2017.08.06
蒸し暑い夜にはコレ!「グッスリ睡眠」を叶える裏ワザ
梅雨が明け、本格的な夏到来!しかし、夜は熱くてなかなか眠れない……とお悩みの方は多いのではないでしょうか。そんなお悩みを解決し、今夜から実践できる裏ワザをご紹介します。

プチ不調をかかえる生徒さん100名を調査した結果、睡眠の課題第2位は「寝つきが悪い」(睡眠課題ランキング1~5位はこちらをチェック!)。暑くて、なかなか寝付けない方も多いことと思います。そこで今回は、寝つきをよくするための熱さ対策を、1200名以上の女性の睡眠を解決してきた、ナイトケアアドバイザーの小林麻利子がご紹介します。
寝る前の体温の仕組み
まずは、寝る前の体温の仕組みを知りましょう!
私達は、寝る前に内臓などの深部体温が下がり、就寝後さらに体温が下がる仕組みが備わっています。例えば、小学生でも高齢者でも、睡眠の長さが違っても、睡眠前には深部体温が下がり、就寝後にも更に深部体温が下がることが分かっています。
また、深部体温が下がるにつれて、皮膚温度が高くなっています。これは、寝る前の赤ちゃんが良い例で、手足や体表面の血流がよくなり、血管が拡張することで、内側にある熱い血液が外側に放熱するからです。
真夏でも手足が冷たければ眠りにくい
真夏でも手足が冷たい女性がいますが、寝る前に手足が冷たいと、深部体温が下がりにくいので、良い眠りにはなりにくくなります。また、足裏が冷たいと、寝る前に副交感神経が優位になりにくいため、寝つきが悪くなる可能性があります。
これについては、ツムラが2008年、冷え症の自覚のある25~39歳の女性6名を対象に行った研究で明らかになっており、「入浴なし、シャワー浴、浴用剤を使った浴槽浴」という3つの条件で比べたところ、「入浴なし」は「シャワー浴、浴用剤を使った浴槽浴」に比べ、就床時の足部皮膚温が約5℃低く、交感神経活動の抑制や副交感神経活動の促進が小さいという結果が得られています。
深部体温の低下を妨げる3つ
①室内の高温
外気温が熱すぎると熱が放熱しづらく、深部体温が下がりにくくなります。そのため、エアコンの使用は必須。
②室内の高湿度
高温多湿の環境と睡眠との関係を調べた東北福祉大学の研究によると、たとえ適温でも高湿度であれば、適温適湿の約1.3倍、中途覚醒を起こしてしまうという結果が出ています。
湿度が高くて体表面に湿気が多ければ、汗が乾かず、熱が外にうまく逃げないことも考えられます。
③吸湿性、通気性の悪い寝具
寝入り後に一番汗をかきますが、汗をぐんぐん吸い取れないパジャマや寝具では、寝床内環境が悪くなり、体温が下がりにくくなる原因になります。
寝つきをよくするための熱さ対策
エアコンは絶対必須
ひと昔まえの家と違い、気密性の高いご自宅の場合、寝ている間の吐息や汗で寝床内温湿度(寝具と人体の間の環境)が悪くなる可能性があります。
正常な睡眠のためには室温26℃、湿度50〜60%となるよう設定しましょう。また、寝室を夫や彼と共にする方は、温度設定で揉めることもあるでしょう。対策は、【寝苦しい熱帯夜も快適に】エアコンを使った快眠アップ術!をチェックしてみてください。
夜湯舟に必ず浸かること
夜湯船に浸かった方が深部体温が下がりやすくなるので、眠りやすくなります。株式会社バスクリンの2010年の研究でも、シャワー浴より、お風呂に使った方が深部体温が低下したという結果が得られています。対策は、【寝苦しい熱帯夜も快適に】エアコンを使った快眠アップ術!をチェックしてみてください。
吸湿性、通気性に良い寝具を使う
汗をしっかり吸い取ってくれるパジャマや、敷き寝具、掛け布団などを用意。またその汗をしっかり外に出す、通気性に優れているものが良いでしょう。
おすすめは、綿やシルク、麻。また、ガーゼやタオル地などは、吸湿性はさらに良いですね。布の表面がぼこぼこしている織り方の布なら、肌と接地する面積が小さくなるので、通気性は良いと言えます。
後頭部を冷却シートで冷やす
後頭部を冷却シートで冷やすと、寝つきまでの時間が短縮したという報告もありますので、試してみてください。冷感枕カバーなどが◎。
扇風機やサーキュレーター
風のないところで植物が育ちにくいように、ヒトも空気の流れがある程度あった方が良いと言えます。そのため、扇風機やサーキュレーターなどを使って、寝室の空気の循環を良くしましょう。
ただし、先述の通り、直接体に当たると冷えすぎてだるさを感じたり、熱が外に逃げにくくなってしまうので、NG。壁にあてて、その跳ね返りを利用したり、エアコンの下において、室内の空気の循環をよくしましょう。
ペパーミントやレモングラスなどの精油スプレー
ミント系やシトラス系の精油は、清涼感があり、涼しさを感じます。ディフューザーで寝室を香らせたり、無水エタノールと混ぜて、ルームリフレッシュナーとして使用するのも良いでしょう。
夕方の運動も◎
体温は昼間との高低差が高ければ高いほど、夜の熟睡度が上がります。最も体温が高い夕方に、スクワットをしたり、階段を利用したり、運動をするのも良いでしょう。
暑くてもちょっとやそっとで起きないよう、夜の熟睡度を高めることも重要です。
いかがでしたか?
様々なものを駆使しながら、蒸し暑い夜を乗り切ってくださいね。