1. "生きる目的"が明快な女ほど、強い生き物はない

斎藤薫の美容自身2

2015.04.23

"生きる目的"が明快な女ほど、強い生き物はない

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

“独身を貫く”という言葉は、どこかに“好むと好まざるに関わらず”という意味合いを含んでいる。それが自分に課された運命と、途中から“独身として生きる決意”をした人がほとんどなのだろう。つまり、最初から“結婚はしません”と決めてた人はまずいないはず……。でも、ちゃんといた。先頃芥川賞を“最年長”で受賞した黒田夏子さんは、あるインタビューに答えて、あくまできっぱりと、「結婚を考えたことは一度もない」。いや、驚いたのはその理由……。「一生、物を書いていこうと思っていたから、それ以外のことにエネルギーを費やすことは考えなかった」“書くこと”に結婚は必要ないから考えない……えらくカッコイイと思った。人間そんなふうに“生きる目的”にひたむきになれると思っていなかったから。誰だって迷う。迷うし不安。たとえ、生きる目的が決まっても、「このまま進んでいいの?」と途中で迷うし、“保険”として結婚もしておきたいと思うのだろう。

だいたいが、5歳の時に書き始め、10歳そこそこで「自分は“書く側の人間”」と気づいたというのだから、早熟極まりない。みんなが余分なことにいろいろ思い悩む青春時代も、心が揺らがなかったわけで。しかも恋愛はあったというから、心を閉ざしたわけじゃない。なのにここまで明快に“目的”が決まっているって、こんなに強いことはないし、すごいと思った。

ちなみに、書く勢いを止めたくないから、昼食は食べないらしく、生活が乱れないからか、75歳という年齢が信じられないほど若い。髪は白髪が大半を占めるのに、内から湧き出てくる生命感は、50代か40代のそれ。たぶん、生きる目的が明快だと生活が清らかになり、だから歳をとらないのだ。無駄のない、圧倒的に潔い生き方は、人を老けさせないのだと思い知った。

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