連載 齋藤薫の美容自身stage2

世の中にはやり遂げる女と諦める女の2種類しかいない

公開日:2015.04.23

人気連載「斎藤薫の美容自身 STAGE2」。 毎月第2水曜日更新。

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あの人の”結婚”に見る”やり遂げる女”の壮絶な生き方

いろんな人生を俯瞰からながめていると、とてもシンプルな結論が見えてくる。たとえばそれは、こんなこと……。人生を成功させるのは、結局のところ“やり遂げる女”。人生何だかうまくいかないのは、やっぱり“諦める女”。そしてこの世の中、最終的に“やり遂げる女”と“諦める女”の2種類しかいないってことも、あらためてわかってくる。当たり前のことなのに、今まさに心にずしんとくる結論だ。

その生き証人となるのが今、“道端ジェシカ”という人なのだろう。この人は典型的な“やり遂げる女”。言うまでもなくF1レーサー、ジェンソン・バトンと婚約中で、きっと幸せの絶頂にあるはずだが、それも単に持ち前の美貌で手にしたラッキーではなく、自分の手で作りあげた幸せ、やり遂げた結果の幸せ。この人の人生それ自体がつねに“やり遂げる女”の作品になっていると言いたいのだ。

10代の頃は、“受け身”であるモデルの仕事になじめず、ネガティブになりがちでイライラもし、それで周りの空気も悪くしてしまうという負の連鎖を生んでいたと、何かのインタビューで語っていたが、20歳を過ぎてハッキリ意識を変える。それも原因はすべて自分にありと気づいたから。意識的に行った心の改善だったのだという。「本をたくさん読むようになったことがきっかけ」というあたりも“やり遂げる女”のやり方だ。自分を変える具体的な手段を知っている。負のエネルギーをそっくりプラスのエネルギーに変える術を知っている。普通なら負の連鎖から抜け出られなくなるはずなのに、そうやって自らを確実に浄化してきた人なのだ。

おそらくはそのあたりで、良いと思うことにはどんどん挑み、やり遂げていくことの醍醐味を知ったのだろう。やり遂げて女の心のしくみに気づいたのだ。まったく独学で英語を学び、ネイティブの発音まで身につけたことは有名。ハッキリ言って、語学は“やり遂げる”のがいちばん難しい。そして恋人の影響で始めたというトライアスロンもたぶん“やり遂げる”のがいちばん難しいスポーツ。それだけ取っても、典型的な“やり遂げる人”。だから、女として人として、みるみる進化を遂げたのだ。

つまり“諦める女”との最大の違いは、単に何かを成し遂げるだけでなく、どんどん上質な女になっていくこと。もちろんもともとそういう素質が大いにあった人なのだろうが、見るもの聞くものすべてを自分の魅力に変えていく、“魅力の錬金術師”的な生き方をする。その成果のひとつは、出ていない雑誌がないほど引っ張りだこの超売れっ子モデルになっていたことなのだろう。

本誌がプロデュースするTV番組での知的で上品で、しかもウィットに富んだMCぶりも素晴らしかった。だから当時思ったもの。20代でここまでゴージャスな女性ってそうはいないのじゃないかって。また『徹子の部屋』に出演した時の堂々たる受け答えも聡明かつゴージャスだったが、黒柳徹子さんと同じ髪型をしてきたことを、黒柳さんへのリスペクトとして語ったのは、ちょっと感動的ですらあった。自分が置かれた立場でその都度その都度、何をすべきかがとてもよく見えている人なのだろう。20代女性が大先輩と同じ髪型をしてみるなんてことは、お茶目ないたずらか、あまり意味のない気まぐれなオシャレで終わってしまうところ、この人の場合は超大物の心を、それでしっかりと掴んでんでしまったのだ。

だから思った。ジェンソン・バトンの心を掴んだんだのもうなずけると。結婚までいくだろうこともうなずけると。彼女が駆けつけたレースはことごとく勝つことから、世界のメディアで“勝利の女神”として報道されるのも、たまたまじゃなく必然である気がするほど。誰もこの結婚を“玉の輿”と言わないのも、“玉の輿”は計算高く、ちゃっかりしていて、努力をしないイメージがあるけれど、この人は自分の魅力と努力で正々堂々、世界のスーパースターのパートナーになった。そういう意味では対等の関係なのだろうし、そこに“がむしゃら感”は見えない。自分自身をどんどん高めていく中で、とても自然に出会い、相手を魅了してそこに至ったのだから。 

やり遂げる人は、”人のせい”にしないから前に進める

ただ“やり遂げる女”と“諦める女”の違いは、そう単純なものではない。“やり遂げる女”は、単に物事を最後までやり終えるだけではないのだ。もちろん、人間なのだからできないことだってある。途中で挫折することも、失敗することもある。その時に、決して“人のせい”にしないこと。何かのせいにしないこと。つまりすべては自分の責任と考えること。それができるから、やり遂げるべきことは何でもやり遂げられるのだ。

うまくいかないことを人のせいにして生きているうちは決して気づけないが、じつはすべてを自分のせいにすると、とても気持ちがいい。心が洗われるように清々しい。そしてもう一度やってみようとか、別のチャレンジをしてみようとか、自分のせいで……という反省がとても不思議だけれどプラスのエネルギーに変わるのだ。だからよけいに心が晴れ晴れして、もっと前向きになれる。そういう良循環が訪れるから人として進化するのだろう。

一方の“諦める女”は、単に途中で投げ出すだけじゃない。それを何かのせい、人のせいにしてしまうから心が濁る。そうやってつねに自分を守っているつもりでも、じつはとても疲弊していて辛いから、多くのことをやり遂げられないのだ。“諦める女”と言っても、ただ飽きっぽく不真面目なわけじゃない。一生懸命になれないわけではない。ちゃんと努力もするけれど、何かにつまずいても原因は自分にはないから、それが怒りやイラだちに変わり、ストレスが生まれてしまう。心に悪いスパイラルが生まれてしまうから、もっとうまくいかないことが増えてきて、諦めてしまうことも多くなるのだ。

かくして、どんどん進化して上質な女になっていく人と、ずっとひとつところに留まる人に分かれていく。人生うまくいく人とうまくいかない人に分かれていくのだ。

ところで“前向き”に生きましょうという提案は大昔からあったけれど、今回初めてわかったことがある。本当の“前向き”って単に物事をプラス思考で考えて、人を押しのけても前に進むことじゃなく、まさしく“人のせいにしないこと”、“言い訳をしないこと”。“すべて自分に原因があると思うこと”。それが、心を清々しくして前向きな心を生むという仕組みにつながるのだ。“やり遂げる女”の心の構造に、一日も早く気づいておきたい。

人のせいにしない、自分のせいにしたほうが、心が晴れ晴れ気持ちいい。だから前に進む力が生まれる

Edited by 齋藤 薫

公開日:2015.04.23

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