1. いつも辛い人と、いつも楽しい人は、じつのところ紙一重だ!!

斎藤薫の美容自身2

2015.04.23

いつも辛い人と、いつも楽しい人は、じつのところ紙一重だ!!

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

いつも辛い人と、いつも楽しい人は、じつのところ紙一重だ!!

自分自身に"辛さ"を噛みしめる時間を与えない工夫をすること

グレン・クローズの怪演が話題になった『危険な情事』という映画を知っているだろうか?女は“一生の男”と思い、男は“一度きりの女”と思った……というその致命的なズレがもたらす恐いドラマ。衝撃的なシーンはたくさんあるが、いちばん鮮明に脳裏に焼きついたのは、男が妻や友人たちとボーリングで大騒ぎしているその時間に、女はひとり暮らしの部屋でランプの灯をつけたり消したりしていたシーン。それはあくまで女と男の不倫話のはずが、女と妻の対比となり、辛い女と楽しい女があまりに鮮明に浮き彫りにされていて身の毛がよだったのだ。当たり前すぎて逆に見えづらくなっていることを露骨なまでに見せつけたから。

“辛さ”はひとりで神妙に感じ入るもの。つまり、時間をかけるからよけい重い感情となって心に蓄積されて後を引く。逆に“楽しさ”って、楽しいと気づくのは一瞬だが、どうすれば楽しくなるか体で覚えるから、またすぐ反芻できる。つまり環境も手伝って、辛さもクセになり、楽しさもクセになるのだ。その結果、いつも辛い女と、いつも楽しい女を作っていくのである。

ただ本来は“辛さ”も“楽しさ”も、その日が終われば終わるもの。人間の苦楽は、本来その日その日“一日単位”のものだから、楽しいことも長くは続かない代わりに、辛いことも長くは続かないはずだ。だから、辛さをクセにしないためにも、自ら意識して辛い時間を縮めたいのだ。それこそランプの灯をつけたり消したりするヒマを、自分に与えないように工夫したいのだ。

私が毎日お風呂には朝入り、夜は決して入浴しないようになったきっかけも、昔辛いことがあった時、自分に“辛さ”を噛みしめる時間を与えないためだった。“よくお風呂で泣く”という人がいるのも、その環境が心の奥に押し込んだ感情をするする引き出す力を持っているから。水がチャプチャプする音やバスタブという容器に体ごと包まれると、母親の胎内を思い出して泣けてくるから。つまり夜の入浴のたびに“辛さ”がつのってクセになりつつあったから、入浴を朝にした。“いつも辛い女”は、要するに日常生活の中に自ら辛くなる時間をだらだら組み込んでしまってる。これは意識して避けるべきなのだ。