1. Q:紫外線散乱剤と紫外線吸収剤、どう違う?

2015.07.23

Q:紫外線散乱剤と紫外線吸収剤、どう違う?

化粧品の裏側には成分名について細かく記載があるけれど、見たところでなんの成分がどんな働きをするのかわからない。そこで、化粧品成分検定協会代表の久光一誠先生に取材! 成分について解説してもらう全8回のシリーズです。記念すべき初回は知っているようで知らなかった「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」ってなにがちがうの?!

Q:紫外線散乱剤と紫外線吸収剤、どう違う?
穴沢 玲子
美容ライター
by 穴沢 玲子

そもそも紫外線吸収剤と散乱剤ってなにが違うの?

「紫外線散乱剤とは、紫外線が肌に浸透しないよう、物理的に遮る成分のこと。肌の上に紫外線を反射、散乱させるベールをまとわせるようなイメージですね。感覚としては日傘や手袋と同じ」と、久光一誠先生。

「それに対して紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して、熱などの別の弱いエネルギーに変えて放出する性質を持った成分」

紫外線散乱剤と紫外線吸収剤、使いやすいのはどっち?

「紫外線散乱剤には、酸化チタンや酸化亜鉛などがあります。どちらも白色の粉体で、肌がカサついたり、塗ったあとに白浮きしやすいといった面があるんです。もちろん、こうした面を軽減するために酸化チタンや酸化亜鉛を微粒子化したり、カサつきにくいように表面処理をするなど工夫がされているので、使いやすいものが増えてきてはいます」

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-紫外線吸収剤なら、まったく白浮きしない?
「紫外線吸収剤は油または油によくとけるものがほとんどなので白浮きすることはありませんし、カサつきの原因になることもほとんどないと思います」

敏感肌には紫外線散乱剤のほうがいいってホント!?

「確かに、紫外線吸収剤と聞くと、アレルギーの原因になることがあるという話から、なんだか肌に悪そうなイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、紫外線吸収剤は肌に悪い、と短絡的に決めつける必要はないと思います」

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-でも、アレルギーを起こす人は多い?
「たとえるなら、卵のようなものです。卵がアレルギーの原因になりやすいからといって、すべての人が卵を敬遠する必要はないでしょう。卵は卵アレルギーの人が避ければいいのであって、同様に、散乱剤、吸収剤にはそれぞれメリット、デメリットがあるので、万人に対してこっちが良いとかこっちは悪いとか断言できません。 個人個人が自分の体質や価値観と照らし合わせて決めることです」

 -クレンジング方法によっては日焼け止めが肌ダメージになる!?

紫外線散乱剤を使った日焼け止めでも白浮きはしにくくなっているし、カサつきにくくなっている。紫外線吸収剤を使った日焼け止めも、アレルギーがないならさほど気にすることはない。自分の好みのテクスチャーや使用感で日焼け止めは選べることがわかったけれど、気を付けるべきはクレンジングなんだと、久光先生は語る。

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「紫外線散乱剤を使った日焼け止めは、大まかに言って粉体と油でできています。この粉体は、ファンデーションよりも細かくなっているので、毛穴やキメの溝に入り込みやすく、丁寧にクレンジングをしないと肌に残ってしまいます。白浮きしにくいものほど粉体が細かくなっていて、その傾向が強い。散乱剤を使用した日焼け止めを使うなら、クレンジングはオイルタイプなど、洗浄効果の高いものを使って丁寧にしたほうがいいと思います。紫外線吸収剤は油によく溶ける成分なので、一般的なクレンジングでも十分、落とせると思います」

結論! 万人にとって肌にいい悪いはナシ!
自分の体質や好みを見極めて肌に合うものをチョイスしよう

アレルギーがあるなら別だけど、やみくもに紫外線吸収剤を敵視するのは意味がない! 塗ったあとの仕上がりやクレンジングのことまで考えつつ、毎日負担なく使える日焼け止めを選ぶのが、美肌の第一歩と心得るべし。

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穴沢 玲子
穴沢 玲子
VOCE本誌ほか、多くの女性誌で活躍する美容ライター。オイリー肌。本誌では「実験VOCE」「新製品カレンダー」などコスメの実力をガチで試す企画を担当。正確で丁寧な仕事ぶりに、編集部員からのラブコール多数。