしなくても、自分の人生はこれで確実に動き出したのだ、と思うべき。

なぜなら今の世の中、自分ではほとんど動き出さない、止まったような人生を送っている人が多すぎる。何も起きないように恐る恐る生きたり、億劫がって何も始めなかったりする人が。つまりは“早咲き”も“遅咲き”もなく、咲かない人がたくさんいる。そういう生き方とは真逆にあるのが、早咲きな人なのだ。起承転結をまったく無駄なく生きる人。ちなみに、起承転結の“承”は、“起”で始めたこと、起こしたことを“うける”という意味。そこで終わらせずに“受け止め、先に進めていく”という意味。ここが何より大事なのだ。

たとえば、“キレイになる”ことについてはみんな“早咲き”で、でもそれをさらに発展させる人と終わらせてしまう人がいるわけで、だからこの“承”がいちばん大事。“承”がなければ“転”もなく、キレイはあまりに短命に終わる。早咲きのキレイもまた、始まりにすぎないと考えないと、女の人生、あまりにも儚い。だからキレイも生涯で起承転結、4つあると考え、全員が生涯で4回キレイになり、4種類のキレイをつくるべきなのだ。

同様に、人生4つの成功と、4つの幸せをつくること。そういう意味で“早咲きの女”は時間があるから、悠々とまるまる4つの人生をつくれる人。成功や幸せが早すぎて、かえって不幸になるなんて、理不尽すぎる。4つの達成を生める、4回誰かに愛される何とも幸せな女だってこと、何度も何度も自覚してほしいのだ。20代、30代の失敗なんて、最初の一歩にすぎないのだと。

人生はイヤになるほど長いから、起承転結4つに分けて生きるべき。だから幸せもキレイも4つずつ

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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