連載 齋藤薫の美容自身stage2

結婚”した女”と”してない女”、そして”できない女”の違い

更新日:2021.02.22

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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ひと昔前は、今よりずっと“結婚していないこと”が珍しかった。しかし“してない女”が増えつつあったから、私も独身だった頃、仕事先で露骨にこう聞かれた。「ご結婚は?」「なぜ結婚しなかったんですか?」……36歳でもこう聞かれたのだ。「なぜしなかった?」と聞かれたら、「まだいいかなと思って」とは言えない。相手はおそらく、“仕事でギスギスしていたから、結婚できなかった”という答えを期待していたはずだから。つまり、昔は“縁がなくて……”的な理由ではすまされなかったのだ。もちろん当時も“結婚したくない”とハッキリ言う人は登場していたが、世間は “強がり”くらいに見ていたと思う。だから“結婚してない女”は今の方がずっとずっと生きやすいのだ。誰も理由を確かめようとはしないから。

そもそも女が結婚しない理由など、明快に説明できるものじゃない。“なりゆき”や“たまたま”や“気がつけば”が重なって今はしていないだけ……なのに、世間は勝手に“理由あってできない女”と決めつけてしまう。なぜか日本は、“結婚しない女”をいろんな決めつけで勝手にいじくりまわすのだ。

でもたったひとつ確かなことがある。今まだ“結婚してない女”と、“結婚できない女”の間にある決定的な違い。それは“いつかはする” “必ずする”と思っているか否か。つまり、“結婚すること”なんて少しも難しいことじゃない。する気になればいつでもできる……そういうふうに軽やかに思えるか否かなのである。結婚は、もともと“勉強”や“運動”みたいに能力的にできるできないを問われるものではない。

なのに女はまだ充分若い頃から、“自分は能力的にできない女”なのじゃないかとわざわざ自信をなくす。ハッキリ言って、結婚なんてどんな“間違い女”でもできるのに。“自分は一生できない女”なのでは? とわずかでも思ってしまうこと自体が間違い。あくまでも“するかしないか?”。“できない女”など、ひとりもいないのである。

でもそうこうするうちに、時代の価値観が変わってきた。“女が憧れる女”No.1、女たちにとっての好感度No.1が天海祐希という時代へ。これは、役柄からくるイメージ以上に、なんだかひとり凛々しくスマートに生きている印象が、結婚というものに頼らずに自分の思い通りに生きている女への潜在的な支持に繋がるのだろう。女はみんなどこかで結婚に“勝ちたい”と思っている。だから結婚に勝った女として、その人を無意識に支持したくなるのだ。している女も、してない女も。

どういうことかと言えば、結婚は良くも悪くも女を縛る。もちろん縛られたい女もいるし、みんなどこかで“妻”という縛りに自分をおさめたい気持ちがある一方、そんなものに捉われずに生きられたらどんなに楽か?とも思っている。だから結婚に勝ちたいのだ。結婚に勝つ女はいつしてもいいし、しなくてもいいし。やめたくなったらやめられるし、それに振り回されはしない。だから女として、この上なくカッコイイ。つまりあの人は見るからに“結婚に勝った女”に見えるのだ。してもしなくても、結婚に勝つ女になりたい。 21世紀の女が行き着いた新しい結婚観である。

女は全員”結婚に勝ちたい”と思っている。している女も、してない女も。それが21世紀の女が行き着いた結婚観。

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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