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世界で最もスタイリッシュな男、トム・フォードの幸せな結婚生活を長続きさせる唯一の方法

更新日:2021.02.22

21世紀のファッション業界において最も偉大なアイコンのひとりである、デザイナーのトム・フォード。’90年代にクリエイティブディレクターとしてグッチを復活させ、現在では自身の名を冠したブランド「トム・フォード」をスタート。その豊かなクリエイティビティを生かして映画監督としても高い評価を得ている。

21世紀のファッション業界において最も偉大なアイコンのひとりである、デザイナーのトム・フォード。’90年代にクリエイティブディレクターとしてグッチを復活させ、現在では自身の名を冠したブランド「トム・フォード」をスタート。その豊かなクリエイティビティを生かして映画監督としても高い評価を得ている。

そんな“美意識の人”として知られるトムだが、私生活では’86年から同棲しているファッションジャーナリストのリチャード・バックリーと30年もの間、一途な愛を育んでいる。2012年には代理出産で子供をもうけ、2014年には晴れて念願の同性婚を果たした。リチャードと出会った瞬間に「彼こそが一生を共にする相手だ」と直感したというトム。運命の相手と出会えたとしても、その愛を保ち続けるのは本当に難しいこと。では彼がその結婚生活を維持できている幸運の秘密は、一体なんなのだろう?

もしあなたが尊敬出来て、素晴らしい心と魂の持ち主だと信じられる相手と一緒に居るのなら、絶対に彼から離れないこと。それ以上の相手なんてみつかりっこないから。もしも言い争いや、何ヶ月、ときには何年にもわたるケンカが起こってたとしても、絶対に手放さないで、解決する努力をして。——それ以上の相手なんてどこにも居ないから、しっかり捕まえておくこと。

If the person you are with someone you respect who you believe has a great heart and a great soul—don’t ever leave them, because you won’t ever find anyone better. So even if you have an argument or a fight or there are moments-even years, —stick it out, work at it-——you won’t find a better one. Hold on.

トム・フォードが花形エディター、リチャード・バックリーと出会ったのは25歳のとき。トムは初対面でリチャードの目を見たときに、「この人こそ自分が残りの生涯を共に過ごす相手だ」と自分の未来がわかったのだという。「それは素晴らしくもあり、恐ろしい感覚でもあった」、とも。

感性で生きる男、トム・フォードらしい、なんともロマンティックなエピソードだけど、トムは自分のことを「直感的ではあるけれど、同時に合理的な人間でもある」と評する。たしかに、出会ったその日から一緒に暮らし始め、その後30年間もの時間を共に生きているとなると、ロマンや幻想だけでなく、トムは実に合理的にかつ瞬間的に運命の人を見極めたのだろう。その類い稀なるインスピレーションによって。

けれど運命の人を見分けるには、トムのような天才的ひらめきは必要ないのだと彼は言う。あなたが心から尊敬出来て、美しいハートの持ち主だと確信出来る相手であること。それだけが真に重要なチェック項目なのだ。

そしてそんな、“右脳も左脳もGOサインを出す”貴重な相手をみつけたのなら何があっても「絶対に」、手放さないこと。そんな相手など滅多にいるものではないのだから。

思うに、愛とはたぶん自分自身への「コミットメント(誓うこと)」の積み重ね。ケンカしてもスレ違っても、ときにどちらかがよそ見するときがあったとしても、ふたりの関係が岐路に立たされたとき、「この人を愛する、この人と一緒に居る」ことを選び続けることだけが、永遠の愛に繋がる唯一の方法なのだと思う。

永遠の愛はみつけるものではなく、自分の意志で築き上げて行くもの。そしてそれは、口で言うほど容易い(たやすい)ことではないはずだ。愛した分愛される保証だってない。だけどパートナーシップの岐路に立たされたとき常に、「この人と、それでも一緒に居たい」と思える相手なら。—そんな相手なら、努力してみる価値はあるんじゃないかな。

photograph:AFLO
出典:http://www.vogue.co.uk/

Edited by さかい もゆる

公開日:2016.11.28