美しい歩き方講座

【脚が太い、猫背、腰痛】正しいウォーキングで改善できます!

2021.06.13

ウォーキング

美容にファッションにエクササイズに……日本女性の美意識の高さは世界的にも知られています。しかし、こと「歩き方」に関しては外国人から見ると“ちょっと残念”との評判のようです。日本的歩行は平面的(2D)であるのに対し、美しく正しい「世界標準の歩き方」は立体的(3D)なのです。世界標準ウォークについて、解説していきましょう。

ウォーキング

美容にファッションにエクササイズに……日本女性の美意識の高さは世界的にも知られています。しかし、こと「歩き方」に関しては外国人から見ると“ちょっと残念”との評判のようです。日本的歩行は平面的(2D)であるのに対し、美しく正しい「世界標準の歩き方」は立体的(3D)なのです。世界標準ウォークについて、解説していきましょう。

教えてくれたのは……

PROGRESS BODY代表

松尾タカシさん

ウォーキングやエクササイズレッスン、健康グッズの開発も手がける、アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士。身体機能を活性化しながら姿勢を正し、身のこなしを美しく変える独自メソッド「PROGRESS BODY」を開発。

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身のこなしを美しく変えるメソッドを提案するPROGRESS BODY代表の松尾タカシさんは、前回の記事では「日本人の歩行がいかに外国人から残念に思われているか」について教えてくれました。今回は、世界標準ウォークと日本的歩行の違いを分析していきます。

ウォーキングの世界基準とは?

「歩き方の差異を考えたとき基準にしたのが、ドイツのランチョ・ロス・アミーゴ病院の医師による“歩行周期”です。“歩く”という一連の動作を、8つの場面に分け、それぞれ筋肉や関節がどのような動きをしているのかを様々な角度から観察・分析したもので、現在、各国の医療従事者や理学療法士、スポーツトレーナーなどが使用する“ウォーキングの世界基準”です」(松尾さん)

8つの場面のうち、特に日本人と世界基準の差が大きい4場面を比べてみましょう。

1.イニシャルコンタクト/足が地面に着地する場面

世界基準では骨盤を回旋させ、お尻や脚全体の筋肉を使ってひざを伸ばしかかとから着地します。一方、日本人は骨盤の回旋が少なく、太ももの裏側やふくらはぎの筋肉を使えず歩幅が狭くなりがち。また骨盤が後傾しているため、重心が後ろに下がり、ひざが伸びないまま着地動作に入ります。腰痛や股関節痛、ひざ痛などが心配されます。

2.ローディング レスポンス/反対側の足が地面から離れる場面

世界基準では、着地の衝撃をお尻や脚の筋肉全体で吸収してエネルギーに換え、骨盤の回旋を使ってスムーズに進みます。日本人は骨盤の回旋が十分でなく、股関節を伸ばす筋肉が弱くなっているので、前に進むためにひざを深く曲げて歩きます。ひざ関節への負担が大きく、また太もも前側の筋肉を酷使するので、脚が太くなる傾向にあります。

3.ミッド スタンス/重心を前に移動して片脚立ちになる場面

世界基準では、このとき軸脚の股関節、ひざ関節、関節がほぼ真っ直ぐに並び、重心がもっとも高い位置になります。しかし日本人は、そのひざを伸ばさないで歩くため、重心を上に持ち上げて大きな歩幅で進めません。それを補うために、腰の位置が低いまま足で地面を掻くように動かすため効率的ではなく、少し歩いただけで疲れてしまいます。

4.ターミナル スタンス/軸脚のかかとが地面を離れる場面

左右の脚の重心移動が行われる場面です。世界基準では、軸脚のひざは伸びたまま、重心をゆるかやに前方に移動させることで加速され、スムーズに重心を移動できます。日本人はここまでの動きで重心を十分に持ち上げられず、軸脚のひざを曲げたままなので、ふくらはぎの筋肉に頼った蹴り出しになり、その部分の脚が太くなりがちです。

「世界標準レベルのウォーキング」を目指す3つのポイント

「それでは歩き方が下手な日本人を、どうすれば世界標準レベルに改善できるのか? 私はこれまで、世界中のアスリートや一般人の歩行や走行を研究し、また実際に数千人の方々の体を見てきました。そしてようやく“日本人が苦手”としている“世界標準ウォーク”をマスターするための3つのポイントを導き出しました」(松尾さん)

原則1 まっすぐに立って歩く
原則2 重心を左右に入れ替えて歩く
原則3 からだの回旋を使って歩く

とても簡単なことのように感じられるかもしれませんが、実はほとんどの日本人は歩くときにこの3原則ができていないのです。

原則1 まっすぐに立って歩く

私たちの体は、背筋を伸ばしてまっすぐに立たないと、正しく歩けない構造です。しかし日本人がそれを苦手としている理由としては、上半身が猫背気味の人が多く、また骨盤が後傾しがちでひざが伸びず、それに連動してO脚やX脚になりがちな下半身の問題があります。またそのために、若い頃から地面に対して体を垂直にキープする「抗重量筋群(腸骨筋、大臀筋など)」と呼ばれる筋肉量が低下してしまうことも大きな原因です。

「つまり前かがみな姿勢やつま先体重で立つため、小股でヒザを上げずに歩きがちになっているのです。しかしこれでは背骨がきれいなS字カーブを描けず、どうしても歩き姿が年寄りのようなチョコチョコとした歩き方になってしまうのです」(松尾さん)

原則2 重心を左右に入れ替えて歩く

歩くときの左右の足への重心移動も日本人は苦手です。右足を地面に着地させて重心を乗せたら、次は右から左へと重心を移動させ歩きます。ところが、姿勢を支える抗重量筋群が衰えると、片足に体重を乗せて立てず、左右への重心のキャッチボールがうまくいかなくなります。そうなると関節に負担がかかり、腰痛やひざ痛などの原因になります。

「たとえば欧米人は、日本の家庭にあるスリッパを上手く履けません。左右への親指の付け根(母指球)に重心をかけて歩く欧米人にとって、スリッパはすぐに脱げてしまうのです。つま先体重で左右への体重移動は抑え気味に、小股でつっかけるように前かがみで歩かないと日本式のスリッパは上手に履けません」(松尾さん)

原則3 体の回旋を使って歩く

日本人が最も苦手とする動きが体の回旋を使って歩くことです。回旋とは上半身と下半身(骨盤)をツイストさせる動きのこと。たとえば右足が前に出るときは右の骨盤が前に回旋し、同時に胸椎は左が前に出てきます。一方日本人は、猫背で骨盤が後傾し、ひざを曲げて歩くのでうまくスイングできません。体を回旋させて歩くと、歩幅が大きくなり、推進力もアップ、回旋により体に軸ができ姿勢も改善します。

「女優マリリン・モンローの有名な“モンローウォーク”も、意識して腰を振っているのではなく、彼女にとってはごく自然に歩いているだけなのです」(松尾さん)

今まで歩き方を意識したことがない人は、動画などで自分の歩く姿を観察してみると、その姿に愕然とするかもしれません。しかし逆にいえば、世界でもっとも歩き方の下手な日本人は、世界標準の歩き方に変えるだけで、スタイルも美しく、体も整ってくるのです。

第3回は「3Dウォークを身につけるエクササイズ」と美しいスタイルになるための実践テクニックをご紹介します。

『きれいに歩けば長生きできる 世界標準3Dウォークの奇跡』(松尾タカシ著)

Edited by VOCE編集部